菰野江名のレビュー一覧
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《保育・教育の場は、親子を生かす場所》
SNSで見掛けて気になっていた作品。
舞台は夜間保育園。日々懸命に生きる親子と、見守り寄り添う保育士たちの物語。
夜間保育園とは保護者が仕事などで夜に子どもをみられないとき、夕方〜夜間に代わりに保育を行う施設のこと。
実際に都内に一箇所だけあるみたいですね。
様々な事情からまだまだ働くことが現実的ではない日々を送っている私ですが、そんな私が読んでも胸にグッときた。
本作では保育士の文乃先生が子どもだけでなく、保護者に寄り添う姿がとても印象的だったし、保育士も保護者も完璧な人間として描かれていないところが好感を持てた。
保護者で一番印象的だった -
Posted by ブクログ
昼夜逆転体質が原因で勤務していた保育園を辞職、その後24時間認可保育園で働き始めた保育士文乃。文乃は積極的に深夜勤務に取り組む。ほしの子は深夜保育対象の子どもたちのことだ。夜泣きが止まない子、父親と母親の育児への捉え方が噛み合っていないままの親子、お迎えに来なかった母親、そして文乃自身の父に対する思い、見守り続けてくれた杏子さんとの関係。
子ども自身より、親の子供への関わり、もしくは親と社会との関わりが描かれる。子どもファーストではなく大人ファーストで良い。保育園は大人が働くために利用するところ。つづきの保育園の園長のスタンスがこの物語のベースにある。
当事者でなければ日常的に触れることはまず -
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Posted by ブクログ
豪邸に住む、高齢な姉妹。何不自由ない暮らしをその齢まで続けてきたのかと思いきや。。
姉妹の一生を20年ごとに振り返っています。千絵の章では、姉妹の強さや優しさがよく伝わってきて、なぜここまで皆に慕われているのかが垣間見えます。
その強さや優しさがどんな風に形成されてきたかが、読み進めるにつれわかってきます。恵まれた環境とは言えない中で必死にもがき、どうにか自分なりの信念や幸せを見いだしていく。
姉妹に課された究極の選択には絶句しました。昔だったら、けっこうあり得る話だったんだろうと納得できるくらいなのが、リアルで残酷でした。私だったらどうしたのだろうと考えました。どうにか姉妹に押し付けて -
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2024年をスタートに、その後20年ずつ3回遡りながら進められる二人の姉妹の物語です。最初に結果が有って、その原因が少しづつ明らかになって行くミステリー的手法。「まだ若い作家さんがこのようなテクニックに頼るのは如何なものか」と思いながら読み進めて居ました。その位、序盤はあまり見るべきところが無い。
ところが終盤、姉妹の心理的葛藤が描かれ始めたところから、グッと締まってきます。自分の為に妹を犠牲にした姉と、意外にもその生活に安逸を見出した妹、という表層から一歩踏み込めば、"妹の為"という隠れ蓑の下で結局は自分の希望を追い求めた姉。そしてさらにその裏には・・・・そんな葛藤が見事 -
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戦争孤児の姉妹の物語。
厳格な姉と素直な妹。時代が違えば屈託のない人生が送れたであろう二人。でも、苦労の多い人生が幸せではなかった、とは言い難く。厳しい生活ゆえに得られた幸せというものが丁寧に描かれており、じわじわと胸に迫ってくる。現代でもDVに苦しむ女性を描き、時代が変わっても女性を取り巻く困難に目を向けている。しかし、作中の人物に語らせているように、フェミニスト的な視点ではなく、不当な扱いを受けている人がいることが許せない。という根源的な感情から物語が出発している。そして最後にはかっこいい生き様だった、と二人の生き方を肯定しており、読後感もよい。
時間の切り取りも上手く、読み応えのある作品 -
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Posted by ブクログ
初めての作家さんです。
淡々と進んでいく日常の中で
大きなお屋敷に住む二人の女性
桐子さんと百合子さん姉妹の一生のお話です。
二人は
3歳と1歳で戦争孤児になり、
親戚や知り合いの方々の家を転々としながら、いつか二人の家を持とう。それを目標に頑張って日々を生きていました。
その夢を叶える背景には
二人それぞれの人生模様もいろいろあり、いろいろな葛藤がありながらもお互いを思いやり、貫いていく信念があり、
それぞれの形を作っていく。
なんだか、人物像も周りの景色も素敵なお屋敷の様子も、
ドラマや映画のワンシーンを見ているかのような、そんな気持ちに何度もなりながら読んでいました。
私は、戦争は知 -
Posted by ブクログ
幼い頃戦争で両親を失い、親戚の間を転々とした姉妹がいつか一緒に住むことを夢見た終の棲家。
姉は教師となり、妹は世話になった親戚の精神薄弱な息子の妻となり20年間を別々に過ごす。
長女であることを強いられた姉は、妹との約束を果たすべくひたすら働きひたすら蓄財に励む。
一方の妹は障害を抱える夫との生活に小さな幸せを見出す。
妹の夫が死に、還暦を過ぎて姉が建てた夢の一軒家に同居する二人。
全く別の人生を送ってきた二人にとって同居が本当に幸せなのか、との問いは切実だった。
同居した20年間に、姉を頼ってくる人々に妹は姉の教師としての人生を想い、姉を支え日々の家事をこなす妹に姉は主婦としての妹の人生 -