山本義隆のレビュー一覧

  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

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    原子力と核兵器の関係、とくに核燃料サイクル政策の不自然さへの指摘は、広く共有されるべきだと思う。それにしても、財政赤字の子孫への負担を憂う人々が、万年単位の放射性廃棄物という負の遺産に鈍感な現実は理解に苦しむものがあります。

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    2012年03月11日
  • 福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

    Posted by ブクログ

    間違いなく慧眼である。著者は、長い間政治に関わりそうな問題については頑固に沈黙を守ってきた。それだけに深く考え抜いた結論であると思う。
    しかし、惜しむらくは、こうした本にするには、与えられた情報量があまりに少ないのでは無かろうか。原子力村だって一枚岩と推断できない様々な考え方があるに違いない。もう少し丁寧にそうした部分が拾えたらなあと無い物ねだりをしてみたくなる。
    このタイミングでこのたぐいの本を出すとすれば仕方ないのかもしれないが。

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    2011年09月01日
  • 熱学思想の史的展開2 ──熱とエントロピー

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    段々佳境に入ってきました。2巻ではなんといっても、フランスのカルノー・マンチェスターのジュール・グラスゴーのトムソンなどがでてきて、熱力学第一法則の発見に収束していきます。このほかに、ゲイ・リュサック、ドルトン、マイヤー(パラノイアだった)などの魅力的な科学者の業績が語られます。最後にでてくる、熱の特殊性にもとづくカルノー理論と、熱と仕事の等価変換を主張するジュールの理論との間で、問題解決に苦しむトムソンの立場が書かれていて、第3巻(最終巻)へつづいていきます。熱量保存法則とか熱素説はなかなかしぶといですね。ジュールは電気の研究をメインにしているし、カルノーは蒸気機関の効率改善から入っているの

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    2010年02月20日
  • 熱学思想の史的展開1 ──熱とエントロピー

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    熱とは何かという難しい問題をめぐる科学史の研究書です。読み進めるのはなかなか忍耐力がいりますが、やっと1巻を読み終えました。ガリレオによる機械的熱運動論からはじまり、ボイルの粒子哲学と熱運動論、ニュートンの引力斥力による熱の説明、ニュートンのエーテル論の受容を境にした熱物質論への転換などが一つの区切りで、後半は特に温めると物が膨脹するということから、火と斥力の関係が重視され、ヘールズの空気による斥力の説明、ブールハーフェの火の物質・保存と平衡の理論、産業革命をささえたスコットランドの学者たちカレン・ブラック(潜熱と熱容量を提唱)・クレグホン・アーヴィンなどの実験と理論、「化学革命」の騎手ラボア

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    2010年01月04日