菰野江名のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
御殿のような大きな家の庭に立つ二人の女性が、暖かな春の陽射しの中、満開の桜を見上げている。
これは一瞬で目を奪われた表紙に描かれているイラスト。
二人の女性は香坂桐子と百合子、高齢の姉妹だ。
姉の桐子は元教師らしく厳しさがあり、妹の百合子は柔和でお茶目な雰囲気がある。
この見た目も性格も違う姉妹は、いったいどんな人生を歩んできたのだろう。
二〇二四年の初夏、二人の姉妹がこの御殿で同時に亡くなる場面から物語は始まり、時を遡って姉妹の過去が描かれていく。
戦後という時代背景もあり、辛く厳しい人生ではあるけれど、幸せになることを夢見て…
同じ夢を見ていた桐子と百合子はそれぞれの人生を歩 -
Posted by ブクログ
全然存じ上げなかった作家さんでしたが、可愛い表紙に惹かれて♡
地域福祉課に赴任してきた青年の青葉が この人には会っておくといいと紹介されたのは豪邸に住む、老齢の桐子と百合子姉妹だった。
来た事なんかないはずなのに なんとなくこの豪邸に懐かしさを覚える青葉。
そんな出会いの後すぐ、桐子と百合子が2人揃って同じ日に亡くなっているのが見つかった。
え?ミステリー?と思ったけど、そうではなかった。
戦争孤児であった2人の人生を20年毎に 遡って紐解いていく物語。
夢を追いかけて飛び出し、人の幸せのお手伝いばかりして生きてきた姉、決められた道でささやかな幸せを見つけ生きてきた妹。
淡々と穏やかに -
Posted by ブクログ
戦争孤児で親戚中を転々とし、ひっそりと力を合わせてきた姉妹。
世話をしてもらった家の障がいのある次男との結婚を促される姉、だがその代わりに妹が結婚することに
姉は身代わりになった妹とその不幸から逃れる為に教師として自立しお金を貯めて理想の家を建てる事を目標とする。
可哀想に思っていた妹は実は夫との生活の中で幸せも見出せるようになると、理想の家の為に走り続ける姉と歪みが…
不遇な子供時代を取り戻す事が目的だった理想の家、と姉妹、その姉妹を取り巻く人々。
それぞれにみんなが幸せになる事を目指し、思いを寄せて、妹の百合子の作るいなり寿司も良い味が出ていると感じた。
姉の桐子、妹の百合子、タイプは違う -
Posted by ブクログ
2024年、豪邸に住む老姉妹。2人の死から物語は始まる。そこから20年、更に20年、又20年、と時代は遡り、姉妹の歴史が明かされる。幼い頃の数年の記憶や経験はその後の人生にかなりの影響を与えるんだなぁと、自分自身を振り返っても共感するところが多かった。けど、例え苦しい時代を共に過ごした姉妹であっても、人生はそれぞれ。環境や生き方が異なってしまえば、価値観も変化してくる。それでも姉妹それぞれがお互いを大切に思いながら、自分自身の幸せを模索していく。姉妹がお互いを思う気持ち、姉妹だからこそ言えない言葉、気持ち。姉という責任、妹という役割。あぁ、もどかしい。
ご縁のあった親子が絡んで、とても興味深く -
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新宿で泊まりで子供達を預かるつづきの保育園。
主人公の保育士は昼間に別の保育園で働いていたが、夜うまく眠れなくなり退職し、つづきの保育園に転職する。
夜間働く保護者達の事情はそれぞれに違うが、変わった人たちではなく、普通に現代社会にいる人達。
保育士の立場から子供のことを考えると親に要求したいことが出てくる。しかし、園は親の気持ちに静かに寄り添っている。
保育だけでなく、支援をする上での、限界や正論と支えたい気持ち、その両者で揺れ動く支援者が抱える葛藤が上手く描かれていた。
でてくる登場人物がみなチャーミングで、圧倒的な現実、子育てをする大変さを風穴を開けてくれる。読めて良かった。
私も -
Posted by ブクログ
新宿の24時間営業の認可保育園『つづきの保育園』に勤め始めた文乃の視点から描き出される人間模様の物語。
わたし自身、子供を24時間ではないが保育園に預けて働いた経験がある。「保育園」は親が働いている間、子供を世話してもらえる、『子供のための』施設だと思っていた。
が、それは偏った見方だった。利用していた側なのに。
つづきの保育園の園長は言う。「別に子育てしている人みんながみんな、子ども第一の生活をしているわけじゃないと思うよ」「子どもファーストって押し付けられがちだけれど、全然そんな必要ないんだよ。そもそも保育園は、子どもを育てるための場所じゃなくて、大人が働くために利用するところなんだから -
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信頼する司書さんのおすすめ作品でもあり、ブク友さん達の評価も高かったので読んでみました。
舞台は、認可保育園でありながら夜間保育を行う、東京で数少ない24時間体制の保育園『つづきの保育園』。
物語は保育士、文乃の視点で描かれていきます。
文乃は20代後半、未婚で子なしの女性。
複雑な事情を抱えてる文乃は、昼夜逆転した生活を送ることで体調が安定するので夜間勤務のある保育園で働くことに。
こちらの園に預ける親の職業は、飲食業界、医療関係者、夜の仕事、シングル、深夜手当で生計を立てる外国人など…さまざまな事情から夜に働かなければならない親たちです。
れんげ組 クマラ・アヌシュリー
さざ -
Posted by ブクログ
現役保育士であり、絶賛母業真っ只中の私からみても、割とよくリアルに沿った内容で、好感がもてた。
フィクションであるが故に、いたずらにモンスターペアレンツや、保育士の仕事の大変さを過剰にしがちな物語が多いが、必要以上に煽りたてる文章ではないのも心地よかった。
相反するのはおかしいんだけど、
母親目線と、保育士目線が違うのは事実。
保育士は勉強や経験を積んだプロの目で、長い時間子どもを見ているからこそ、ちょっとした変化でも、最近様子がおかしいな、あぁメンタル面の限界が近づいてるな、てわかる。
もちろんフォローするんだけど、私たちがカバーできるのは保育時間だけであって、母や父の愛情を一番に望ん -
Posted by ブクログ
深夜のコンビニ勤務の外国人、医療従事者、水商売のシングルマザーなど、さまざまな事情から夜に働かなければならない親たちのために子どもを預かる「夜間保育」を行っている保育園を舞台にした小説。
自分も幼い2児の父親であり、上の子を保育園に預けているので、自分の育児経験にも照らしながら、いろんな親子の形があるなと思い、面白く読み進めた。「ままならない子どもへの苛立ちと愛が錯綜し、混乱する」など、そうだよなと肯く描写が少なくなかった。また、基本的に登場人物に悪人はおらず、親子、保育士それぞれの思いに温かな気持ちになった。
そして、お仕事小説として、保育士の日々の仕事を垣間見ることができたとともに、毎日 -
Posted by ブクログ
夜に眠れなくなってしまい、休職していた
保育士の文乃。昼夜逆転した生活リズムで
あれば眠れるようになり、東京新宿区にある
24時間お預り可能の認可保育園「つづきの
保育園」で働くことになる。
この作品を読んで初めて知ることが多く、
「夜間保育園」のことを、全く分かって
いなかったことに気付かされた。
繁華街などのキッズルームやベビーホテルや
託児所。料金も高く、決して子どもたちに
とって、環境がいいとはいえない場所であっても、その場所を利用する人たちがいる。
" ただ毎日働かなきゃ食べることもできないから
とにかく子どもをどこかに預けなきゃいけない。
一度キッズルームやベビーホ