【感想・ネタバレ】京大式DEEP THINKINGのレビュー

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Posted by ブクログ 2017年11月19日

「深く考える」について論じた一冊。
はじめの方はひたすら鉛筆の話をしていて、「何の本だこれ」と思っていたのだけど、最後まで読み通すと、「便利なこと、早いことばかりが良しとされる現代に警鐘を鳴らす本」であったし、「『不便益』の一端を垣間見れる本で、とても興味深く読んだ。


文中で、AIの「ディープラ...続きを読むーニング」の話が出てきて、「AIはディープラーニングにより、かつて人間が行なっていたように『深く考える』ことを必死にやろうとしている」と論じられる。
「人間は考える葦である」とパスカルは言ったけど、「便利」や「スピード」に流されて考えることをやめてしまったら、我々は人間で無くなるのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2018年01月17日

不便益でおなじみの川上先生の著書です.

不便益の中でも結構コアを占めていると思われる「ちゃんと実感を伴うまで考える」という益について論じています.

自動化・効率化という「便利」が発展していく中で,最近では世間的にも便利害として認知されてきている「みんなじっくり考えなくなってきているのでは?」とい...続きを読むう問題への一つのソリューションといった趣の内容です.
具体的には「鉛筆使おうよ!」という提案を軸に軽い語り口で話を進めてくれる感じです.スルスル読めてしまいます.が,本書の趣旨に沿えば,妄想を膨らませながらじっくり読むべきです.

・ものごとを明確にするために数字を使うとかえって対象の実態が曖昧になる場合がある.
・人の思考は道具や環境によって少なからぬ影響を受ける.

的な内容について論じた部分が特に印象に残っています.最近流行りのデザイン思考とかEmpathyとかインサイトとかにも通底する内容だと思うし,「なぜ最近流行っているのか」ということに対する洞察でもあるように思えます.

面白かったです.

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Posted by ブクログ 2020年07月09日

深く考えることでどんな効果が得られるか。逆に、深く考えていないことでどんな弊害があるのか、という観点の本だった。

「即断即決できる人間=仕事ができる」は正しい?
考えずに直感で動いてるだけではないか?

深く考えることで新しい発見を絶やさない人生にしていきたいと感じた。

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Posted by ブクログ 2020年02月01日

「落ち着いて考える」点については共感するのですが、本を通して例示されている鉛筆の話はあまり共感できずw
少し年配感があるので(そこまでのご年齢ではないのですが)読者は選ぶかもしれません。

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Posted by ブクログ 2019年03月27日

【感想】
「深く考えること」そのものの重要性をもっと考えようと思い、手にした1冊。

作者は京大の教授のようで、確かに深く考えられる事が必要な職業だと思う。
対して自分は、決して浅はかな思考や言動はNGだけど、やはりある程度は見切り発車で進めて都度々々の修正を行なう事が要求されている。
理由として、...続きを読むビジネスにおいてスピードが遅いと、いくら熟考したとはいっても、その頃にはそれをアウトプット(発揮)できる場はなくなっている可能性があるからだ。
なんてことはない。全否定するつもりも毛頭ない。
どちらが正しいとかではなく、筆者と僕では身分や職業として「深く考える」必要性や方向性が違う。それだけのことだ。
少なくとも今の自分には、これほど哲学的に物事を深く考える時間なんて、正直あまり用意されていないなーとも読んでいて感じた。

だが、僕のようなスタイルで仕事を進めていく上で、気を付けなければいけない点は3点ある。
・安直に何も考えずに物事を判断し、進捗する点
・エビデンスがしっかりしていない、ウケウリの薄い知識だけで突撃してしまう点
・PC的な説明になってしまい、論理的にはOKだが相手の実感を得られない点

以上のことを考え、総じて感じたのは、ステレオタイプを脱却できる程度には深考し、ウケウリや教科書通りではない「自分の言葉」でうまく物事を進める事ができるかどうか、だろう。
プロセスを省いて答えばかり教えてもらったその先には、人としての経験値はそれなりのモノでしかなくなってしまう。
そうならないためにも熟考や失敗・挑戦を繰り返し、ぶつかりながらも色んな寄り道をして、思考回路や経験という自身の「道筋」そのものを広くしていくことが大切なのかもしれない。

スピードだけを意識するのではなく、しっかりと自分自身振り返りを持って思考を繰り返し、定期的なメンテナンスを行なっていこうと思いました。


【内容まとめ】
1.頭が良いとは、「=深く考えられること」である。
頭の良さとは、決して点数だけでは測れない。
仕事の上でも生きていく上でも、役に立つのは「深く考える力」なのである。

2.「think < action」の落とし穴
安直に何も考えず、どこかの本やセミナーで得た「受け売りの理由」に、一方向かつ一心不乱に邁進していくと、「自分らしさ」を放棄してしまうこととなる。
頭は空っぽになり、行動はスピーディになるが、果たしてそれでいいのか?

