柴田昌治のレビュー一覧
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■思考停止の儀式を育んできた日本の公教育。
日本の過去の公教育の中心は知識の教育だと言われてきた。既にある情報(知識)が答えとして用意されているのが日本の公教育だった。
言われたことをきちんとこなし、効率よく答えを導く、複雑なオペレーションでもスムーズにやり遂げる能力を養うことを可能にする「閉じる場」が経済界からの当面の要請にも適していた。
この「閉じる場」の教育は、知識を教えるのが教育という歴史由来の伝統ともマッチしていることもあって何の違和感もなく日本の社会に溶け込んでいった。
以前から指示待ち人間の多さを嘆く声がよく聞こえていたが、そもそも日本の教育はきちんと指示をこなせるような -
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ネタバレ【本書第1章より抜粋】
・毎日遅くまで残業し、大量の仕事をこなしている
・上司が期待する通りの結果を導き出そうとする
・目の前の仕事で、人よりも高い実績を上げている
・決断が速く、自分が決めた方向へと部下をぐいぐい引っ張っていける
・会社から与えられた自部門の数値目標だけは達成しようという姿勢を示す
・不具合やさまざまな問題が起こっても、とりあえず事を丸く収める調整能力がある
皆さんの会社でも、こうした人物が「できる人」と目されていませんか。
しかし実は、こうした表向きの「できる人」、昭和の時代に優秀な社員と言われてきたタイプの社員こそが今、
会社をジワジワと滅ぼしているのだと言ったら、皆 -
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若手風土改革PJの参考になればと思って読んでみた。
いすゞの経営再建をかけた風土改革の取り組みに携わった当事者の話を中心に構成。風土改革の考え方、実際に行なったことが詳しく記載されており、2・6・2の法則、オフサイトミーティング、100人委員会など役に立つ内容が多々あった。
最も目から鱗だったのは、風土改革が人材育成の一面を備えているという点。
社内の中でトップである経営者に指示をする人はいない。だから経営者は自分で考えて動いて決めていく。
それと同じで、指示待ちではなく、当事者意識を持つことは経営感覚を磨くことで、問題解決能力を磨くこと。
このことが一番の盲点で驚きだった。
会社に限らず -
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ネタバレセオリーではなく、いすゞの実例を元にした会社の変革について、当事者が振り返ると言う形でまとめられていて、とてもわかり易かった。
何がうまく行ったのかだけでなく、何が失敗だったのかという実例を知ることができたのは、とても参考になった。
「やらせる改革」では会社は変わらないということは皆わかっていながらも、何かやらせなければ変わらないのではという焦りから起こすアクションが、変革を妨げているかもしれないと感じた。
また、TQCがうまくいく企業とうまくいかない企業についても触れられている部分、同じく推進者という立場にいる自分には非常に身につまされた。
以下気になった点抜粋
P27・彼は、日本の組織を -
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2冊続けて柴田昌治の本を読む。
「柴田昌治の変革する哲学」と、この「考え抜く社員を増やせ!」。コンサルタント会社の社長、なのだろうと思うけれども、日経新聞社からこの2冊の本以外にも数冊の本を出していて、そのどれもが興味深い。
目先の仕事を「さばく」ことに専念するのではなく、仕事について「考え抜く」ことも大事、ということなのだけれども、そう言われてドキっとするサラリーマンは多いと思う。
最近のサラリーマンは忙しい。
メールが多い日には100通くらいは来るし、やらなければいけな実務も多かったりする。そういうことを「さばいて」いると、1日なんて、あっという間に過ぎてしまう。
それはそれでやらなけれ -
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柴田先生の本は何冊か読んだが裏切らない。というか、本当にタメになる。
読み出しは少し違うかな?と思いつつも、結びでは資本主義の中での幸せとのあり方までにも総論としてつなげていく雄大なスケール感を出してくれた。
ゴシックで事例を紹介し、明朝体で著者の意見を出す。
読みやすかった。
共感フレーズ
『今という時代は、問題解決を可能にする組織と、まだまだ解決不可能な組織が混在している状態です。しかし、徐々にではありますが、問題解決を可能にする組織が力を増しています。この流れを加速させることが人々を幸せにする道であることを、私は確信しているのです。P197』 -
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変革、やり方を変える 言うは易し、行うは難し。
しかも口では言うものの(頭では必要性は理解しているものの)、自分のポジションや安住思考で行動に移せない。そんな組織は多いのではないか。
本書では変革を進める上での必要条件として「役員層の内発動機を高めること」があげられている。
またリーダーシップでなくサポーターシップが必要とのことで、ただひっぱつだけでなく自分も一緒に考えて、部下の行動を承認するプロセスも必要とのこと。
おそらく多くの組織、会社で変革は必要なもののなかなかスムーズに実行できず、あきらめムード閉塞感が漂っているかと思う。まずは変化こそが唯一の成長としっかり認識してトップが強 -
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昔であれば、忠実に仕事をこなせる社員がいれば、
会社はそれなりに成果を出せていました。
しかし今は、そもそも何のために何をやっていくべきかを
「社員レベルで考える」ことができないと、
なかなか成果を出せません。
本日ご紹介する本は、
「社員の考える力」の重要性を紹介した1冊。
ポイントは
「考え抜く」
命じられたから、それをどうやるかを考えるのは普通の働き方。
与えられた仕事をさばくことばかり続けていると、考える力は弱くなります。
どうやるかではなく、そもそもと意味、目的、価値を
深く問い直す力が、今の時代、より重要です。
「アンテナ」
考える意欲があると自 -
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ネタバレNHKという組織自体は風土・体質的には大きな問題を抱えた組織ではある。しかし制作担当者の中には優れた作品をつくる努力をしている人が間違いなくいる。
「脳卒中」のお年寄りの生命力を最大限に引き出すと、なんと80%以上の人が歩いて退院できるようになる。
患者さんに「退院したらこういう生活をしたい」という具体的なイメージを持ってもらうのが出発点。花づくりが好きな人には、「花壇の世話をもう一度してみたい」といった身近でリアルな目標を持ってもらう。そのイメージを膨らませていくために、小さな花壇を病院の廊下の窓際につくったりもする。歩く技術を教えてくれる理学療法士の存在など条件がそろうと、リハビリ室で一