菰野江名のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初めての作家さんです。
淡々と進んでいく日常の中で
大きなお屋敷に住む二人の女性
桐子さんと百合子さん姉妹の一生のお話です。
二人は
3歳と1歳で戦争孤児になり、
親戚や知り合いの方々の家を転々としながら、いつか二人の家を持とう。それを目標に頑張って日々を生きていました。
その夢を叶える背景には
二人それぞれの人生模様もいろいろあり、いろいろな葛藤がありながらもお互いを思いやり、貫いていく信念があり、
それぞれの形を作っていく。
なんだか、人物像も周りの景色も素敵なお屋敷の様子も、
ドラマや映画のワンシーンを見ているかのような、そんな気持ちに何度もなりながら読んでいました。
私は、戦争は知 -
Posted by ブクログ
幼い頃戦争で両親を失い、親戚の間を転々とした姉妹がいつか一緒に住むことを夢見た終の棲家。
姉は教師となり、妹は世話になった親戚の精神薄弱な息子の妻となり20年間を別々に過ごす。
長女であることを強いられた姉は、妹との約束を果たすべくひたすら働きひたすら蓄財に励む。
一方の妹は障害を抱える夫との生活に小さな幸せを見出す。
妹の夫が死に、還暦を過ぎて姉が建てた夢の一軒家に同居する二人。
全く別の人生を送ってきた二人にとって同居が本当に幸せなのか、との問いは切実だった。
同居した20年間に、姉を頼ってくる人々に妹は姉の教師としての人生を想い、姉を支え日々の家事をこなす妹に姉は主婦としての妹の人生 -
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Posted by ブクログ
戦後間もなくからのふたりの姉妹の物語。
大きなお屋敷に住む高齢のふたりの姉妹を市役所の職員の青年が挨拶に訪れたところから物語が始まる。
この姉妹はどうやら二人きりだとはわかるが、なぜそうなったのか、彼女達の人生に何があったのか、登場人物の過去に坂戻って明らかにされていく。
何とも遣り切れない事実が見えてくる。
特に妹百合子の人生は、どう言っていいのかわからない。でも本人は結果として幸せな人生だったと悟る。
そして姉の桐子の人生も壮絶だ。何か楽しいことはあってのだろうか、と心配になってくる。いつも背筋を伸ばして、誰からも後ろ指を差されないように必死で生きてきたように見える。
この姉妹の行き着く先 -
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Posted by ブクログ
おいしそうなご飯もたくさん出てきて、読んでいてお腹が空く。
途中まで話を読んで、彼らの関係性がわかった時、タイトルの「つぎはぐ、さんかく」が腑に落ちた。確かに彼らの関係性は、普通の家庭を基準に考えたら少し異なるかもしれないけれど、私にとっては、紛れもなく彼らは本物の家族だなと思った。
すごく素敵なお話だったけれど、終わり方が気になるところで終わってしまって、蒼の進路はどうなったのかな、晴太は今後どうなるのかな、ヒロはどう自分を確立していくのかな、ヒロと花井さんの関係性はどうなるのかな、△はどうなるのかなと様々な疑問が残ったまま終わってしまい、なんとなく不完全燃焼?な感じがしてしまった。読者の想 -
Posted by ブクログ
ちょっとわかったような、わからないような不思議な読後感。血縁の家族に恵まれなかった3人が強い絆で結ばれ、自分とは何か、家族とは何か、人生とは何かを、もがきながら探し続けているのかなと感じた。なにせ、中学生と二十代半ばの男女三人。直接的な血のつながりはないけれど、兄弟として身を寄せ合って生きてきた。三人の結びつきが強いがゆえに、その平穏な日常がいつ崩れ去ってしまうのかという怯え、緊張感が常に感じられる。家族って、毎日の生活を同じ空間ですごし、同じものを食べ、同じ部屋で眠り、思い出を積み重ねて出来上がってくるものだと思う。家族の愛情、思いやり、感情のぶつかり、いいことも悪いことも積み重ねて作り上げ
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Posted by ブクログ
3人で肩を寄せあって生きるきょうだいの葛藤と決断を描いたヒューマンドラマ。全10話。ポプラ社小説新人賞受賞作。
◇
街かどにある小さな惣菜屋。イートインコーナーがありコーヒーも飲めるこのお店を切り盛りするのは、24 歳のヒロという女性だ。コーヒーを点てたりヒロを手伝ったりするのが兄の晴太。2人には蒼という中学3年生の弟がいる。
実は3人には血の繋がりはない。そしてヒロだけ姓が異なる。そんな3人が家族として肩を寄せ合うように暮らしている。それはまるで、別個の端切れをつぎはぎして1枚の布に仕上げたような家族だ。
3人がそうなったのには複雑な理由があるのだが、今のままの