3.「PC的な説明」と「鉛筆の手書き的な説明」併用の必要性
不特定多数の人に伝えるには、「PC的な説明」が適しており、デフォルトである。
しかし、「論理的であればOK」ではない。
いくら論理的でも「実感」が伴っていなかったり、相手にとって気に食わない意見だと、結局は受け入れられず、思った通り「論理的」には届かない。

4.「わざ言語」を用いて思考することは、深く考えながら「自分ならではのユニークさ」を生み出す訓練
マニュアルを用いると、成長や上達には限りがあり、わざ言語はマニュアルとは対極にあるといえる。
わざ言語で思考して何かを学ぼうとしたり、人に伝えようとすれば、必然的に時間がかかる。
だからこそ独自性が生まれるし、オリジナルなやり方や自分なりの工夫を生み出す喜びがあり、その喜びに身をひたすことができれば「考えること」への苦手意識も弱まっていくだろう。

5.「自分だけのユニーク」こそが、これからの社会を生き抜く「自分だけの強み」になるのではないだろうか。
「深く考えること」で自ずと得られる益の一つが、プロセスを味わうこと、すなわち経験をすることである。

6.マイクロスリップ
発達心理の研究分野では、「しまった」と言うほどでもない小さなスリップ(失敗)を「マイクロスリップ」といい、人間の成長に非常に大切なものだという。
失敗せずに毎回同じタスクを同じ行動でこなしていると、人は成長せず、新しいことが見つからない。
マイクロスリップをきっかけに新たな発見をし、成果を果たす。
そのプロセスこそ、あなたの経験と実感の痕跡なのである。


【引用】
・「深く考える」ことを考え、1冊を通して「考え抜く力」を高める本。
頭が良いとは、「=深く考えられること」である。
頭の良さとは、決して点数だけでは測れない。
仕事の上でも生きていく上でも、役に立つのは「深く考える力」なのである。


p26
「深く考える」とは、たとえば未知のものを目にしたときに、それは何なのかを考え抜いた末に、まったく新しい概念が自分の中に形作られること。
新たな面を見ようと模索・思案する道筋そのものが「深い思考」となる。


p33
・「think < action」の落とし穴
安直に何も考えず、どこかの本やセミナーで得た「受け売りの理由」に、一方向かつ一心不乱に邁進していくと、「自分らしさ」を放棄してしまうこととなる。
頭は空っぽになり、行動はスピーディになるが、果たしてそれでいいのか?


p52
この世で絶対に破られないと言えるのは、「物との約束」「物のコトワリ」だけだ。
この世に万有引力が存在する限り地球はバラバラにはならない。

しかし、「人との約束」には、いつ何時「嘘をつかれる」かは分からない。
それを知らず知らずに呑んでしまっている状態は、その分思考を省いてしまっているといえ、思考を深める機会も逃している。


p64
・「仕事ができる人」とは、具体的にどういう人なのだろうか?
頭がいい人
=深く考えられる
→仕事に役立つ答えを出す可能性が高まる
→その答えを使って仕事で結果を出す
→仕事のスキルが上がって「できる人間」になる


p78
・リスクホメオスタシス
→危険がありそうだと慎重になるが、危険を感じないとリスクを冒す。

・ホメオスタシス(恒常性)
外部がどう変化しようと一定を保とうとすること。

人がどれだけモノにつられやすいのか。
安全性が高ければ高い分、差し引きゼロにするためにリスクを自身で高めてしまう。


p89
・「PC的な説明」と「鉛筆の手書き的な説明」併用の必要性
不特定多数の人に伝えるには、「PC的な説明」が適しており、デフォルトである。
しかし、「論理的であればOK」ではない。
いくら論理的でも「実感」が伴っていなかったり、相手にとって気に食わない意見だと、結局は受け入れられず、思った通り「論理的」には届かない。


p96
「わざ言語」を用いて思考することは、深く考えながら「自分ならではのユニークさ」を生み出す訓練といえる。
経験も要らず、解釈もいらず、誰がやっても同じように再現できるマニュアルは非常に便利なものだ。
しかし、成長や上達には限りがあり、わざ言語はマニュアルとは対極にあるといえよう。

