【感想】
「深く考えること」そのものの重要性をもっと考えようと思い、手にした1冊。
作者は京大の教授のようで、確かに深く考えられる事が必要な職業だと思う。
対して自分は、決して浅はかな思考や言動はNGだけど、やはりある程度は見切り発車で進めて都度々々の修正を行なう事が要求されている。
理由として、ビジネスにおいてスピードが遅いと、いくら熟考したとはいっても、その頃にはそれをアウトプット(発揮)できる場はなくなっている可能性があるからだ。
なんてことはない。全否定するつもりも毛頭ない。
どちらが正しいとかではなく、筆者と僕では身分や職業として「深く考える」必要性や方向性が違う。それだけのことだ。
少なくとも今の自分には、これほど哲学的に物事を深く考える時間なんて、正直あまり用意されていないなーとも読んでいて感じた。
だが、僕のようなスタイルで仕事を進めていく上で、気を付けなければいけない点は3点ある。
・安直に何も考えずに物事を判断し、進捗する点
・エビデンスがしっかりしていない、ウケウリの薄い知識だけで突撃してしまう点
・PC的な説明になってしまい、論理的にはOKだが相手の実感を得られない点
以上のことを考え、総じて感じたのは、ステレオタイプを脱却できる程度には深考し、ウケウリや教科書通りではない「自分の言葉」でうまく物事を進める事ができるかどうか、だろう。
プロセスを省いて答えばかり教えてもらったその先には、人としての経験値はそれなりのモノでしかなくなってしまう。
そうならないためにも熟考や失敗・挑戦を繰り返し、ぶつかりながらも色んな寄り道をして、思考回路や経験という自身の「道筋」そのものを広くしていくことが大切なのかもしれない。
スピードだけを意識するのではなく、しっかりと自分自身振り返りを持って思考を繰り返し、定期的なメンテナンスを行なっていこうと思いました。
【内容まとめ】
1.頭が良いとは、「=深く考えられること」である。
頭の良さとは、決して点数だけでは測れない。
仕事の上でも生きていく上でも、役に立つのは「深く考える力」なのである。
2.「think < action」の落とし穴
安直に何も考えず、どこかの本やセミナーで得た「受け売りの理由」に、一方向かつ一心不乱に邁進していくと、「自分らしさ」を放棄してしまうこととなる。
頭は空っぽになり、行動はスピーディになるが、果たしてそれでいいのか?
3.「PC的な説明」と「鉛筆の手書き的な説明」併用の必要性
不特定多数の人に伝えるには、「PC的な説明」が適しており、デフォルトである。
しかし、「論理的であればOK」ではない。
いくら論理的でも「実感」が伴っていなかったり、相手にとって気に食わない意見だと、結局は受け入れられず、思った通り「論理的」には届かない。
4.「わざ言語」を用いて思考することは、深く考えながら「自分ならではのユニークさ」を生み出す訓練
マニュアルを用いると、成長や上達には限りがあり、わざ言語はマニュアルとは対極にあるといえる。
わざ言語で思考して何かを学ぼうとしたり、人に伝えようとすれば、必然的に時間がかかる。
だからこそ独自性が生まれるし、オリジナルなやり方や自分なりの工夫を生み出す喜びがあり、その喜びに身をひたすことができれば「考えること」への苦手意識も弱まっていくだろう。
5.「自分だけのユニーク」こそが、これからの社会を生き抜く「自分だけの強み」になるのではないだろうか。
「深く考えること」で自ずと得られる益の一つが、プロセスを味わうこと、すなわち経験をすることである。
6.マイクロスリップ
発達心理の研究分野では、「しまった」と言うほどでもない小さなスリップ(失敗)を「マイクロスリップ」といい、人間の成長に非常に大切なものだという。
失敗せずに毎回同じタスクを同じ行動でこなしていると、人は成長せず、新しいことが見つからない。
マイクロスリップをきっかけに新たな発見をし、成果を果たす。
そのプロセスこそ、あなたの経験と実感の痕跡なのである。
【引用】
・「深く考える」ことを考え、1冊を通して「考え抜く力」を高める本。
頭が良いとは、「=深く考えられること」である。
頭の良さとは、決して点数だけでは測れない。
仕事の上でも生きていく上でも、役に立つのは「深く考える力」なのである。
p26
「深く考える」とは、たとえば未知のものを目にしたときに、それは何なのかを考え抜いた末に、まったく新しい概念が自分の中に形作られること。
新たな面を見ようと模索・思案する道筋そのものが「深い思考」となる。
p33
・「think < action」の落とし穴
安直に何も考えず、どこかの本やセミナーで得た「受け売りの理由」に、一方向かつ一心不乱に邁進していくと、「自分らしさ」を放棄してしまうこととなる。
頭は空っぽになり、行動はスピーディになるが、果たしてそれでいいのか?
p52
この世で絶対に破られないと言えるのは、「物との約束」「物のコトワリ」だけだ。
この世に万有引力が存在する限り地球はバラバラにはならない。
しかし、「人との約束」には、いつ何時「嘘をつかれる」かは分からない。
それを知らず知らずに呑んでしまっている状態は、その分思考を省いてしまっているといえ、思考を深める機会も逃している。
p64
・「仕事ができる人」とは、具体的にどういう人なのだろうか?
