三木那由他のレビュー一覧

  • 言葉の風景、哲学のレンズ

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    哲学は結構好きだけど、時折痛いところを突かれることがある。
    日常的に言葉を扱っているくせに深く考えずに発言しているんだよな。
    『からかいの輪の中で』を読むと、嫌な気持ちと後ろめたい気持ちが同時に沸き上がる。
    何故あの子はあんな顔をしたのか。
    どの言葉に引っ掛かりを覚えたのか。
    答えを知る術は無いのに今でもモヤモヤすることは意外と多い。
    毎度の事ながら、こういうモノの見方があるんだなあと気づかせてくれる三木さんの著書は好き。

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    2024年02月17日
  • 言葉の風景、哲学のレンズ

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    初めてこの著者の本を読んだ。
    タイトルに魅かれて手にした。

    言葉のコミュニケーション、
    話し手の言葉は、その人そのものがどんな立場でどんな力があるかによって、聞き手の人に伝わり方が違うと思う。
    時には、話し手の真意が捻じ曲げて取られることも少なくない。
    とくにSNSの中では、いい事も悪い事、拡散される。

    コミュニケーションをとる前提に、話し手と聞き手の人間関係がどうなのか、重要に思う。

    著者がカミングアウトをして、家族や友人に受け入れられたことはとてもよかった。
    母親は、幼少期からきっと気づいているものだけど。
    世界中でたった一人でも味方がいれば、心強い。

    よく、色眼鏡で見る、というが

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    2024年01月07日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    ネタバレ

    コミュニケーションとは作中で言うバケツリレーのような形で
    情報を受け渡すものだと考えていましたが、
    共通の約束事を形成することだという見方は目から鱗でした。
    確かに会話というのはただの情報のやり取りではなく
    お互いに何かしら合意をすることなのだというような漠然とした
    思いもありましたのでそれをうまく言語化してくれたような気がします。

    具体的な作品の会話を分析してくれていますが
    登場人物の心情などは分かりにくいものもなく
    理解しているつもりだったところをちゃんと解説してくれることにより
    理論的な裏付けを得られたみたいな感じです。

    また、本の終盤ではマニピュレーションに関する話も出てきますが

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    2023年12月29日
  • 言葉の展望台

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    謝罪は決して何かの終わりや決着ではない。謝って解決するのではない。むしろ、謝罪は新しい始まり。 自分が後悔しているということをはっきりと相手とのあいだの約束事とし、その約束事に身を委ねて生きることを、謝罪は告げている。

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    2023年05月16日
  • 言葉の展望台

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    話し手の意図を伝えるとき、聞き手の意味へと改ざんされる。同じ言葉の地図を持っていない限り、会話は聞き手により変容する。
    日常でよくあることで相手が勘違いしているのをわかっているが面白おかしくなっているので、誤解を解くことは少ない。
    聞き手は会話を引き取るという責任を持つことで会話を言葉だけの意味ではなく、裏の意図も同時に受け取るのである

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    2023年02月07日
  • 言葉の展望台

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    普段何気なく使用している言葉やコミュニケーションを哲学する。
    これまで特に深い考えもなく会話していたつもりだった。
    でも実はそこに、無意識の意図や自身の属するコミュニティが透けて見えてしまうことがある。
    言葉は“その言葉以上のもの”を相手に伝えてしまう。
    だからこんなにも奥深くて興味深い。

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    2022年10月16日
  • 言葉の展望台

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    普段の言葉のやりとりは、単なるコミュニケーションの手段ではなく、人間関係を構築するための重要な土台。そしてそこには意識/無意識にかかわらず、さまざまな意味が込められている。その人が発した言葉から心理を推測するのは容易ではない。

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    2022年09月14日
  • 言葉の展望台

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    著者の日常から、そこで起きた疑問や喜怒哀楽を言語哲学を通して"気持ち"の謎を解明していく。
    哲学は難しそうと思いつつ理解のための道具(補助輪のイメージ)として使っていくエッセイ。
    もう「ただの言葉」とは言えない。

    「謝罪の懐疑論」が今の悩み(反省しているのかどうかわからない人を相手にする)を理解するのに役立った。

    言語哲学を通して見た日常の中にある疑問、言葉は「言っただけ」ではなく発話したこと自体にも意味がある。
    言霊(言うことにより願望として捉えられる)とかを連想するけれども、霊的なモノではなく哲学の視点で解説してくれて面白い。

    著者の疑問、自身の気持ちについて解き

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    2022年09月01日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    漫画や小説の会話を取り上げて解説しているのだが、LGBTの内容だったり殺人事件だったりなど、特殊ケースな会話すぎて現実味がない。
    第一章のコミュニケーションとマニピュレーションの違いは面白かった。コミュニケーションは約束事の構築、マニピュレーションは心理や行動の操作が目的。
    漫画の引用がかなり多いので目には優しい。

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    2025年11月24日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    文体や取り上げる題材が個人的に合わなかったので4章くらいまでで読むのをやめてしまいました。
    コミュニケーションは約束事の積み重ねという考え方を知ることができたのはよかった。

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    2025年08月23日
  • 言葉の道具箱

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    三木那由多の少し脱力した感じの哲学エッセイが好きで読み続けている。本作もそんな感じで期待を裏切らない。一方で強烈に考えさせられる程の抑揚もない。期待したものが、期待した通り提供される安心感とマンネリ感。

    恐らく、著者のポジションがハッキリしている事も関係していそうだ。トランスジェンダーというハッキリしていない印象ながら、しかし、ハッキリした立ち位置。それが際立つ個性となってしまう社会の不寛容、均質性ゆえか。

