小西マサテルのレビュー一覧
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「名探偵のままでいて」の続編にあたるシリーズ第二作です。レビー小体型認知症を患う祖父と、その孫娘である楓が、再びさまざまな謎に挑む安楽椅子探偵ミステリーが描かれます。シリーズの魅力である古典ミステリーへの深い愛情や、祖父と孫の温かな関係性はそのままに、物語はさらに広がりと深みを増していました。
本作でも各章ごとに魅力的な謎が用意されていますが、単なる連作短編集に留まらず、それぞれの出来事が少しずつ結びつきながら大きな物語を形作っていきます。「ここまで読めた」と思った瞬間に、そのさらに先をいく真相が待ち受けており、何度も見事に裏切られました。
また、本作ではミステリーとしての面白さだけでなく、登場人物たちの関係性にも大きく心を動かされます。楓を取り巻く人々との絆や、それぞれが抱える過去や想いが丁寧に描かれ、事件の真相以上に彼らの行く末が気になってしまいました。
一方で、祖父の認知症は確実に進行しており、前作以上に切なさが胸を締めつけます。それでもなお、自らの病と向き合いながら謎を解き明かしていくその姿は、やはり名探偵そのもの。推理の鮮やかさだけでなく、その人柄や生き様に何度も心を打たれました。
本格ミステリーとしての読み応えと、優しく温かな人間ドラマが見事に両立した一冊です。読み終えた頃には、謎が解けた爽快感と同時に、この愛おしい登場人物たちともう少し一緒にいたいという名残惜しさに包まれました。完結編への期待がますます高まる、素晴らしい続編でした。 -
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楓とその祖父が楓の日々持ち込む謎を現場に行かないで解く安楽椅子探偵モノ!会話がリズミカルに進むので読みやすく、本格ミステリってほどではないので気軽に読めた。
設定として祖父がレビー小体型認知症を患っている。全く認知症に関して知識がなかったので勉強になった。また、節々に海外の名作ミステリのタイトル、またオマージュしたようなものが出てきて、ミステリ初心者な自分に新たな扉を開かせようとしてきて面白かった。
この認知症は幻視を見ることがある。謎を解くとき、祖父は必ず楓にどう物語(仮説)を紡ぐのかそしてその物語の矛盾を指摘し、自分の物語Xを紡ぐ。この構成がより詳しく謎を解説してくれるのでスラスラ読めた。最後のほうで、楓がはじめて好きな人ができたみたいと言っていて、その後の四季と岩田、どちらを選んだのかもきになるので続編も買おうと思う。 -
Posted by ブクログ
またしても、楓を狙う存在が。1作めで終わったと思ったのに、意外な結果に驚いた。でも、そのおかげで、楓、岩田、四季の三角関係に進展が見られたような気がする。3作で完結を予定しているということなので、次こそ碑文谷さんこと祖父の病気や、三角関係の終わりも来るだろうと期待している。
いくつかの事件に絡めて、今度も作者が好きな物語がいくつも話題に出て、まさかヒッチコックまでと嬉しくなり、作品をまた見たくなった。ハインラインの『夏への扉』も、持っているのにまだ読んでいないので読もうと思う。
今回は、岩田の過去や楓の親友美咲の周囲のことなどが事件として語られていたが、その中でも我妻の同僚警察官が殺されるという事件がいちばん心に残った。トリックや意外な犯人像がそれまでの伏線も含めて、よいミステリーに仕上がっている。
ミステリー、SF、いろいろな物語にあふれながら描かれている認知症を患う安楽椅子探偵の祖父と孫に、少しでもいいから希望に満ちた結末を与えてほしい。 -
Posted by ブクログ
シリーズ最後の話を惜しみながらも、黙々と読み進めていった。読み進めるうちに碑文谷さんが、自分の祖父と重なっていき、その病状に一喜一憂しながら読んでいった。
やっぱり碑文谷さんにとって、ミステリは最高の活力剤なんだろうなぁ…
ある事件をきっかけに症状が一気に悪化した後で奇跡の復活があったのはフィクションだからこそ嬉しかった。図解のトリックにも叙述トリックにも全く気づかず、最後の医師の正体と彼との直接対決では手に汗握り、涙も浮かべながら読み進めていった。今作のようなラストだと、碑文谷のおじいちゃんはずっと心の中に生きていてくれると思えるラストだった。 -
Posted by ブクログ
「名探偵のままでいて」「名探偵じゃなくても」の完結編。前作は是非読んでから読んでほしい!!
主人公・楓のレビー小体型認知症を患う祖父が、日常に潜むミステリーを幻視を交えて解決する。しかし祖父の病状は悪化し、別れの日は確実に近づいている…というストーリー。
面白かった!
楓と碑文谷さんの掛け合いで事件の真相が解きほぐされていくため、読んでいて楽しいしわかりやすい。それでいて小さなところにも伏線が張り巡らされていて丁寧。碑文谷さんの「今起こってることだけじゃない。これから起こることも、すべてが正解なんだ」という言葉が胸に沁みた。
四季と岩田との三角関係にも決着がついた。おーーーーなるほどねとなった。
やはり心理描写がうまく、読んでてウルっときた。完結なのは寂しいけどすっきりと読めた三部作だった。 -
Posted by ブクログ
シリーズ完結編。放送中のドラマのテロップから、もう1冊あったことを知り、慌てて読んでみた。
事件の謎解きも面白いのだけど、やっぱり私が一番気になっていたのは、楓と四季と岩田の恋の行方。
これまで少しずつ描かれてきた3人の関係が、ここにきて大きく動いていく。事件よりも恋愛のほうが気になって仕方なかった 笑
そして、タイトルがせつない!
おじいちゃんとの時間もこれで最後なのかと思うと、読み終えるのが寂しかった。
シリーズを通して、ミステリーはもちろん、それより家族や人と人とのつながりを楽しんだ作品だったなと思う。
恋愛の行方は想定内だったけど、謎解きではかなり意表をつかれた。衝撃的!
恋愛的にはもう少し何かほしかったけど良い完結編でした。
あとはドラマを楽しもう♪ -
Posted by ブクログ
シリーズ完結作。
前作から、かなり間が空いてしまって、これまでの内容をあまり覚えてないけど、碑文谷さんこと、楓のおじいちゃんの病気は悪化の一途を辿っていた。
それでも楓の同僚の岩田や、岩田の後輩で劇団主催の四季など個性的な面々の存在は現在で、その時まで、この人たちはこのままなんだろうなぁ、と思った。
一作目には怪人二十面相に出てくる小林少年を思わせる青年?が今作のメンバーに加わり、碑文谷の家の片付けも賑やかに進められる。
今作は連作短編に見せかけて、裏で全て繋がっているというミステリの手段を取っている。
古典ミステリを挟んだりしながら、謎を解いていくのは、このシリーズあるあるだけど、ラストはちょっとやり過ぎ感が否めない。
トリックに無理がありすぎて…
せめて、さよならの場面を描かなかったのが、作者の矜持だったのかなぁ。