小西マサテルのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレまた前作を読んでからしばらく経過しているのもあり、キャラクターについてはざっくりとしか覚えていなかったが、今作はそれでも話についていけるレベルだった。
展開や真相はちょっと無理やり感も否めないが、今作も色んな名作ミステリーがたくさんあげられていて楽しい。ドラマ化したら良さそうな画が撮れそうだな〜と思う場面がちらほらあって、少し期待したい。
帯に、「認知症探偵」シリーズと書いてあって、そんなシリーズ名がついていたとは!
間違ってはいないのだが、ネーミングセンスに笑ってしまった。
第一章
「江戸川乱歩傑作選」新潮社文庫、
ジョン・ディクスン・カー「魔の森の家」、
A・A・ミルン「赤い舘の秘密」 -
Posted by ブクログ
「名探偵のままでいて」
かつて小学校の校長先生として愛されていた老人は、幻視と老衰に苦しみながら、最愛の孫娘との暮らしを楽しんでいた。そこに訪れる奇妙な偶然の数々。岩田と四季、そして我妻を引き連れて、今日も紫煙の中に解決の光を灯す。
「楓。煙草を一本くれないか。」
感想です。
本当にシリーズ完結なのでしょうか。
たしかに、もう無理しないで欲しいです(^_^;)
今作も連作短編集の構成でしたが、ミステリマニアは興奮するような小ネタが多く、著者の小西マサテルさんのミステリ大好きな想いが伝わってきます♪
シリーズ完結だとしても、楓と四季、岩田、我妻に美咲の今後をスピンオフで読みたくなります -
Posted by ブクログ
タイトルからなんだか最後まで読むのが
嫌だなぁ~なんて思いながら内容も展開も
面白くサクサク読んでしまった。
冒頭や幕間の「診療記録」は何だろうと
思っていたら終盤にがっつり伏線回収、
トリックも犯人の正体なんかも驚きで
面白かったです。まさか犯人があの人なんて
気づくまでだいぶかかってしまった
ミステリにつきものの「偶然」、確かに
それがないと話にもならないけどそれが
行き過ぎると「ミステリ=さすがに偶然に
頼りすぎなんじゃないか説」は凄く有力な
説に感じてしまいますね。まぁミステリって
それを含めてミステリなんですもんね。
3作としてとても面白かったし、この完結編で
ラストの1行、いい -
Posted by ブクログ
『名探偵・・』シリーズ三作目にして完結編。
“レビー小体型認知症”(DLB)を患う祖父が、孫娘・楓の持ち込む不可解な謎を解き明かしていく安楽椅子探偵譚、連作四章&終章に加え、今回は不穏な「診療記録」パートを挟んだ構成となっております。
ひょんなことから知り合った〝小林少年〟が語る炎の中で消えた祖母の謎、古アパートでの密室殺人、豪華客船内で起きた殺人・・といった不可解な事件を、謎解きの時だけ覚醒する“碑文谷さん”ことお祖父ちゃんがキレキレの推理で解き明かしていくパターンでございます。
真相解明前に放つ
「楓、煙草を一本くれないか」
・・との決め台詞もお約束。
全体的に語り口が鼻につくのと(あ -
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ネタバレ小学校教師の楓は定期的に、元校長の祖父の元へ通う。話術巧みで頭の切れる祖父だったが、レビー小体型認知症を患い、幻視があらわれるように。
そんな祖父に身の回りで起きた「謎」を話すと、祖父は生き生きと語りだす。
購入した古本に挟まれた訃報記事の謎、緋色の脳細胞
行きつけの居酒屋のトイレに現れた刺殺死体、居酒屋の密室
学校のプールから消えたマドンナ先生、プールの人間消失
楓のクラスで起きた不思議な出来事、33人いる!
同僚の岩田が巻き込まれた殺人事件、まぼろしの女
彼女の周りに現れる不審な影の正体は?ストーカーの謎
話題の本だったけど、どうも表紙を見て手に取るのを躊躇っていた。いえやって感じて読 -
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きちんと時間が流れていくシリーズ。
祖父の体の方の衰えが進んだため
碑文谷の家を楓と岩田先生、四季君で
少し断捨離することに。
そこに顔を出した青年は
子供の頃の不思議な体験の謎を語り…。
今回も5つの短編が実はつながる構成。
毎回よく考えつくなぁ。
前出の話が1話目。
2話目は、岩田先生のアパートで密室殺人。
あやうく彼が容疑者になるところ。
3話目は、豪華客船で旅行中に起きる殺人。
トリッキーな話でした。
4話目は、3編の中で暗躍していた相手が
ついに本性を表して直接襲ってくる。
このタイトルにこの表紙絵。
本当にハラハラしたものの
5話目、大団円が用意されてました。
古いミステリ談義 -
Posted by ブクログ
本作の安楽椅子探偵であるレビー小体型認知症の祖父のキャラクターが素晴らしく、探偵としてキャラが抜群に立っている。知的でお洒落でありながら「煙草を一本くれないか?」という推理をやるスイッチとなる名台詞がありながら、一連の推理はあくまで筋道の通った解釈であり「物語」として扱うのも面白い。探偵というキャラクターにありがちな独善性や奇抜な振る舞いがなく全体的にスマートなのがとてもよかった。推理を絵として浮かび上がらせるのが認知症の幻覚という設定も、本作を映像化したときに映える設定だなと思いつつ、その幻覚自体が万能に見える祖父の弱点かつ不安要素になっている点も上手い。利点と欠点を表裏一体にして設定として
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Posted by ブクログ
ネタバレ物語の主人公は、27歳の小学校教師・楓(かえで)。
彼女は、かつて小学校の校長として尊敬を集めた聡明な祖父と深い絆で結ばれています。
しかし、祖父は現在71歳で、幻視や記憶障害、パーキンソン症状などを伴うレビー小体型認知症(DLB)を患い、介護を受けながら東京・碑文谷の自宅で暮らしています。
この病気により、祖父は日常的に幻覚を見たり、記憶が途切れたりする一方で、時折驚くほど鋭い知性を発揮します。
楓は、ミステリー小説を愛好する祖父の影響を受けて育ち、自身もミステリー好き。
そんな彼女が、仕事や日常生活の中で遭遇する「日常の謎」(密室殺人や人間消失、幽霊騒動など)を祖父に持ち込むと、祖父の知性 -
Posted by ブクログ
短編ミステリー集ではあるものの、全体を通して登場人物等に一貫性があり一つの物語として完成していた。各章ごとに読み進めることもできるので、すごく読みやすく、ミステリーのどれもが些細なことから推理していく(一部超能力?みたいなものはあったものの)流れをとても綺麗に感じた。
肝心の内容は、前半のミステリーに比べて最後の章は物足りない感があった。なぜどうしての部分がすごくあっさりしすぎているように感じた。加えて、個人的には被害者も犯人ももっと何かしらの背景があるほうが読み応えがあって好みというせいもある。この作品は短編が集まっており、なおかつ全体の物語の進み方としてそうするほうが自然ではあるものの、