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塾講師として働いている遙は、友人とのルームシェアを解消して気落ちしていた。そこに同僚で恋人の百ちゃんがやって来る。同棲を始めるふたりだが、暮らしの中で明らかになる価値観の違いを原因に、少しずつ、しかし確実にすれ違っていき…? 好きなのに分かり合えないカップルや、距離感のある父と娘、アパートの隣人同士。誰もが記憶の片隅に持つ、人と生きる日々のもどかしさや愛おしさを、優しく掬い上げた傑作短編集。
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Posted by ブクログ
日常生活の中のちょっとした出来事と考えたこと。とても好きなタイプの話。同じく好きな滝口悠生さんの小説を思い出した。どのお話もよかった。そういえば川上佐都さんて『街に躍ねる』もいい小説だった。今回で確実に名前覚えた。好きです。
子供が少ないって政府が騒いでるけど、結婚しない人も増えてるって新聞が言っている。 その背景って、こんな感じなのかな
一章目の途中で「あー、駄目かも」と思ったが、とにかく二章まで読み進めた。やめないで良かった。二章目の『毎日のグミ』も良かったが『避難訓練』がなんだか沁みた。ちょっとした比喩や丁寧な心理描写が独特で、好きだなと思った。登場人物たちの背景や関係性がだんだんわかっていく構成になっているので若干戸惑うが、最...続きを読む後しっかり回収されて爽やか。
読み始め、うまく情景が想像できずにいたが、読み進めるうちに引き込まれた。人物の関係性が後からわかるように文章が構成されているから、そこに辿り着くまで、理解するまで時間を要したところがある。 読み進めていくと、自分以外の人の行動よって、自分の心が動いている、動かされている、抗いようのない心情がよく描か...続きを読むれている。物語のあちらこちらに、自分もかつて似たような感覚を抱いた部分もあり、読むたびに思い出された。自分の過去の記憶も一緒に想起されて、読後は物語と一緒に解き放たれる感じがしてよかった。
誰かといることや一緒に暮らすことの難しさの描き方がすごくリアルで共感した。 劇的な何かが起こるような作品ではないけど 日常ってつまりこういうことの連続だよなーと実感。 誰も悪くないだけに相性って難しい
川上佐都さんの2作目の作品。 前作『街に跳ねる』も良かったので 新作を楽しみにしている作家さんのひとり。 部屋と家を舞台に描かれる連作短編集。 第1話「愛が一位」 ルームシェアを解消し恋人と同棲を始める遙の話。 恋人との生活にモヤモヤとしたものを抱えるが 彼は〈他人の言うこと・することをまず飲み込...続きを読むむ癖がついていた〉 無理をしていないかな。 そんな心配をしてしまう。 思春期の娘が元父親の家に居候する 第2話「毎日のグミ」も好き。 久しぶりに2人で過ごす時間が愛おしい。 第3話「避難訓練」 男3人のルームシェアの様子が書かれているが 第1話の遙とは違う面も見られて楽しい。 アパートの隣人同士が交換日記を始める 第4話「ピンクちゃん」 ちょっと切なくて。 隣人のおばあさんと、この先も交流は続くと信じたい。 第5話「荷ほどき」 社交的なモキチだが、他人には見せない顔がある。 〈俺らは確実に歳を重ねていた〉 モキチが友人と楽しむ花火。 そのシーンがパーッと頭の中で広がる。 確実に歳を重ねてきた私も新鮮な気持ちで楽しめる。 川上佐都さんの次回作をいまから楽しみにしている。
微かにでも人物が被る連作は好き。 難しさともどかしさとところどころの共感と。 「荷ほどき」のモキチの感覚も、なんかわかるなぁ。
最初のももちゃんが出てくる章は読みにくかった。同棲でほとんどを自分好みにすると、相手を苦しくさせてしまう。我が家はほとんど私好みなので、反省した。 ピンクちゃんの章が良かった。年齢の離れたこういう関係もいい。突然終わりとなってしまったのが寂しいが、それぞれに大きなものを残したことと思う。
「愛が一位」わかる。。。と思いながら読んだ。 他人と暮らすのって時々楽しいけどめんどくさい部分が多い。理解できないことは理解できないんだなぁ、それでも好きなら合わせるしかないんだろうな。。と色々考えた一冊でした
ゆるっとした日常の中に少し感じる違和感を、感じつつも小脇に置きながら受け流す…的な? 私は好きでした。 結局実際の生活はこんな感じで、派手に立ち回ったり、問題が解決したり、しっかりとしたハッピーエンドではないはず。 そう考えると等身大な小説。 自分と他者、やっぱり違うよねー。 ところどころ感覚合わ...続きを読むなすぎて、恐怖を感じたけど。 避難訓練が好きです。
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