川上佐都のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ主人公(奈央)の心理描写がいちいち私に刺さった
タイトル『ほころぶしるし』のほころぶは、閉ざしていた感情が表に出ること、それから蕾が花を咲かそうと開くこと、すなわち成長を意味しているのだろう
睦月は、過去の出来事から抱えていた、千恵里や奈央に対するネガティブな感情を、奈央との関わり合いによって捉え直す事が出来た
千恵里は、奈央とぶつかることでこれまで直面してこなかった奈央への感情と向き合い、自分の考えを改めるに至った
奈央は、睦月との出会いをきっかけに自身の過去の行いを悔い反省し、それを通じて自身の行動が変わり、成長した
漢字をところどころ開いてひらがなで記載しているためか、やわらかな印象を受けた(「すき」「いや」「さいあく」)
漢字で書くとかっちりはっきりしてしまうけど、ひらがなにすることで定まらない感情かうまく伝えられている -
Posted by ブクログ
川上佐都さん2作目。
なかなか良かったです(なんか上から目線で申し訳ないです)
誰かと暮らすということは、ワクワクもするしとても楽しそうに思えるけれど、実際はとても難しいと思います。
私は子供の頃は当たり前のように親兄弟と祖父母と暮らしていたけれど、一度家を出て何十年ぶりかに戻って一緒に暮らすと意外と難しい。きっと、相手も同じように感じているかも…と思い、今は仕方のないこととして受け入れて上手に距離をとることを勉強中です。
そんな「誰かと暮らす」ことが描かれていました。きっと、似たような感情は抱いたことがあるのでは?と思えました。
他人と暮らすこと、関わることを通して、自分の他人との繋がりを改めて考えました。
自分が息苦しくない所に居たいなと思います。 -
Posted by ブクログ
コミュニケーションが苦手で不登校の兄・達と、達が大好きな小学生の弟・晶の物語。
晶が、お兄ちゃんが大好きで大好きで仕方がないというのがすごく伝わってきました。
でも、純粋に兄が好きで自慢に思う気持ちと、周りの人たちから見えている兄の姿に対してのギャップに悩んだり、自己嫌悪に陥ったり……。
この年頃って、いろいろな見方が出来るようにもなり始めてて「正しいこと」に縛られたりもする。
それでも、子どもって考えが柔軟だなと思う。大人の常識にとらわれず、頭で考えるよりも良い意味で感情優位で動けてしまうのを尊く感じました。
モヤモヤした気持ちを打ち明けた弟に、愛情とねぎらいのこもった言葉をかけた兄。
無口だけど、きっと心の中はたくさんの感情や言葉で溢れているんだろうなぁ。
さまざまなな家族、人生、考え方がある。
ひとりひとりが自分らしく、楽に息をして生きて行けたらいいのにな。
兄の静かな弟への愛情と、兄を慕う素直な弟。
お互いを優しく思い合う二人の関係が素敵でした。 -
Posted by ブクログ
小学5年生の晶の視点で、大好きで尊敬しているが、晶以外の人とのコミュニケーションが苦手で不登校となっている高校2年生の兄・達との関係を描く。母親の朝子視点の第二章もある。
物知りで絵が上手くやさしい兄を大好きで尊敬しているが、同級生の兄に対する心ない言動にもやもやしたり、兄に「ふつう」になってほしいと思ってしまったことに自己嫌悪したりといった晶の繊細な心の動きがよく表現されていて、心を打った。母親視点の第二章も、親子のコミュニケーションなどについて考えさせられた。達の気持ちはいずれの章でもはっきりは書かれていないが、もどかしさを抱えた複雑な心境であることはよく伝わってきた。
家族が発達障害(?)だったり、不登校になってしまった場合の対応って、正解があるわけではなく、本当に難しいなということを感じた。
ただ、話全体としては、情報が足りていない感があり、あまりすっきりしない読後感ではあった。