小西マサテルのレビュー一覧
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意外な犯人、連作短編と思っていたのがそうでもなかったことに驚いた。そして、碑文谷さんに関する隠された事実。読み返してみると確かにあのシーンの描写がないことに気づいた。長々と書くとネタバレになってしまうのでこれぐらいになってしまうが、大きな事件は4つでトリックもあり、密室だったり、豪華客船の中だったりと楽しめた。
小林少年が登場することで江戸川乱歩に触れたり、今回も様々なミステリー作品について語られたりして、ミステリー好きにはたまらないものになっていることが嬉しい。楓の恋も結末が見られ、碑文谷さんの認知症は進行していて治ることはないと思うので、三部作で完結してしまうのは仕方のないことだが、もう少しこの物語の世界に浸っていたいと感じてしまった。最後の一言も、この作品らしい締めになっていて、心地いい。
TVドラマの最終回はまだ見ていないので、本作との違いに注目して、これからゆっくり楽しもうと思う。 -
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ネタバレ連作短編本格ミステリ。
幕間の洗脳。
①捨てられない物と捨てられた者
子供、遠く後ろからおじいちゃんとおばあちゃんに声をかける。しかし、耳が遠いので返事はなかった。車椅子の祖母だけが手を振ったように見えた。そして、そのまま二人は平屋に。おじいさんはおばあちゃんを車椅子にのせて後ろから押して。
火事。
祖父、祖母の名前を呼びながら「俺を捨てんでくれ」
おばあちゃん、消失。
火事跡から見つかった脚立は、手押し車だった。
おじいさんは車椅子のおばあちゃんを押していたと思われていたが、そこに乗っていたのは案山子だった。藁でできているので燃えてなくなった。→なるほどのトリック。農家が多い田舎ならあり得る。認知症のおじいさんがおばあちゃんを死んでないと思いたいのも納得。
幕間の医療記録。悩みを殺意に変える。
②古アパートの二重密室
井戸沼さん、頭を殴られ死亡。密室。岩田は、凶器とおぼしき金属バットを持って密室の中にいた。
音と鍵の二重密室。
ひばりさん、玄関の掃除をしていたので、 だれかが通れば必ず気付くと思います。
犯人はひばりさん。凶器は、錆び付いた鉄製のドア。
井戸沼さんがやってきたときに、ドアを思いっきり開く。
その後、被害者は瀕死で部屋に逃げて、絶命。
③豪華客船の殺人
レオン根室の黒い噂。
磯貝、かつてレオン根室の車で妹をはねられ殺されている。事故として、処理された。
磯貝、気絶していた。目覚めると、ヒストリア号の古代ローマの部屋。
近くにレオン根室が血を流して倒れていた。刀剣が近くに。
近くに剣闘士の蝋人形。
一種の早業殺人。
花島氏は、英国風の傘をレイアウトの一部として扉の前に立てかけてはおいた。あらかじめ先端をとがらせておいた傘。レオン根室の喉を貫いた、返り血を浴びないように傘を開いた状態で。
と、思ったら、この推理は違った。。
スマートフォンにしか見えないスタンガン。
犯人は磯貝。スタンガンを持ち込んだ。
動機はかつての妹を車でひいた本当の人物はレオン根室だと気付いたから。入れ替わってた。
ギリシャ古代ローマに伝わったとされるワインようの壺、アンフォラ。
これで磯貝はレオン根室にとどめを刺そうとした。
しかし、レオン根室がスタンガンで反撃。
心臓の悪い磯貝は気絶。
一時的な記憶喪失。
アンフォラを使ったのは見立てのため。
磯貝はイソップと被害者に呼ばれていたが、奴隷の意味。アンフォラを運んでいたのは奴隷。
仕掛けられた爆弾。赤か青。青、該当の時間、ベイブリッジは青に光る。
④瀕死の名探偵
本格ミステリの法則を使えば、地球温暖化は解決できる。
吹雪の山荘が起こるから。
楓からも四季に愛の告白。
おじいちゃんの元に豚のマスクの殺人鬼。
はさみの持ち方で医師だとわかる。
殺人鬼、ヘルパーのおかっぱさんが掃除の時、窓を開けていたときに侵入。
おじいちゃん、意識不明に。
最後、意識来もどる。
最終章 煙草を一本くれないか
連作短編に見えて長編。
一連の事件には裏で操っている人物がいた。
『嫌いな人間に対する拒否反応や少しの恨み』の感情を昇格。精神科医、心療内科、心理カウンセラー。
犯人は名探偵のおじいちゃんが邪魔だった。
犯人は小林少年。
プロバビリティの犯罪。
小林くん、高校生。
名探偵にさよなら5
盗聴。
小林くん、ガスで殺そうとしたが、ユダの窓。
ペットドア。
小林くん、童顔。通信制高校、医師をしながら。20歳以上。
21歳。
日本では24歳からしか医師免許とれない。
海外でとった。
米軍基地内では医師法もアメリカになる。
おじいちゃん、小林くんの亡くなった祖父母の幻視で小林くんを泣かせる。
