山本義隆のレビュー一覧

  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

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    科学史に精通した著者によると、原爆製造から派生した原発技術は、核分裂という物理学理論から生み出された科学技術であり、それまでの経験主義的な技術先行で、理論が追いついてきた事例と異なっていると述べている。このような原発技術は未だ未完成であり、数万年にわたって管理が必要な放射性廃棄物の問題など、人間の感覚や想像を超える制御不可能なものと主張する。人間の能力を超えるものが存在するという認識は大事であると思った。裏表紙に記された一文には、日本の原子力ムラについての状況がシンプルに(一文としては長いが)的確に表されている。

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    2011年09月11日
  • 熱学思想の史的展開2 ──熱とエントロピー

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    2009/1/21 7&yにて購入 。
    2015/10/5〜10/19

    熱力学の歴史、第二集はカルノーからウィリアム・トムソン(ケルヴィン)まで。ようやく、現代の考え方に近づいてきた。最終巻に続く。

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    2015年10月19日
  • 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー

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    山本義隆の熱科学史。単なる単行本化ではなく、かなり書き直しているらしい。
    どうやって熱力学が形成されていったのかを知ることで、とかく分かりにくい熱力学の思想や用語が理解できるようになるかも。

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    2009年10月04日
  • 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー

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    これは面白くなりそうな予感。
    アリストテレスからラヴォアジェまで。

    数学的変形が全体性を無根拠に保障してしまうあたり。

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    2009年10月07日
  • 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー

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    2008/12/25 セブン&yに注文
    2008/12/27 届く。
    2015/9/18〜10/4

    元駿台生にとってはカリスマ教師である山本義隆大先生の著作。今回は熱力学の哲学的なお話。第1巻は古代からラボアジェまで。浅学で知らなかったが、ロバート・フックがボイルの弟子だったとは!難しいが面白い。続いて2巻へ。

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    2015年10月04日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    科学と技術という視点で近代日本を振り返った一冊。
    科学技術という言葉にあるように、日本人には科学と技術を混合してしまっている人が特に多い。その理由を歴史的な背景から分かりやすく説明してくれる。

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    2024年01月17日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    岩波新書
    山本義隆 近代日本150年


    近代の軍事技術や戦後の原子力開発など 国策と結びついて発展した科学技術を批判した本


    近代批判というより、現代の原発批判の元に 近代の国策と結合した科学技術の姿を見出して 批判の対象としている


    戦後の原子力開発を いつでも核武装できるという意味で、潜在的軍事力として位置づけ、近代の軍事技術の流れを引き継ぐという論調


    科学者が政府の言いなりになったことや、科学技術が 日本を大国化させたこと の責任を問うのは無理があると思う









































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    2023年08月28日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    日本の技術開発の経緯がどのような積み重ねや研究土台・開発環境の下で今日に至っているのかをまとめてくれており、過去から現在に至るまで研究開発の成果が実際に戦争、政治、搾取等に利用されている現実に対して強く問題提起している一冊である。

    技術開発は恩恵を生み出したその一方、兵器、原子力問題、自然破壊、利権等、多くの損害を生み出していることは理解しておくべき良識である。なのにソーシャルメディアからの発言を見る限り、現代人でそれを理解できていない人というのが随分と多い気がしてならない...。

    産業革命からたった150年でこの技術進化...、自分は死んでるけど100年後の地球がちょっと心配な感じが少し

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    2025年11月15日
  • リニア中央新幹線をめぐって――原発事故とコロナ・パンデミックから見直す

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    2つの構造線を貫く地下トンネル。乗っていた車両に事故発生。300mの高低差を登り、命からがら脱出できたがそこは冬山。救助到着はいつになるのか・・。想像するに恐ろしい。超高速を生み出すのは超電導。機構の複雑さが、故障確率を上げる。最新技術の超特急だが、「乗ってみたい!」と思わない人が35%。その気持ちも肯ける。全長247kmのトンネル掘削。残土運搬のトラックは1日8000台、それが何年も続く。環境破壊に一役買いたくない。リモート環境定着で移動の需要も減った。行きつく先は破綻の道。リニアは世界をリードしない。
    しかし、「脱成長」を語る第4章は余計。本章で提言される「地域分散ネットワーク型」社会を作

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    2022年02月22日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    黒船到来から始まった近代日本は2018年に150年を迎えた。本書はその歴史と2011年の福島第一原発事故での科学技術幻想の終焉を描く。日本がこれから取るべき方向はどこなのか。

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    2022年01月30日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    明治から現代にかけて、科学研究体制がどのように・誰に担われてきたのかを史料や関連著作から読み解く本。科学と広い語が使われているけど、工学、物理学を中心に、重工業系の産業との関係性がメイン。医学・生物学は本書の範囲外。
    経済発展のちに戦時の富国強兵を目的に、政府主導で作られてきた体制が、福島原発事故などをきっかけに破綻しつつあるとの指摘がされている。
    「科学盲信」という表現がされているのだけど、科学を発展させることで国富がかなうと、「国富」とはなんなのかを省みなかった。それが公害や原発事故につながっていると。
    だからといって科学研究の推進を否定するものではないと思うのだけど、研究倫理やリベラルア

