福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと

ビジネス・実用
880円 (税込)

4pt

〈税金をもちいた多額の交付金によって地方議会を切り崩し、地方自治体を財政的に原発に反対できない状態に追いやり、優遇されている電力会社は、他の企業では考えられないような潤沢な宣伝費用を投入することで大マスコミを抱き込み、頻繁に生じている小規模な事故や不具合の発覚を隠蔽して安全宣言を繰りかえし、寄付講座という形でのボス教授の支配の続く大学研究室をまるごと買収し、こうして、地元やマスコミや学界から批判者を排除し翼賛体制を作りあげていったやり方は、原発ファシズムともいうべき様相を呈している〉

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  • カテゴリ
    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと
  • タイトルID
    :
    206631
  • ページ数
    :
    114ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年04月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    1MB

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福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    山本義隆氏の本を読みたかった。
    探してみると、本書が見つかった。
    薄い本である。しかも原発に関する書である。
    今まで私なりに原発や核兵器に関して、本を読んできた。
    氏の原発に対する考え方を知りたかった。浪人生時代を思い出し、あらためて生徒になった。
    先生の言葉を聴き逃すまいと、一文一文ゆっくり読んだ。原発は外交カードであったことを知り、目から鱗が落ちた。先生の知識量に圧倒された。また、先生の正義感と誠実さと優しさも感じられて嬉しかった。
    先生は20年前と少しも変わっていなかった。
    柔らかい表情の奥に光る野武士のような目の輝きを思い出した。

    0
    2018年06月09日

    Posted by ブクログ

    誠実な思考。その積み重なり。
    ひとことを導き出すために、多くの言葉が選ばれていることがわかる。
    「特別にユニークなことが書かれているわけではありません」と著者がいうとおり、書かれていることは、すでによく知られていること。
    それだけに、著者の論の進め方は、説得力がある。

    0
    2012年02月17日

    Posted by ブクログ

    3月11日の大震災、その後の福島の原発事故が発生し、いまだ自分の
    中でもやもやした感情が残っている。
    この著者は、今回の原発事故は科学技術幻想の肥大化が招いたものだ
    と指摘する。科学技術とは、技術者が経験主義的に形成してきたもの
    だが、原子力は純粋な科学理論のみに基づく点が異なり、それが人間
    のキャパシティの許容範囲を超えた技術を生み出す結果になってしま
    ったという。
    脱原発社会に向けた説得的な批判を読み、腹落ちのする内容だったと
    思う。

    0
    2011年12月30日

    Posted by ブクログ

    アルファブロガー池田信夫氏が「残念ながら読んではいけない本になってしまった、、、」と書かれていたので、政治的なことで山本先生もつい力が入って過激で刺激的な文になってしまったか、と思っていた。
    が、池田氏が駄目出ししていた「正気で書いているのかどうか疑わしい。」という表現。苦笑を誘うような部分である。決して池田氏がいうように他者を罵倒したものではない。
    読むべき本である。
    ちなみに苦笑を誘う表現とは「処分場閉鎖後、数万年以上というこれまでにない・・・したがって、・・・各地方自治体や国民に広く理解、協力を得る必要があり・・・」という原発推進者の一文である。数万年・・・。苦笑せずにはいられないだろう。西堀栄三郎氏が技術者倫理を説いた「技士道十五ヶ条」の十四・「技術に携わる者は、技術の結果が未来社会や子々孫々にいかに影響を及ぼすか、公害、安全、資源などから洞察、予見する。」を捧げたい。1985年の言葉である。