わざ言語で思考して何かを学ぼうとしたり、人に伝えようとすれば、必然的に時間がかかる。
しかし、だからこそ独自性が生まれるし、オリジナルなやり方や自分なりの工夫を生み出す喜びがあり、その喜びに身をひたすことができれば「考えること」への苦手意識も弱まっていくだろう。


p133
「この方法1つですべてうまくいく」と教えられたら確かに楽だし、買う理由にもなりやすい。
自分に合ったやり方を探してあれこれ試行錯誤し、失敗したり遠回りをしたりしなくて済む。
効率良く「正解」に辿り着けるのだ。
だから人は「1つの解決法」に惹かれるのかもしれない。

だが、不便益を研究している私に言わせれば、そんな便利は許されない。
一足飛びの解決は、プラスばかりではない。
試すほうの「試行」も、考えるほうの「思考」も不要になってしまう。そこから生まれる「ユニークさ」や「あなたらしさ」は獲得できないだろう。
実感や達成感も生まれない。
要は「飛躍」がないのだ。


p135
「自分だけのユニーク」こそが、これからの社会を生き抜く「自分だけの強み」になるのではないだろうか。
「深く考えること」で自ずと得られる益の一つが、プロセスを味わうこと、すなわち経験をすることである。


p148
・3つの「見る」でプロセスの質を考える。
1.「現在地」を見る。
「悩む」とは「思考のプロセス」を辿ったことを示すのに他ならない。
「今何をしていて、次は何をするか、今わからないことは何か」を明らかにして自分の現在地を明確にすること。

2.「プチゴール」を見る。
自分で自分のプチゴールを設定し、自分の本気度や習熟具合をチェックしよう!

3.やりたくてやっているのか、「実感」を見る。
自己感覚レベルでOKなので、一生懸命なのか否かをチェックすること。
プロセスの質が高いものかどうかは、自分で簡単にわかる!


p153
・マイクロスリップ
発達心理の研究分野では、「しまった」と言うほどでもない小さなスリップ(失敗)を「マイクロスリップ」といい、人間の成長に非常に大切なものだという。
失敗せずに毎回同じタスクを同じ行動でこなしていると、人は成長せず、新しいことが見つからない。
マイクロスリップをきっかけに新たな発見をし、成果を果たす。
そのプロセスこそ、あなたの経験と実感の痕跡なのである。


p193
深く考えるとは、思考の海には底がないからできることだ。
すぐに底に足がつく「思考のプール」では、深い思考はできない。
果てのない思考の海に深く潜り、「深く考える」ことを体得して新しい発見をしよう。


p198
「これで解決!」という便利さが思考を奪う。
たった一つの方法でなんでも解決するなど、不便益学からすればそんな便利は許されない。
たった一つの解決法だと思考停止に陥るため、分野を問わず科学者と呼ばれる人は「100%」というワードにはとても慎重である。

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Posted by ブクログ 2018年10月15日

物事の本質を見極めるために、どんなプロセスを踏むべきかを記した本。
アイデアを生み出すには、足し算ではなく引き算していくと本質が見えてくる、という考えは納得。
この時代、科学的、効率的なことを求めがちだが、深く考えることも必要。
デジタルとアナログの融合を目指そう。

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Posted by ブクログ 2018年03月23日

即答こそ仕事ができる人、と思っていると思考力が身につかない。
鉛筆で書きながら考える。

ドラえもん、未来の宇宙船で引き算を電卓に任せていたため誰一人引き算ができず、のび太が引き算をして脱出できた話。考える力だけを重視するとこういうことになる。

素数物差し。

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Posted by ブクログ 2018年02月17日

「深く考える」とはどういうことか、単に「考える」のとは何が違うのか。なぜ「深く考える」必要があるのか。それ自体を「深く考える」ための本です。

「深く考える」ための手段として、昔ながらの「鉛筆」を勧めています。PC よりも、ボールペンよりも鉛筆。読み始めてからしばらくは、何だか胡散臭さみたいなものを...続きを読む感じますが(実際、途中にそう書かれているので、狙い通りみたい)、内容はしっかりしたものです。

「なぜ~なのか」と問いかけ、「それは~だからではないか」、「ならば~する必要があるのではないか」、「そのための手段として "鉛筆" が合っている」、という形式です。この構成自体、「深く考える」につながるものですね。

タイトルに「京大式」とあるし、なんだか難しそうですが、実際にはそうでもなくて、むしろ読みやすい本です。読みやすいが故に、深く考えずに読んでしまいそう。。

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