頭がいい人
=深く考えられる
→仕事に役立つ答えを出す可能性が高まる
→その答えを使って仕事で結果を出す
→仕事のスキルが上がって「できる人間」になる
p78
・リスクホメオスタシス
→危険がありそうだと慎重になるが、危険を感じないとリスクを冒す。
・ホメオスタシス(恒常性)
外部がどう変化しようと一定を保とうとすること。
人がどれだけモノにつられやすいのか。
安全性が高ければ高い分、差し引きゼロにするためにリスクを自身で高めてしまう。
p89
・「PC的な説明」と「鉛筆の手書き的な説明」併用の必要性
不特定多数の人に伝えるには、「PC的な説明」が適しており、デフォルトである。
しかし、「論理的であればOK」ではない。
いくら論理的でも「実感」が伴っていなかったり、相手にとって気に食わない意見だと、結局は受け入れられず、思った通り「論理的」には届かない。
p96
「わざ言語」を用いて思考することは、深く考えながら「自分ならではのユニークさ」を生み出す訓練といえる。
経験も要らず、解釈もいらず、誰がやっても同じように再現できるマニュアルは非常に便利なものだ。
しかし、成長や上達には限りがあり、わざ言語はマニュアルとは対極にあるといえよう。
わざ言語で思考して何かを学ぼうとしたり、人に伝えようとすれば、必然的に時間がかかる。
しかし、だからこそ独自性が生まれるし、オリジナルなやり方や自分なりの工夫を生み出す喜びがあり、その喜びに身をひたすことができれば「考えること」への苦手意識も弱まっていくだろう。
p133
「この方法1つですべてうまくいく」と教えられたら確かに楽だし、買う理由にもなりやすい。
自分に合ったやり方を探してあれこれ試行錯誤し、失敗したり遠回りをしたりしなくて済む。
効率良く「正解」に辿り着けるのだ。
だから人は「1つの解決法」に惹かれるのかもしれない。
だが、不便益を研究している私に言わせれば、そんな便利は許されない。
一足飛びの解決は、プラスばかりではない。
試すほうの「試行」も、考えるほうの「思考」も不要になってしまう。そこから生まれる「ユニークさ」や「あなたらしさ」は獲得できないだろう。
実感や達成感も生まれない。
要は「飛躍」がないのだ。
p135
「自分だけのユニーク」こそが、これからの社会を生き抜く「自分だけの強み」になるのではないだろうか。
「深く考えること」で自ずと得られる益の一つが、プロセスを味わうこと、すなわち経験をすることである。
p148
・3つの「見る」でプロセスの質を考える。
1.「現在地」を見る。
「悩む」とは「思考のプロセス」を辿ったことを示すのに他ならない。
「今何をしていて、次は何をするか、今わからないことは何か」を明らかにして自分の現在地を明確にすること。
2.「プチゴール」を見る。
自分で自分のプチゴールを設定し、自分の本気度や習熟具合をチェックしよう!
3.やりたくてやっているのか、「実感」を見る。
自己感覚レベルでOKなので、一生懸命なのか否かをチェックすること。
プロセスの質が高いものかどうかは、自分で簡単にわかる!
p153
・マイクロスリップ
発達心理の研究分野では、「しまった」と言うほどでもない小さなスリップ(失敗)を「マイクロスリップ」といい、人間の成長に非常に大切なものだという。
失敗せずに毎回同じタスクを同じ行動でこなしていると、人は成長せず、新しいことが見つからない。
マイクロスリップをきっかけに新たな発見をし、成果を果たす。
そのプロセスこそ、あなたの経験と実感の痕跡なのである。
p193
深く考えるとは、思考の海には底がないからできることだ。
すぐに底に足がつく「思考のプール」では、深い思考はできない。
果てのない思考の海に深く潜り、「深く考える」ことを体得して新しい発見をしよう。
p198
「これで解決!」という便利さが思考を奪う。
たった一つの方法でなんでも解決するなど、不便益学からすればそんな便利は許されない。
たった一つの解決法だと思考停止に陥るため、分野を問わず科学者と呼ばれる人は「100%」というワードにはとても慎重である。