    0
    2011年09月01日

    Posted by ブクログ

     著者があとがきで断わっているとおり、とくに新しいことが書かれているわけではないのかもしれない。しかし、これまで「進歩」の名のもとで語られてきた自然支配へとシフトした科学技術の進展と、それに乗じた軍事技術の開発と一体で、かつ利潤のために不正と不公正を生まずにはおかない資本主義の発展との延長線上で、福島の「事故」が起こるべくして起きたことをこれほど明晰に見通させてくれる書物に出会ったのは、これが初めてである。著者が専門とする16世紀に、知と技術が自然の模倣から、自然の支配へと移行したこと、そしてその頃にはまだあった自然への畏敬がその後失われていったことから、科学主義的な幻想が生まれ、そして科学技術がとくに20世紀の大不況を契機として、国家に取り込まれ、その軍備拡張に寄与することになったことの延長線上に、現在の「原子力ムラ」の「原発ファシズム」とそれがでっち上げた「安全神話」があることが、簡潔ながらもしっかりとたどられている。また、原子爆弾をマンハッタン計画の延長線上に、「原子力の平和利用」があり、それはさらにニュー・ディールを背景としていることや、並行して日本では、戦前は岸信介が指導し、今日の経済産業省に連なっていく、国家資本主義による軍需産業の発展があったことも歴史的に描かれている。ちなみに、岸信介は戦後、核技術の導入に奔走し、その際核武装による「国力」の誇示をつねに夢見ていたとか。とくに日本の戦後に、「進歩」、「成長」、そして「復興」と語られてきたことが、何に由来し、何に行き着くものであったかはもはや明らかだろう。なお、科学史研究の立場から、現在の「原子力技術」が技術的にも欠陥だらけであることも、丁寧に綴られている。近代の歴史を踏まえて核を乗り越える見通しを開くうえで、貴重な足がかりとなる一冊と言えよう。

    0
    2011年09月01日

    Posted by ブクログ

     なるほど。山本義隆は、東大物理を卒業し、東大大学院で素粒子論を専攻していたのだね。東大全共闘議長で鳴らした人だった。その後予備校の講師をしていた。1941年生まれというから、80歳を超えているのか。この本は、2011年8月に出されている。山本義隆が70歳の時だ。
     なぜ福島原発事故が起きたのか?そして、原子力発電とはどんなものか?を、①日本における原発開発の深層底流。戦後政治史。②原子力発電技術の未熟さと隘路、そして稼働の実態と原発事故。技術論。③科学史から見た原発という構成で書かれている。原爆開発と原子力発電開発は、双子のようなものだと読みきって説明している。
     私は、原子力の平和利用は可能なのか?原発にどう向き合うのか?フクシマのメルトダウンから何を学ぶのか?を考えている。あまり、そのことをこれまで考えていなかった空白地帯で、とにかく手当たり次第に読んでいるのだが、まさかここで山本義隆が。という感じだった。
     著者は、単なる技術的な欠陥や組織的な不備に起因しているので、そのレベルでの手直しで解決可能であると考えるべきではないと言い切る。そもそも、原子力の平和利用、そのものが幻想なのだという。原子力の平和利用は、1953年アイゼンハワー大統領が国連会議で「アトムズ・フォア・ピース」と訴えたこともある。原子力の平和利用は、アメリカの原爆を作るマンハッタン計画の延長に過ぎないと著者は指摘する。
     日本において、地震列島にかかわらず、原発が54基もできた始まりは、1954年中曽根康弘をはじめとする政治家たちが、原子力予算(2億3500万円であり、それはウラン235に因む)が成立した。を提出し、1955年に原子力基本法を成立させた。1958年に原子力発電にアクセルを踏んだのが岸信介だった。岸信介は、「原子力技術はそれ自体平和利用も兵器としての利用も共に可能である。どちらに用いるかは、政策であり国家意志の問題である」と言って、原子力発電を国策とした。さらに「日本は核兵器を持たないが、(核兵器保有の)潜在的可能性を高めることによって、国際の場における発言力を高めることができる」(岸信介回顧録)さらに、1958年5月には、外務省記者クラブで「現憲法下でも自衛のための核兵器保有は許される」と述べ、1959年の衆議院予算委員会で、「防衛用小型核兵器は合憲」と主張している。ふーむ。岸信介の憲法改正は、自衛隊を合憲として、核兵器を保有することまで合憲とすることだったのだ。核兵器を持って、国として一人前という岸信介の認識だった。流石に、勝共連合を大歓迎したわけだ。2002年に福田康夫は「核兵器について、法理論的に言えば、専守防衛を守るならば持ってはいけないという理屈にはならない」と岸信介の文脈を受け継いでいる。
     著者は、そういう状況で考えれば、科学者の原子力の平和利用は、楽天的で無批判的だという。原子力の平和利用に尽力したのが、学術会議の原子力問題委員会(のちの原子力委員会)であった。茅誠司や伏見康治だった。トップクラスの物理学者が原子力平和利用幻想を持っていたのだ。
     フクシマの沸騰水型炉(BWR)については、ジェネラルエレクトリック社の安全性を評価する技術者によって「冷却水が失われた時にその格納容器が圧力に耐えきれなくなる」という欠陥を見出して、運転停止を呼びかけたが、上部からその議論を封印して、その技術者たちは原発の安全性に責任を持てないと言って、会社を辞めざるを得なかった。そんな暗黒史もあったのだ。それが、設計上のミスでは済まされなかった。
     また、高木仁三郎が原発は事故ばかり起こるのは、核エネルギーが膨大な力を発するので、パイプなどの亀裂などが起こりやすいと言っている。
     過去に公害を引き起こした化学工学は、有毒物質を除去し、無毒化する技術は開発できる。しかし、原子力工学では、放射能を無害化する技術ができていない。放射能廃棄物を封じ込めるしかないが、それをするには、現状の技術では、数万年末か、莫大な費用がかかる。うーむ。この指摘は、なるほど。原子力発電は、多いところから2022年1月でアメリカ93基、フランス56基、中国51基、建設中19基、計画中24基、インド22基(世界で443基)となっている。世界のエネルギーは、未熟な技術で成り立っている。
     原発がメルトダウンすれば、被害はとても大きく、廃炉する技術なども遅れている。原発とは何かを考える上で、本書は多くの素材を提供できる。核兵器を持つということさえ含んでいる憲法改正というのも、恐ろしい話だった。

