川上浩司のレビュー一覧
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「不便益」という観念について初めて触れ、考えさせられた本。
といっても言葉として初めて聞いただけで感覚としては多かれ少なかれ世の人みんなが抱いていることなのではないだろうか。
p69にある現代の「便利」は「空疎」であり「現実感がない」というのはまさにその通りだと思う。身近なところでは24時間営業のコンビニやスーパーに並ぶ野菜や弁当・惣菜など、よくよく考えたら凄い事である。レジ横にあるフライドチキンとか、何日も何週間も品切れているのは見た事がないが一体全体その為にどれだけの鶏が日々捌かれ、産まれているのだろうか。考えたことも無い。
また、日用品やなんかについても、「いつでもどこでもだれにで -
Posted by ブクログ
「不便益」と言う聴き慣れない言葉ですが、簡単に言うと現代社会のものさしからは「不便」と思われがちなことに、「益」を見出す発想です。本書の内容は、簡単に表現できませんが、とにかく目の付け所に驚かさせるし、知らなかった事ばかり、納得する事ばかりです。
この感覚を意識するだけで、不便な事から楽しみを探す癖がつくし、モノの捉え方も変わって来る、そして何かを創造する時に「不便益」を取り入れる事もできると思います。読んでいて、たまに混乱する事もありますが、これぞ、読書をする意義が大きいと思える一冊です。
ちょっとレビューが難しい本です。的を得たフレーズ(引用文)も選択できませんでした。まずは気になる -
Posted by ブクログ
「深く考える」について論じた一冊。
はじめの方はひたすら鉛筆の話をしていて、「何の本だこれ」と思っていたのだけど、最後まで読み通すと、「便利なこと、早いことばかりが良しとされる現代に警鐘を鳴らす本」であったし、「『不便益』の一端を垣間見れる本で、とても興味深く読んだ。
文中で、AIの「ディープラーニング」の話が出てきて、「AIはディープラーニングにより、かつて人間が行なっていたように『深く考える』ことを必死にやろうとしている」と論じられる。
「人間は考える葦である」とパスカルは言ったけど、「便利」や「スピード」に流されて考えることをやめてしまったら、我々は人間で無くなるのかもしれない。 -
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Posted by ブクログ
ネタバレ先日、帰り道の急坂でドーナツ型の小さい窪みを見つけそれを避けながら歩いた。その時僕が酔っていたからという理由もあるが、感覚的には、その模様があったから、それを避けて歩いたのだ。
これはこの本の中に書いてあった「仕掛学」という学問に分類される。仕掛学とは、「人を〇〇させるには、□□させれば良い」という人間の慣性を利用した、人の行動を直接的ではない形で誘導するという学問だ。例えば、駐車場で白い線が等間隔に引かれてあると、人は無意識にその線に沿って車を停める。男性用のトイレで◎のマークがあるとそこを狙ってしまうなど。自分がとった行動は、誰かが考えた誘導という環境によって支配されているのかもしれないな -
Posted by ブクログ
>不便益とは「不便であるからこそ得られる効用」です。
不便益自体は誰でもどこかで感じたことがあると思います。車や電車で済む道をわざわざ歩いたり、制限を設けた方が物事が順調に進んだり…。
しかし、これらの効用を分類分けしたり言語化したりは普段していないと思います。
例えば「不便なことが楽しいって意味でしょ?」と思った方は「不便によって習熟を許す」ということには気づいてないかもしれません。その逆もまた然り。
本書は工学博士が工学博士らしく、「便」や「益」といった言葉の定義から一つ一つ事細かに不便益を解説していき、読者に不便益という物差しを与えてくれる一冊です。
大量の事例が紹介されており、難