柴田昌治のレビュー一覧
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○”発散の議論”はさまざまな刺激をもたらす。そしてその刺激が関心を呼び起こし、アンテナを醸成する。(129p)
○このようにして惰性で回っている仕事の仕方を変えていくためには、業務の日常の中に「考える余裕」をつくり、常に物事の意味や目的、価値を考え抜いて核心に迫ろうとする思考の姿勢にリセットする必要がある。(162p)
○今は「何のために」ということが真に問われる時代になり、「何の用に立つのか」を考えることができる企業文化が生きる時代になっている。(202p)
★普通は自発的にオフサイトミーティングをやろうなどと思わない。そう思う人間が出てきた時点で企業風土改革は半ば成功している。 -
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1990年代に行われたいすづの企業改革について、その中心人物であるコンサルタントといすづ社員が当時を振り返ったドキュメンタリー。
トップダウンの「やらされる改革」ではなく、社員個々人が自分事と考えて「自発的に進める改革」について綴られた一冊。
21世紀に入った現在でも職場風土の改革は、企業にとって重要な問題であり、一朝一夕に進まない問題。いかにして、個々の自発性を引き出すかについて、とても参考になった。
まずは、事実と自分に誠実に向き合うこと。職場の信頼関係を醸成して、本音で物事が言い合える環境を整えること。
実感していることだが、人間はつくづく感情的な生き物だと感じる。
それぞれの -
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久々のビジネス書。
軍隊式の〜上司の命令は絶対〜なんてのは、商品を作りさえすれば売れた、高度成長期のような、正確に作業してさえいれば良い時代にのみ通用するマネジメント方法である。
今の難しい時代では、どこに問題があるのかを現場から発信させないと、問題点に気づき続けられない。
ただ、現場からの発信は(仕事の領域が狭いのだから当然)断片的になってしまう。それをうまく集めて全体を最適にするのが上司の仕事。
また、改革を進めるなら自らの意識改革も率先して行い、改革の方針はブレることなくコミットメントする事が大切である。
何かこの本読んでスッキリした。
そして、沢山やんないといけない事があるなぁと痛 -
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柴田昌治さんの本は、「なぜ会社は変われないのか」に始まり、多数読ませていただきました。当時、組織における様々な問題は、個々人の能力アップによって解決できるものだと思っていた自分にとって、人間同士の関係性、組織風土にフォーカスした作品に、衝撃を受けた記憶があります。それだけインパクトがありました。
一方、金井教授は、キャリア論・組織論を中心に、こちらも多数の本を読みました。
このお二人による作品読まないわけにはいきません。
この著書は「なぜ会社は変われないのか」で語られているストーリーを、実際のモデルとなった人物の証言を交え、実態に迫るという、興味深いものでした。現実は、以前の著書で書かれ -
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長年、組織の風土改革に携わってきた著者が、現在の会社文化・働き方・組織風土に対し、問題点を挙げ、解決策を提案する一冊。
現在の日本経済の低迷の原因を日本人特有の勤勉さにあるとし、その思考の変革を求めています。これまで組織風土の問題点を指摘していた著者らしく、これまでの著書などで述べてきた内容を踏まえていますので、過去の著書を何冊も読んできた身としては懐かしさと、組織の問題の根深さを感じます。
著者はこの中で、軸思考というものを提案していますが、具体的に行うには難しく、個人の能力だけで解決できるものでもないため、長期的・組織的な視野で臨む必要があります。
▼日本経済の高度成長を支えてきた、日本 -
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著者の書籍は何冊か拝読させて頂いていますが、本書は著者が持つ組織改革のアプローチを適用させる対象となる硬直した組織のその構造的な原因についての考察を丁寧に行なっています。
正解とされることをやり続ける姿勢としての勤勉さが、
目的を考えず上司の指示に従ってやってしまうという思考停止の根底にあるという意味での勤勉さの問題点の指摘がまずあります。
このあたりは抽象的で馴染みのない概念もありますが、テニスにおいてフォームから入る日本と、客観的な意見とデータを提供する欧米の違いの例えがとても分かりやすかったです。
枠にはまった思考が悪いわけではなく、意味や目的、価値を考え抜く姿勢(著者が定義する軸 -
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アメリカでは、アップルやグーグルのようにイノベーションを生み出す企業が、日本ではあまり誕生しておらず、シャープのように一時は液晶で大成功を納めた企業も韓国、中国企業の後塵を配し、今や台湾企業の傘下である。また、日本企業のなによりの強みであった「信頼」というブランドも揺らいでおり、三菱自動車や東芝のように深刻なコンプライアンス問題が続発している。
その背景には、日本企業において、出来る人とみなされるのは、実は仕事を「さばくのがうまい人」だからである。そうした人たちが陥りがちなワナがある。
大量の仕事に忙殺されて、それを「どうやるか」だけを考えるようになっている。その弊害は、考える力が衰退する -
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アメリカでは、アップルやグーグルのようにイノベーションを生み出す企業が、日本ではあまり誕生しておらず、シャープのように一時は液晶で大成功を納めた企業も今では韓国、中国企業の後塵を配し、今や台湾企業の傘下である。また、日本企業のなによりの強みであった「信頼」というブランドも揺らいでおり、三菱自動車や東芝のように深刻なコンプライアンス問題が続発している。
その背景には、日本企業において、出来る人とみなされるのは、実は仕事を「さばくのがうまい人」だからである。そうした人たちが陥りがちなワナがある。
大量の仕事に忙殺されて、それを「どうやるか」だけを考えるようになっている。その弊害は、考える力が衰