ラスト、楓がおじいちゃんに「名探偵のままでいて」
→本格ミステリだけでなく、感動場面も多く名作。
ドラマ化なったのも納得。ドラマは内容や推理や事件をだいぶ省略はしているが、その割にはよくやっているとは思うが。 -
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ネタバレ連作短編。
①サンタクロースを見た男
赤は止まれ。きいろも止まれ。青はすすんでもいい。
少年、本物のサンタクロースを見たという確信と引き換えに父親を失った。
消えたサンタクロース。
小学校に入って初めての冬休み。
岩田は、一度眠りについた。鈴の音とともにサンタが現れ、ベランダへと手招きをした。ついて行くと、ベランダには誰もいなかった。10秒足らずのこと。
親父とは警察用語で署長。我妻は刑事。
岩田の父、会社に騙されて詐欺をてつださわれていた。そして、お得意様にかねを返していたが、アルバイトも限界だった。
父は自首する覚悟を決め、消失することにした。
父はあらかじめ、ベランダの隣室の仕切り壁を外しておいた。
外套の背中に仕切り壁を貼り付けていた。
②死を操る男
奇妙な自殺。芸名はフランソワ。
脱法ドラッグで自殺しようとしたが、吐いてしまい自殺できなかった。救急車を呼ぶ。固定電話から。
左手にはスマホがあったのに。
自殺の原因はSNSでの誹謗中傷。
搬送先の病院で亡くなる。
ファンの後追い自殺。二人とも、未遂。
美容院で髪を整えた翌日になぜ死のうとしたのか。
女子高生はなぜ縊死ではなく服毒自殺を選んだか。手にはロープを持っていたのに。
フランソワ、ヒッチコックに憧れていた。
『ダイヤルMを廻せ』
女性の右手が黒電話にまっすぐのびているポスター。
見立て自殺。
腰まであった髪をショートにして自殺未遂を図った女性。『サイコ』の見立て。
女子高生は『ロープ』の見立て。
フランソワ、生きていた。誹謗中傷も自作自演。
『裏窓』
『鳥』
③泣いていた男
コップ、警察官。
警察内警察内警察。
コンタクトレンズを涙と勘違い。→勘違いする??
コンタクト、接触。→コップといい、ダジャレ微妙。
推理は微妙だが、我妻刑事の過去の奥さんの聞けなかった言葉の幻視はいい。
④消えた男、現れた男
DLBはタイムトラベルが可能な病気。
かつてのストーカー『親バカさん』が釈放されて、電話かけてきた。
四季、音信不通に。
四季、現れたかと思ったら、メアリー・セレスト号のように消える。
動物嫌いの四季がなぜ猫を飼っていた?
最近の冷たい態度は何?
親バカさん、九鬼。
メアリー・セレスト号事件。暖かいコーヒーカップや食事は脚色。救命艇はそのまはまだったというのは嘘。実際は救命艇で逃げて、そのまま沈没しただけ。
時雨虹。
四季、猫はまえのプレゼント。
四季は、楓を守るためにひとりで何役も演じていた。
四季、変装して色々楓について回っていた。
四季、消失の謎。
そのとき、老人に変装。
突然、楓たちが現れたので管理人のふり。芝居で使った探偵のステッキをほうきに見立てた。
四季、九鬼に刺される。
「これで、おまえは確実に刑務所行きだ」
最終章 タイムトラベルをした男
四季、助かる。
5年2組のすず。
しかし、すず、おばあさんだった。自分が子供だと思い混んでいた。
→安定のシリーズだが、トリックのキレは一作目より若干落ちたかな。でも、レビー小体型認知症を上手く遣っていてよい。 -
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ネタバレ本格ミステリ短編集(少し、連作)。
レビー小体型認知症。幻視。のおじいちゃん。
名探偵とは、なんでそんなことまでわかっちゃうというのが一般的だが、それを幻視(妄想)して解くが、レビー小体型認知症の一貫の設定が面白い。
決め台詞もあり、いい短編。
古典への言及も多いのはコアな本格ミステリファンにもいい。
①緋色の脳細胞
瀬戸川氏の遺作の本の間から、4枚の小さな紙。雑誌、新聞の切り抜き。瀬戸川氏の逝去の訃報記事。
オレンジ色のレビー小体が脳の表面に広がっている。
「楓。煙草を一本くれないか」
→ドラマでは、お香。
栞にしては多い。
本の所有者の男性は亡くなっている。彼は好きな瀬戸川氏の訃報記事を大切にしている本の中に挟み込んでいた。
彼の死後、奥さんが、遺品整理の一貫として本を中古屋に売った。
②居酒屋の密室
こしょう。胡椒、故障。のダジャレ勘違いを上手く使っている。
店員が見えない容疑者。
被害者が復活して、その後隣の男子トイレで絶滅するのは、ストーリーを複雑にしていて個人的には微妙。
③プールの人間消失
二代目窓抜き先生が男ではなく女だったとのはいいミスリード。女校長もいるからね。
子供がふざけて飛び込んだのが、先生が飛び込んだと思われるのが偶然で起こる消失になって微妙。
④33人いる!
