山本義隆のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
段々佳境に入ってきました。2巻ではなんといっても、フランスのカルノー・マンチェスターのジュール・グラスゴーのトムソンなどがでてきて、熱力学第一法則の発見に収束していきます。このほかに、ゲイ・リュサック、ドルトン、マイヤー(パラノイアだった)などの魅力的な科学者の業績が語られます。最後にでてくる、熱の特殊性にもとづくカルノー理論と、熱と仕事の等価変換を主張するジュールの理論との間で、問題解決に苦しむトムソンの立場が書かれていて、第3巻(最終巻)へつづいていきます。熱量保存法則とか熱素説はなかなかしぶといですね。ジュールは電気の研究をメインにしているし、カルノーは蒸気機関の効率改善から入っているの
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Posted by ブクログ
熱とは何かという難しい問題をめぐる科学史の研究書です。読み進めるのはなかなか忍耐力がいりますが、やっと1巻を読み終えました。ガリレオによる機械的熱運動論からはじまり、ボイルの粒子哲学と熱運動論、ニュートンの引力斥力による熱の説明、ニュートンのエーテル論の受容を境にした熱物質論への転換などが一つの区切りで、後半は特に温めると物が膨脹するということから、火と斥力の関係が重視され、ヘールズの空気による斥力の説明、ブールハーフェの火の物質・保存と平衡の理論、産業革命をささえたスコットランドの学者たちカレン・ブラック(潜熱と熱容量を提唱)・クレグホン・アーヴィンなどの実験と理論、「化学革命」の騎手ラボア