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    2021年10月24日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    評価が難しい本。戦時中までは概ね肯ける内容だが、戦後それも最近になるほどイデオロギー色が強く、プロパガンダになる。
    戦前戦中の話は初めて知ったが興味深い。科学者が戦中が最も良かったと評価しているのは有名だが、科学振興体制がその頃に出ていたとは知らなかった。
    著者の評価軸は二つあり、戦争⇔平和、合理的⇔封建的となっているが、戦争までは戦争平和を問わず封建的で人民を搾取、戦中は合理的な面はあるが戦争しているとして、兎に角否定している。
    一方、戦争中に科学や工業が進んだこと、平等化合理化が進んだこと事実はしっかり書かれている。特に平等、各個人の尊重が進んだことは、戦争という非常時でなければ起こらない

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    2021年09月01日
  • リニア中央新幹線をめぐって――原発事故とコロナ・パンデミックから見直す

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    リニアについては以前からその需要に大きな疑問を感じており、南アの自然をぶっ壊すクソ事業と捉えつつも、その程度でしか考えていなかったのだが、本書を読むとこの事業が日本没落の象徴事業で、如何にヤバいかひしひしと理解でき、自分の無知をひどく恥した。。。

    事業の影響をリアルに受けるのは多分現在20代以下の若者と子供たち、だと思う。

    折角汗水たらして作り上げたとしても需要が全く無く維持に莫大なコストがかかるとすれば、何の価値も生み出さない徒労以外の何物でもなく、失った時間と資源も戻ってこなければそれはもう損害以外の何物でもない...。

    人口減の日本の中で、都市(東京)への人口集中を加速させる。何よ

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    2021年08月16日
  • リニア中央新幹線をめぐって――原発事故とコロナ・パンデミックから見直す

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    科学史家によるリニア中央新幹線についての批判的考察。エネルギー多消費、緊急時の安全性、採算性、東京一極集中の加速、トンネル建設に伴う環境破壊など、論点が網羅されている。推進側のものも含めて、典拠がしっかり記されているので、気になった話題についてはそれに当たるのが良いだろう。

    リニアの考案者と言われる技師は、エネルギー浪費の観点からリニアに反対するようになったとのこと。現行の新幹線よりもエネルギー多消費であることは、推進側も含めた共通認識のようだ。

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    2021年07月21日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    明治から始まる歴史の流れを科学技術に絞って展開
    原発を推進する、核不拡散条約に同意しないスタンスの人達が持っている思想や背景をイメージする助けになる

    経済成長を目指すべきかそもそも違う視点を見出していくのか。
    いろんな意見はあるけど国を国民一人ひとりと見るのか俯瞰して国という記号を見るのかによって考えは大きく変わる。自分は前者でいたいが後者にも共感してもらえる話を展開できるようになりたい

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    2019年04月14日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    この150年、どのような背景で科学技術が発展し、いまどうなっているかがよくわかった。これからどうするべきなのかとても考えさせられる。

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    2019年04月14日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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    力作。
    よく書かれている。
    軍事が科学・技術向上に大きく関係していたことが分かる。
    弱者を犠牲にして発展してきたことも分かる。
    やはり、国や大企業のいうことをうのみにしてはいけない。しっかり自分の考えを持たなければ。

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    2018年11月23日
  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

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    ボリュームはあまりないし、内容も悪くはないのだけれど、ちょっと退屈だったかなぁ。期待が大きすぎたかも。

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    2018年10月09日
  • 近代日本一五〇年 科学技術総力戦体制の破綻

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     さすが、元東大全共闘委員長の著者の観点は鋭い。明治以来150年の文明化の日本における特殊性、それが軍事技術への関心の高さから戦争と密接に結びつき、「兵学」であったこと、それは戦後も一貫しており、朝鮮・ベトナム戦争における兵器開発、なんと原子力発電の維持までが、岸首相以来の核兵器をいつでも持てる潜在的核保有の意味を持たせ、諸外国への牽制としていることを論破していく!驚きだが、全く肯けるところ。一方、ドイツ、イタリアは脱原発を宣言したらしい。それが2011年の原発事故において、日本の科学技術体制の破綻を迎えているという認識は私自身もしっかりと持つべきだと感じた。気象、海洋研究までもが海軍の193

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    2018年02月21日
  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

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    原発停止による電力不足が日本経済に与える影響があることは分かっていても、原子力発電に関しては再考すべきだと思います。どんなに安全だと言われても、無害化まで数万年かかる放射性廃棄物の処理すら人間にはできていないのです。

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    2013年02月09日