    そんな中で気になったのが、単数の「they」。heでもsheでもない、複数形ではなく単数のthey。ジェンダー中立的な仕方で特定の個人を指す用法は比較的最近のもので、2015年にアメリ

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    2025年06月30日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    本や漫画を紹介しながら、その会話のシーンを抜き取って「会話に潜む真意」「他者と形成していく文脈」に迫る本。その解説も興味深いが、何より書評本のような感じで登場してくる漫画や本にも興味が向く。藤子不二雄のウルトラスーパーデラックスマンが面白そうだなとか、ワンピースのこのシーンは懐かしいなとか。『同志少女よ、敵を撃て』も読まねば。

    会話における「マニピュレーション」。会話を通じてひとは誰かの心理や行動を操作しようとすることで、単なる「コミュニケーション」とは異なる概念として著者は紹介する。その譲り合いや探り合いでも会話は進行していく。

    〝誰かの心理操作“とは、自らや事象の印象操作と言っても良い

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    2025年05月18日
  • 言葉の風景、哲学のレンズ

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    同氏による著書『言葉の展望台』が面白かったので本書を手に取った。どちらも哲学エッセイで面白いのだが、本書ではややカミングアウト後のトランスジェンダーの生き辛さに触れる私的な内容が多かった気がする。

    哲学は視点を増やすと同氏はいう。ものの見方を多様化するには、いろんな角度から考える作業が役に立つのだろう。そうした「役に立つ」という利点に目を向ければ確かにそのような効用がある。私は、カントの永遠平和の思索が国連の理念に、マルクスの思想が社会主義国家を、ルソーの一般意思が共和制を、ジョンロックが議会制民主主義をという具合に、哲学が制度設計に繋がっている事例を考えると、個人的な利得の話に限定されない

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    2025年03月05日
  • 言葉の風景、哲学のレンズ

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    言語哲学の本だと思っていたので、どの話にもジェンダーがベースに出てきたことに単純に驚いた。本の紹介文や「はじめに」に、記載しておいていただけるとありがたい。
    哲学を実生活に落とし込むような試みが興味深い。失礼な言い方にはなるが、ごちゃついているような印象を受けるのも生活感があった。
    色々と思考している著者と比べるとカケラも考えていない自分がヒトとして同時に生きていること自体、面白いなあと思うような内容だった。

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    2024年12月30日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    様々な作品に登場する会話を哲学的に捉えるという、初心者にも分かりやすそうな内容で気になって読んでみた。
    会話には大きくコミュニケーションとマニピュレーションという働きがあると見ることができるそう。
    コミュニケーションは言語化されたやりとりを通じて互いの間に約束事を形成すること。
    マニピュレーションは言語化(約束事を形成)せずに相手に何かしらの影響を与えること。
    様々な作品に登場する会話を具体例に、この観点で考察を深めていく。
    分かりやすいとは思いつつ、当たり前のことでもあるように感じで、それなのにわざわざなんでこんな風に会話を捉え考えようとしてるのか、途中まではその意図を汲みきれずにいた。

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    2024年10月29日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    Audibleにて 。
     面接をこういった2つの側面から見たことはなかったので、なかなか斬新であった。

     比喩には、考えを促すというブースターとしての機能もあるのだな。マニピュレーションという視点で見ることで、自分の発話パターン、その意図がよく理解できた。

     ある記者会見を見て…
     言った言わないではなく、そのような発言(問いかけだったとしても)の裏にどういうマインドセットがあるかを問題にすべきというのは重要なポイントだ。
     また、李下に冠を正さず…紛らわしい発言をしないことも重要だろう。

     自分の発言がどこから生まれ、そして受け取られ方を含め、どのような影響を及ぼすか、こういった幅のあ

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    2024年05月02日
  • 会話を哲学する~コミュニケーションとマニピュレーション~

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    会話にはコミュニケーションの他に
    マニピュレーションというものが
    隠れているということを学んだ。
    たしかに、言葉の裏に秘めた裏
    メッセージみたいなものあるもんなー。
    聞き手としては、裏メッセージを
    探ろうとするときもあったりして。

    なるほどなぁ。

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    2023年11月27日
  • 言葉の展望台

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    昔、男社会の風潮がまだ残る会社で、会議中こんな話をされたことがある。
    「これ専務に話通すのムズイなー。〇〇(昔うちの部署にいた女性)がプレゼンすると、専務のOK大体貰えたからな。〇〇(部署で唯一女の私)がいってみない?」
    と、加わってもないプロジェクトの話をふられた。
    彼らからしても勿論それは冗談で、本当にプレゼン頼まれた訳じゃなかった。
    なんだけど、不愉快だったなあ。そういうことを言ってしまえる無神経さに、無神経でいることが許容されてる組織の鈍感さに、不愉快だったなあ。
    その女性が専務に話を通せたのは、彼女が優秀だったからじゃないのか?"女だから"通ったと思ってるのなら、

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    2023年05月27日
  • 言葉の展望台

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    コミュニケーションである言葉や会話を哲学者が哲学の面から分析している書籍。哲学を用いた内容になると、言葉遊びのように思えてしまう。色々と分析、説明しているがそもそも用いられている単語もよくわからず、それを駆使して記されているので益々わからないといった感じ。

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    2022年11月04日
  • 言葉の展望台

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    筆者はエッセイのような物と言ってるが、いやいやしっかり哲学です。
    言葉の厳密なる意味、特にコミュニケーションのあり方を突き詰めて考察している。

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    2022年11月02日