教室にいたのは32人。33人に増えたの。
二人一組になって英語だけで話して下さい。
生徒、怖い話大会やりたい。
この教室に、ぼくらくらいの歳野女の子の幽霊が出る。
クラスの中にもう一人いる?声が聞こえた。
祖父、推理。
教室の前後の扉は開け放たれている。換気のため。感染症。
マスクしていた。
隣同士ではなく、前後でペアを組んだ。
33人目は楓。
33人目はもう一人いた。
右下の席、椅子に近い。不登校。
ハリー、最後の授業なので、サプライズで不登校の女児を呼んだ。
⑤まぼろしの女
目撃者がなぜ逃げたか。
目撃者がアルコール依存症で、その時持ち歩いていて飲んでいたから、子供の親権がまたとられると思って。アルコール依存症だったとは、飛躍だなとは感じたので、もうちょっと伏線ほしいが。
⑥ストーカーの謎
ランニングシューズなど伏線はあるが、もういっぽトリックがほしいところ。 -
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ネタバレ名探偵役の主人公の祖父はレビー小体型認知症を患っているが、孫娘である楓の相談に応じて謎を説き明かす安樂椅子探偵ものである。
この病気の特徴的な症状として、実際にはないものが見える「幻視」があるということで、この祖父は"見てきたような話"ではなく"見えている話"としてまるでその事件現場に居合わせたかのように事件の真相を語るところが斬新であった。
他人の話を聞いただけで何故そこまでわかるのか?という気がしないでもなかったが、話の筋は通っている。
基本的に自宅で話を聞くだけで事件を解決するため、荒事には巻き込まれないのであるが、楓が被害に遭っているストーカー事件が過去のある事件とつながりがあったということで、最後は楓に対するストーカーとの対決モードとなって緊張感が走る展開には驚いた。 -
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小学校教師の孫娘楓と元校長の祖父、そして、楓と同僚教師の岩田、岩田の後輩の四季の3人、それぞれの関係が見事に描かれていて、上質のミステリーになっていることに感激した。
認知症のおじいちゃんが名探偵なんて今まで読んだこともない。それも幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を自分が自覚したまま知性がしっかりとしていて、幻視が結びついた物語(推理)を紡ぎ出す。
こんな安楽椅子探偵のミステリーを考え出す作者は本当にミステリーや物語が好きだということがよくわかる。密室殺人、人間消失、『11人いる!』ではなく『33人いる!』、『幻の女』といった題材での連作には、楓と祖父の謎解きを軸として、岩田や四季とのミステリー談義などが散りばめられ、海外ミステリーからコミック、ハリーポッター、古畑任三郎といった様々な物語が話題に上がっているのがたまらない。
連作集でありながら最後には楓と祖父の過去の事件を解決する結末が用意され、随所にあったこれまでの伏線も回収される構成が一つの物語になって、清々しい読後感を味わうことができて楽しかった。そして、楓と岩田と四季の三角関係が気になって、続巻の「名探偵じゃなくても」「名探偵にさよならを」も読みたくなった。
現在TVで放送中なので、一緒に楽しみながら読み進めるのがお勧め。 -
Posted by ブクログ
1番好きな本。ミステリー小説を求めてる人には物足りないのかもしれない。しかし、私はこの日常に潜むミステリー感がすごく好きだった。認知症という議題も親しみ…というか他人事じゃない感じがして本自体にのめり込みやすいと感じた。
(追記)
ドラマは私にはダメだった。私が想像した楓は、「しかたなく笑うどこか悲しげな女性」だったのに、ドラマは「元気づけたくて笑う元気な女性」で、解釈違いを起こして1話で断念。見進めていったらまた違った感想を持ったかもしれないがこれは見れない……
人によるかもしれないが、ドラマを見るか原作を読むかどっちかにした方がいいと思う。