菰野江名のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
二十年ずつ遡っていく構成が少しずつ二人の人生を紐解いていく感じで良かった。
百合子さんの作ったいなり寿司すごく美味しそうだったから食べてみたいなぁ。
二人の人生六十年分書かれてるから最初の方に出てきた千絵の暴力クソ野郎に腹の底からムカムカしていた気持ちが遠い過去のように思える。
ところで後半にもちらっと千絵っていう進路に悩む女生徒出てくるけど同一人物なんだろうか?
確定要素ない気がして分からないけど。
最後まで読んだあとにもう一度始めの章読みたくなるけどこういう時に読みに戻らない性格なんだよな私。
曖昧なまま記憶の中でだけ答え合わせしたい。
桐子も百合子もお互いのことや取り巻く周囲のこと -
Posted by ブクログ
ネタバレある洋館に住む2人の老姉妹と、ある親子の話。
20年毎の過去の話が別の視点から描かれていく。
途中、母親の千恵さんが進路で悩んでいた時に背中を押してくれたのが当時教師だった桐子さんだったり、実は繋がっていたことが分かるシーンが出てきたり、読んでいて楽しかった。
好きでもない、意思疎通が難しいと思われた人と結婚して、望んでいた子供が産めない人生でも、穏やかで幸せな生活だった百合子さんが印象的。
親戚の家を転々としたり肩身の狭い生活や、漸くのんびり暮らせると思ったら、妹が望まない結婚をさせられてしまうなんてことがあったら、二人で夢見た「自分たちの家」に執着してしまう気持ちも分からなくもない。 -
Posted by ブクログ
血の繋がりが無くても家族に成れるってこと?
ヒロ、晴太、蒼の3人は全く血の繋がりはないが、3人が肩寄せあって家族を作り上げ暮らしている。
それぞれが三角形の頂点、一人でも欠けたら三角形が成り立たない、3人が3人とも他の2人を求めて、三角形が壊れないように生きている。
底に流れているテーマは理解できそうな気がするが、ヒロの設定にどうも違和感があってスッキリ読み進めなかった。
ハワイが必要だったのだろう、でも晴太との出会いからして唐突。
優子さんの存在もあまりにもいい人すぎる。
何か隠された関係があるのかと思ってしまった。
一番できた人は蒼の父親だったりして。
お金で解決しようとしてはいるが、ちょ -
Posted by ブクログ
ネタバレ兄の晴太と「△」(さんかく)という小さな飲食店を営むヒロ。晴太とヒロと弟の蒼の3人で暮らしている。晴太の淹れるコーヒーとヒロの作る惣菜に固定客も付き、なんとか店も軌道に乗った。ある日、中学3年生の蒼が家を出て専門学校に進学すると言い出して…。
晴太と蒼と3人で暮らす生活が崩れることを恐れるヒロ。外に出て世界を広げるべきだと考える蒼。見守る晴太。家族に捨てられて家族になった3人。一緒に居続けるにはどうしたらいいのか。悩む様子が難しい。ドラマのようだ。
回想されるヒロの学生時代は楽しいものではなかったようだった。吃音などで喋ることが難しかったのかなと思っていたが、読み進めて納得。晴太と蒼もだが、ヒ -
Posted by ブクログ
出だしはほのぼのした仲良し家族ものかな、と思ったら、そうではなかった。厳しい出生、生い立ちを超えて、大人になりかけてる三兄弟。寄り添うという以上に、いわば依存しすぎでもある現状からの脱皮、自立というようなものがテーマだと思う。事情はだんだん明らかにされる。読み進めてすぐに、主人公ヒロのグジグジした感じに、正直、イライラした。ハワイで生まれたという言葉の壁もあり、内向するのは仕方ないのはわかってきた。何かと力になってくれる優子さんの存在が、物語の後半になるに従って、大きくなる。血のつながりはなくても、家族と呼べて、支え合って日々を重ねていけるという確かな愛の物語だ。