菰野江名のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
おいしそうなご飯もたくさん出てきて、読んでいてお腹が空く。
途中まで話を読んで、彼らの関係性がわかった時、タイトルの「つぎはぐ、さんかく」が腑に落ちた。確かに彼らの関係性は、普通の家庭を基準に考えたら少し異なるかもしれないけれど、私にとっては、紛れもなく彼らは本物の家族だなと思った。
すごく素敵なお話だったけれど、終わり方が気になるところで終わってしまって、蒼の進路はどうなったのかな、晴太は今後どうなるのかな、ヒロはどう自分を確立していくのかな、ヒロと花井さんの関係性はどうなるのかな、△はどうなるのかなと様々な疑問が残ったまま終わってしまい、なんとなく不完全燃焼?な感じがしてしまった。読者の想像による物なのか、続編があるのか、分からないが、これからもこの家族とお店を応援したいと思った。 -
Posted by ブクログ
三人で暮らす晴太、ヒロ、蒼。蒼はまだ中学生で、晴太とヒロでちょっと食べることもできるお惣菜屋をやっている。しかし、この三人、なんだか事情がありそうで…。お惣菜として扱われる食品の丁寧な描写と、引っ込み思案と思われるヒロを軸に据えた語りで、三人の関係性や取り巻く状況がわかっていく。瀬尾まいこ、小川糸、小手鞠るいあたりをぐるぐるっと混ぜたような内容でした。これがデビュー作みたいなので、これからもっと上手くなっていく方。楽しみな作家さんです。
主人公が守りたかったものは、時がたてばそれぞれの道に分かれるものなので、固執しすぎな印象受けたけれど、まあ、それだけのこどわりがあるっていうのも伝わっているので…あーでもなんか恋愛も中途半端だったしモヤモヤするー(個人的所感)。
少し大人の事情が理解できないと面白くないと思うので、高校生以上がオススメですが、小学生に読ませても特に問題なし。 -
Posted by ブクログ
3人で肩を寄せあって生きるきょうだいの葛藤と決断を描いたヒューマンドラマ。全10話。ポプラ社小説新人賞受賞作。
◇
街かどにある小さな惣菜屋。イートインコーナーがありコーヒーも飲めるこのお店を切り盛りするのは、24 歳のヒロという女性だ。コーヒーを点てたりヒロを手伝ったりするのが兄の晴太。2人には蒼という中学3年生の弟がいる。
実は3人には血の繋がりはない。そしてヒロだけ姓が異なる。そんな3人が家族として肩を寄せ合うように暮らしている。それはまるで、別個の端切れをつぎはぎして1枚の布に仕上げたような家族だ。
3人がそうなったのには複雑な理由があるのだが、今のままの関係ではダメだということに3人とも気づいていた。
ある日、中学卒業後は専門学校に進むため家を出たいと蒼が言い出し……。
* * * * *
「家族」とはどうあるべきなのか。考えさせられる作品でした。
3人は誰もが、他の2人を必要としています。それは間違いありません。
だから互いに思いやり合いながらひとつ屋根の下で暮らしているのです。その気持ちは美しい。けれど……。
親とのつながりが希薄なほど自分の立ち位置が覚束ないのでしょうか。
家族というものに対し、最も希求し、細心の注意を払ってでも保とうとしているのが親の顔を知らずに大人になった、最年長の晴太だったのが印象的です。
母親に捨てられたヒロも、3人で作る家族の形態が崩れることに、神経質なほどの恐れを感じています。
大切な家族だからこそ相手のことをきちんと理解したいと思って行動に出たのが、親の顔をよく知っている末っ子の蒼だったということが、説得力がありよかったと思います。
蒼に触発され、ヒロが、そして晴太が行動を起こし、心の内を吐露する。このクライマックスも感動的でした。
心に空虚を抱えたままでは自分というものが確立できません。
自分を確立できずして本当に家族を信じ思いやれるようにはならないのだなということが伝わってくる作品でした。 -
Posted by ブクログ
表紙からグルメ的な物語、ふんわりしたものを想像していたが家族もの。
血縁のない兄妹が惣菜屋さんで奮闘するのだが、やはり儲けは薄い。支援がなければやはり若過ぎるし無理だよなあ、てのが第一印象。
見守りたい気持ちが湧いてくる。
それぞれの親子関係は複雑。蒼のオヤジは紳士的だけど不気味。人間味が薄い。
ヒロの母親は愛情があるけど何か適当というか何か過去を誤魔化そうとしてる。
それでもハッキリ言い切ったヒロには拍手。よく言った。
なんだかんだでいい感じの三兄妹、依存は感じられたけど成長していく姿は良い。
ヒロの花井さんに対する感情は何だったのかな?父性?