三木那由他のレビュー一覧
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会話をコミュニケーション(約束事の成立)とマニュピレーション(聞き手の思考を操作)に分けて、その構造を探求している。
フィクションを題材でたとっつきやすい反面、マイノリティや差別に対する会話の危うさというところに論を進めており我身のことと鑑みて考えさせられる深さもある。アガサクリスティの章は作品未読のためネタバレ回避のため読み飛ばし。ここで手をとめて作品を読んでから戻ってきてなんてそんな殺生なー。
会話を単に情報交換や双方のキャッチボールとかいう捉え方は昔からあったけど、約束事というキー概念を軸に単に情報のやり取りでは収まらない会話の奥深さを知らしめてくれています。
自分では納得できていな -
Posted by ブクログ
会話の哲学?と思い読んでみました。会話は物理学では音の伝播ですし、発話に関して言えば医学的にも肺からの呼吸が整体を振るわし咽頭・鼻腔口腔で共鳴し口唇で調音し表出されると言えるかもしれません。では哲学の面からとは?
読んで面白かった。言語学にも似た観点があるので読みやすかった。サルプルがみんな知ってるマンガが多く、とっつきやすかったです。
私が一番ハッとしたのは言語的暴力の話です。暴言やモラハラとは違う、言葉の暴力的側面にハッとしました。なんとなく気がついているものの、言語的暴力と言われて、ストンと腹に落ちました。読んでとても良かったです。 -
Posted by ブクログ
初めてこの著者の本を読んだ。
タイトルに魅かれて手にした。
言葉のコミュニケーション、
話し手の言葉は、その人そのものがどんな立場でどんな力があるかによって、聞き手の人に伝わり方が違うと思う。
時には、話し手の真意が捻じ曲げて取られることも少なくない。
とくにSNSの中では、いい事も悪い事、拡散される。
コミュニケーションをとる前提に、話し手と聞き手の人間関係がどうなのか、重要に思う。
著者がカミングアウトをして、家族や友人に受け入れられたことはとてもよかった。
母親は、幼少期からきっと気づいているものだけど。
世界中でたった一人でも味方がいれば、心強い。
よく、色眼鏡で見る、というが -
Posted by ブクログ
先に読んだ本とジャンルが似ていたのか、「マンスプレイニング」をインプットした。
なんとなく、痒い。
レディがファーストされることとの違いを考えてしまう。痒い。
「セクシュアル・ハラスメント」の話題では「ともかくまずは言葉をつくり、たとえそれが広い社会での蓄積に含められずとも、せめてその言葉を必要とする者たちのあいだで共有される、ということが重要なのかもしれない」
しかし、一方で「松岡さんは、『アウティング』という言葉の意味がそれと同様の仕方で変質し、それによってその言葉に込められているはずのマイノリティの経験がその言葉によって表せなくなってしまうことを危惧していたのだろう」ともある。
言 -
Posted by ブクログ
著者の日常から、そこで起きた疑問や喜怒哀楽を言語哲学を通して"気持ち"の謎を解明していく。
哲学は難しそうと思いつつ理解のための道具(補助輪のイメージ)として使っていくエッセイ。
もう「ただの言葉」とは言えない。
「謝罪の懐疑論」が今の悩み(反省しているのかどうかわからない人を相手にする)を理解するのに役立った。
言語哲学を通して見た日常の中にある疑問、言葉は「言っただけ」ではなく発話したこと自体にも意味がある。
言霊(言うことにより願望として捉えられる)とかを連想するけれども、霊的なモノではなく哲学の視点で解説してくれて面白い。
著者の疑問、自身の気持ちについて解き -
Posted by ブクログ
様々な作品に登場する会話を哲学的に捉えるという、初心者にも分かりやすそうな内容で気になって読んでみた。
会話には大きくコミュニケーションとマニピュレーションという働きがあると見ることができるそう。
コミュニケーションは言語化されたやりとりを通じて互いの間に約束事を形成すること。
マニピュレーションは言語化(約束事を形成)せずに相手に何かしらの影響を与えること。
様々な作品に登場する会話を具体例に、この観点で考察を深めていく。
分かりやすいとは思いつつ、当たり前のことでもあるように感じで、それなのにわざわざなんでこんな風に会話を捉え考えようとしてるのか、途中まではその意図を汲みきれずにいた。
読