【感想・ネタバレ】言葉の展望台のレビュー

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Posted by ブクログ

エッセイから分析哲学への接続がきれいでとても読みやすい 筆者の個人的な話を交えながら、するりとコミュニケーション論について考えを巡らすことが出来てよい

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2024年04月12日

Posted by ブクログ

三木那由多さんのエッセイ集。
購入してから大事に少しずつ大事に読み進めて、今日読み終わりました。
後書にもある通り書いている最中に当初は予定していなかったカムアウトのお話もあり、「実は歴史的な一冊なのではないのか!」とか勝手に興奮しながら読んでたりしてました笑
言葉に対する感性と言うか捉え方も矢張りプロ。一読しただけでは理解出来ず何度か戻って読み返したりネットで調べたり。
素の自分から出てくる様々な思い。考えながらいつの間にか哲学の話になっている。
きっと本当に好きでらっしゃるのですね。

最後に載っている文献も有り難い。
今後気になるもの…ポール・グライスさんの本とか読んでみたいと思います。

素敵な本をありがとうございます。

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

著者の生活と哲学的思考の交わりがバランスよく書かれていて、コミュニケーションの哲学を親近感を持って楽しむことができた。

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2023年05月17日

Posted by ブクログ

面白かった!
『会話を哲学する』では、漫画や小説から会話が引用されていて、それらの言葉は作品の読者に分からせようという意図が強く働いているから、面白い話ではあるけど自然な会話の例ではないじゃん……という違和感をもっていた。
でもこの本を読んで、三木さんは言語哲学が扱ってきた会話に潜む強さや揺らぎなさをとっくに自覚していたことを知った。なんだか安心した。というか、流石すぎる。

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2023年02月18日

Posted by ブクログ

エッセイとしては難しい部分もあったが、とても興味深かった。コミュニケーションは本当に多様なもので、哲学ではカバーしきれない部分もあることがよくわかった。

そのカバーしきれない絡まった部分を、三木さんは丁寧に解きほぐして考えている。コミュニケーションにおいて、心的な関わりを占める割合は高い。なのに、コミュニケーションだけでは人の本心はわからないことが多い。少しでも考えてコミュニケーションをとっていこうと思う本だった。

また、自分もセクシャルマイノリティの当事者なので、気持ちの部分で語られる「哲学と私のあいだで」「『私』のいない言葉」はとても実感を感じながら読んだ。少しでも、(性に関することに限らず)多くのマイノリティが過ごしやすい社会になればと思う。

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2023年01月05日

Posted by ブクログ

地球っこさんのレビューを見せていただき、是非読んでみたいと思った一冊。

すごい。。。
言葉、会話を分析・哲学するって。
こんな分野があるなんて、考えたこともなかった。
最初は頭をフル回転させながら、なんとか食いついていくかんじだったのが、カムアウトされたところぐらいから、すごく作者の意図することが理解出来るようになった。
そもそも一般向けに分りやすくエッセイと解説の間ぐらい というのがコンセプト。
しかし この人たちの頭の中はどうなっているのだろう。
会話を哲学するって・・・

次に読もうと思っている「会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション 」は準備済み。
次も楽しみです。。

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2022年08月30日

Posted by ブクログ

言語哲学に興味が湧いてくる本
コミュニケーションそのものを考えられる本

日々の何気ないコミュニケーションをする中で、コミュニケーションとはいったい何かというもの考えさせられる。コミュニケーションはただの記号の情報交換ではないということはなんとなく同意してきたが、おそらく私はそれが一体何なのかということについて理解していない。私は言語学(英語学)ついてはある程度学んできた自負はあるが、それは主にある言語の特有の表現方法に関わるものがほとんどであり、文字からどのように理解できるかがメインであった。そのため、この本で紹介されている話し手にとっての意味とは何か、聞き手にとっての意味とは何かといった、言葉として必ずしも現れないものについて深く考察しないと解決しない事象についてはさして考えてはこなかった。
身近な例から哲学の知見を援用して本質に迫っていく構成になっており、スリリングであった。ときに話の展開についていけなくなることもあるが、それもそれでおもしろいと思える本であった。

