楊双子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
同時期に読んだダガー賞受賞作のシスターフッドものがあまりにピンと来なかったことも影響しているのか、翻って、本作はものすごく良かった。ヤクザの世界を通して男性性をことさら強く意識付け、メインキャストの性を相対化させる件の作を評価した英国ミステリー界を全く理解できない我が身としては、多様性を一個性として認めながら人間同士の魂の交流、成長のあゆみをつぶさに描き出す本作、大衆百合文学こそを激推ししたい。メシもうまそうだし言うことない。肝はやはり「舞台裏」。政治的に無気力な自分は本作者のような熱量を物語にこめることは、不可能、なのだろうか。自らのアイデンティティを見つめ続ける姿勢に何よりの敬意を覚えた。
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Posted by ブクログ
ネタバレなんとなく『海街diary』を思い出した。(ただしこちらの5人はまったくの他人であるが)ただ、なんとなく。
自分は何者なのか?(エスニック・グループであったり性的志向であったり……)が、シェアハウスの店子4人と大家、それぞれの(時間的なズレはあるものの)意識の表面に(自然と、あるいは他からの刺激によって)顕れてくる。登場人物全員が女性なので「百合もの」の色合いは帯びるものの、それがテーマではない。
登場人物ごとに章を割いて描いていくが、人数が多いせいか、『台湾漫遊鉄道のふたり』ほどの彫り込みには至っていない印象。
作中にでてくる1914年出版のレシピ本、実在するそうなので(解説文)、翻 -
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Posted by ブクログ
『台湾漫遊鉄道のふたり』でブッカー賞を受賞した台湾人作家・楊双子の作品。先輩から「ほのぼのグルメ小説かと思ったら、歴史的要素も絡んでておすすめ」と紹介されて読み始めました。
日本統治時代に建てられた四維街一号には、下宿している4人の女子大学院生と、のらくら生活の女性大家の計5人が暮らしている。下宿人が暮らす部屋はとても狭く、キッチンやお風呂は共用。4人の院生たちはそれぞれ性格も四維街一号に住むことになった経緯も異なる。シャイで人付き合いが苦手な乃云、明るい性格で苦学生の家家、料理が得意で才色兼備の小鳳、院生とBL作家の二足の草鞋を履き、浮世離れした雰囲気を持つ知衣。それぞれの視点で各章が語ら -
Posted by ブクログ
ネタバレ主人公をあまり好きになれず、終始イライラしながら読んでしまった。これだけ働かせておいてお給料を気にしていない上にご飯を奢ればいいと思ってる?物をあげればいいと思ってる?など、細かいところが何度も気になった。雇っている立場としての自覚もないし、宗主国から来たという慎重さもなくて無意識に上から目線。人気作家らしいのに見識が狭い……とモヤモヤし続けた。
けれど、この感覚を持つのは著者による意図的なものだったのかと最後に納得した。
たぶん食べ物が美味しそうなのはわかるけれど、ずっとふたりが噛み合っていないように見えて、そこが気になって楽しみきれなかった。これだけ気高い千鶴が青山千鶴子を好きになるものだ