元村有希子のレビュー一覧
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豆知識あり、社会状況あり、人に関わる話あり。
科学を切り口に、さまざまな事柄が述べられているエッセイ。
著者のバランス感覚の良さと、誰にでもわかる説明、そしてそれぞれ短い文章。内容は決して浅くはないけど、テンポよく読める。
とにかく飽きない。
ホーキングの日本からの手紙への返答
ビッグバンの再現
ILCと学術会議と漫画
ブラックホールを捉える
石器時代の航海
グレタさんの演説と環境問題
リチウム電池は強運では無く出来事を逃さないことでできた
人工知能ができないこと
月200円の電気代にする人
コロナ禍のメルケル元首相の話
下水でコロナ流行予測
年をとるほど、その人の価値観や人生観が外見ににじ -
Posted by ブクログ
非常に読みやすく、なによりもおもしろい。著者は科学ジャーナリストではあるが、国語の教員免許を持つ、どちらかと言うと『文系』な方。難解な数式や化学式は一切登場せず、科学、特に、最新の科学を、清少納言の枕草子風エッセイとして綴られている。個人的にはダークマターや、重力波、はやぶさ2など、やはり宇宙に関する問題に興味をそそられた。また後半では、科学の進歩による恩恵だけでなく、それがもたらすであろう恐ろしさについても言及されている。ゲノム編集によるデザイナー・ベビーの倫理問題は記憶に新しい。AI兵器の開発のハードルの低さにも戦慄を覚えた。このように、本書は最新の現代科学のおもしろさなどを確かな取材やデ
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Posted by ブクログ
【2020.11.06 再読】
良心的な記者が綴ったまことに良心的なエッセイ。
そのひと言に尽きる本。
科学の本でありながら難解なところが1つもないので、より多くの人びとに読んでほしい本の1つである。
【付箋メモ】
「私はたいていのことに寛容で、どんな悪人にも1つぐらい良いところがあると信じて疑わないのだが、ウイルスだけには寛容になれない」(p14)
「これからは『エコ』じゃなく『エシカル(倫理的)』かどうかで企業を選ぶことをお勧めする」(p83)
「私たち日本人は、いかに頼りない『安全神話』を信じこまされてきたことか。現代生活に電気が必要なことは認めるけれど、たかが発電タービンを回す -
Posted by ブクログ
ゴテッと科学ではなく、文系ならでは(?)の視点で楽しく読めました。
どの章も大変興味深く、科学に詳しくなくても読めました。
特にお気に入りの話は「花守り市長」なんともすてきな話で、こういった事が現実にあるということが感動でした。
また、原子力問題についても多くふれています。
不勉強で少し前にもこんな問題が起こっていたなんて全く知らず、恥ずかしくなりました。
このときに危機管理が見直されていれば、現在のような問題がここまで大きくならなかったのでは・・・でも知らなかった。
日常に隠れてしまっている問題に気づかなければ、反省しきりでした。
こういった問題も知らず、大きくなったときだけ文句をたれてい -
Posted by ブクログ
毎日新聞科学環境部記者の、新聞に載った話題や登場した科学者についてのエッセイ。わかりやすく、親しみのわく文章で、少し遠い存在に感じていた‘科学系’の話題を身近なネタに引き寄せてくれる。
途中東日本大震災前後の著者の日記が入っているのだが、その時の著者の忙殺ぶりやあの頃の重苦しい雰囲気がひしひしと伝わってきて、かえって自分自身のあの頃のことを思い出したりした。この部分は他のエッセイ部分とは少し色調が異なり、記者としての思いがよりリアルに描かれていて印象的だ。
それにしても新聞記者さんって、会社に泊まりも多いし、タフな仕事ですね。この本を読むとそれが良く分かるのですが、頭が下がる思いと共に子育てや -
Posted by ブクログ
・食べ物は放置すると腐るが、それは腐敗菌の仕業。
・ネイチャーによると、日本人の腸内には海藻を消化してくれる細菌が住んでいるが、米国人の腸内細菌は同じ消化酵素を作り出せる遺伝子を持っていない。
・シロアリも、腸内に木の繊維質を消化する微生物を保有している。
・牛肉の種牛は、専用のあん馬に乗らせて発情させ精液を回収する。それをメス牛に植え付ける。
・捕鯨と馬刺しの話題をイギリスでは持ち出さないほうがいい。
・スペイン風邪の後にも、アジア風邪や香港インフルエンザという大流行病があった。
・シベリアの永久凍土には推定一〇〇〇〇頭ものマンモスが凍結されている。
・日本のエレベーターにある閉ボタンは世界