日本以上に学歴社会だという台湾で、長年家庭教師として様々な受験生を見てきた著者による、いくつもの親子の実態が描かれた小説。
子供の未来に自分の人生の全てをかける親。
子供は親のものだと思い通りにコントロールしようとする親。
親の期待にこたえようと一生懸命な子供。
毒親やモンスターペアレンツという
...続きを読む言葉があるように日本人としても全然人ごとじゃなくて、突き刺さる言葉ばかり。
家庭における親子関係、教育の本質についての大切なことが描かれていて、心に響く小説でした。
親として、幼児教育に関わる者として、本当に深く自分を振り返り、またこれから子供達に何をしてあげられるかを考えることができました。
息子たちのために、生徒たちのために、忘れないようにしたい言葉たち。
「大人はみんな自分が正しいって思ってるしね」
「この世に私と小葉(娘の名前)二人だけになったら、私は何にも遠慮せずにあの子を全力で愛することができただろうって。」
「両親の言動は、子供のあらゆる行動に影響を及ぼす。その両親も、自分の両親の言動の影響を強く受けているのだろう。」
「一つの教育方法が、世間が目を見張るよう成功をした子供を輩出する可能性もあり、また、一人の子供の才能を完膚なきまでに破壊する可能性もある。ただ、才能を破壊された子供の話には誰も興味がなく、人々は失敗例を嫌う。ただ教育神話だけを聞きたがる。」
「私はこれを読んでやっとわかった。生徒の悩みを聞くという行為は、学習面においては全く意味がないように思えるが、実際は最も効率的な教育行為だということが。教育とは、必ずしもすべての時間を勉強に費やさなければならないわけではない。」
「我々は、人生で間違いを犯すことを恐れているけど、それよりもっと恐れているのは、人生で失敗した時に誰のせいにもできないことだよ」