    0
    2025年05月09日

    Posted by ブクログ

     さすがに、学究の分野に進めばノーベル賞級の研究者といわれるだけあり、客観的で、説得力のある著述だ。

    0
    2012年05月21日

    Posted by ブクログ

    福島出張のお供にチョイスしました。
    「福島の」とついてはいるものの、中身は日本の潜在的抑止力としての「核」としての原子力への取り組みからはじまり、誰も制御できないものになっていった過程、そして日本がアジアに、そして世界にどのような態度を示していくべきなのかということを訴えています。
    福島にいる人々は明らかに被害者であったものの、この国は、世界的に見れば加害者なのです。なんともやり場のない…

    0
    2011年12月23日

    Posted by ブクログ

    原発がなぜここまで推進されてきたのか。不安視する声が聞こえてこなかったのか。そんなことが分かる内容です。結果として誰にも止められなくなってしまっていると感じます。

    0
    2011年11月09日

    Posted by ブクログ

    かっては日本物理学会を100年推し進める才能と期待され、現在は科学史著述家として活躍されている山本義隆さんの書下ろしです。
    戦後、アメリカで提唱された「原子力の平和利用」を、当時の総理だった岸信介が、日本で国策として始めたのは、必ずしも将来の電気需要を見込んでの判断ではなく、核兵器保有国としての将来性を考えてのことでした。やがて、国策は、国是となり、政治家、官僚、学者、企業が一体となり原発プロジェクトが、推し進められました。
    国是は、決して過ちを犯さないはずのものです。最先端の科学技術が集約されているはずの原発への、科学的な批判や検証が省みられることはありませんでした。多くの専門家の発言がそれを証言しています。
    ルネサンス以降の自然を凌駕する人間の技術革新を良しとし、今後も進むのか。技術では制御できないものがあることを認め、謙虚に新たな道を模索するのか。私たちは選ばなければなりません。

    0
    2011年09月16日

福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと の詳細情報

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    :
    ビジネス・実用
  • ジャンル
    :
    学術・語学 / 理工
  • 出版社
    :
    みすず書房
  • タイトル
    :
    福島の原発事故をめぐって――いくつか学び考えたこと
  • タイトルID
    :
    206631
  • ページ数
    :
    114ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年04月19日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
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    1MB

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