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2022年08月10日

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謝罪は決して何かの終わりや決着ではない。謝って解決するのではない。むしろ、謝罪は新しい始まり。 自分が後悔しているということをはっきりと相手とのあいだの約束事とし、その約束事に身を委ねて生きることを、謝罪は告げている。

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2023年05月16日

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話し手の意図を伝えるとき、聞き手の意味へと改ざんされる。同じ言葉の地図を持っていない限り、会話は聞き手により変容する。
日常でよくあることで相手が勘違いしているのをわかっているが面白おかしくなっているので、誤解を解くことは少ない。
聞き手は会話を引き取るという責任を持つことで会話を言葉だけの意味ではなく、裏の意図も同時に受け取るのである

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2023年02月07日

Posted by ブクログ

普段何気なく使用している言葉やコミュニケーションを哲学する。
これまで特に深い考えもなく会話していたつもりだった。
でも実はそこに、無意識の意図や自身の属するコミュニティが透けて見えてしまうことがある。
言葉は“その言葉以上のもの”を相手に伝えてしまう。
だからこんなにも奥深くて興味深い。

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2022年10月16日

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普段の言葉のやりとりは、単なるコミュニケーションの手段ではなく、人間関係を構築するための重要な土台。そしてそこには意識/無意識にかかわらず、さまざまな意味が込められている。その人が発した言葉から心理を推測するのは容易ではない。

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2022年09月14日

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著者の日常から、そこで起きた疑問や喜怒哀楽を言語哲学を通して"気持ち"の謎を解明していく。
哲学は難しそうと思いつつ理解のための道具(補助輪のイメージ)として使っていくエッセイ。
もう「ただの言葉」とは言えない。

「謝罪の懐疑論」が今の悩み(反省しているのかどうかわからない人を相手にする)を理解するのに役立った。

言語哲学を通して見た日常の中にある疑問、言葉は「言っただけ」ではなく発話したこと自体にも意味がある。
言霊(言うことにより願望として捉えられる)とかを連想するけれども、霊的なモノではなく哲学の視点で解説してくれて面白い。

著者の疑問、自身の気持ちについて解き明かそうとする。日々、思い出せないくらい流してしまっている疑問に対して向き合える気持ちになる。
参考となった本も読みたい、もうちょっと知りたくなる本。

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2022年09月01日

Posted by ブクログ

昔、男社会の風潮がまだ残る会社で、会議中こんな話をされたことがある。
「これ専務に話通すのムズイなー。〇〇(昔うちの部署にいた女性)がプレゼンすると、専務のOK大体貰えたからな。〇〇(部署で唯一女の私)がいってみない?」
と、加わってもないプロジェクトの話をふられた。
彼らからしても勿論それは冗談で、本当にプレゼン頼まれた訳じゃなかった。
なんだけど、不愉快だったなあ。そういうことを言ってしまえる無神経さに、無神経でいることが許容されてる組織の鈍感さに、不愉快だったなあ。
その女性が専務に話を通せたのは、彼女が優秀だったからじゃないのか?"女だから"通ったと思ってるのなら、その女性にとても失礼だなと思ってムカついた。

そんなことを、この本を読みながら思い出していた。
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「セクシュアル・ハラスメント」という言葉がなく、それゆえ「その行為はセクシュアル・ハラスメントだからやめてほしい」とは語れないが、代わりに同じことを「その行為は不愉快だからやめてほしい」と語ることで伝えようとしたとしよう。このとき、「不愉快」という言葉を選んではいても、そのひとが本当に言いたいのは自身の心理に関することではなく、むしろ社会的な不正に関わる振る舞いが生じているということである。だがたとえそのひとがそうしたことを意図して発言をしていたとしても、この発言が単なる心情の表明と理解され、しかもその理解が発言のなされた場で共有され、そのひとは単に自分の心理に関する何事かを言っていたひととしてそれ以降扱われるということは、容易に起こりうる。そうした場でたとえ「単なる心情の問題ではない」と訴えたとしても、「ヒステリック」で「感情的」で「不合理」な者として片付けられるのが落ちだろう。
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そういえば、そんなことを考えていたな。
この組織を変えるには、今の発言が無神経だということを皆が認識しなきゃいけない。その為には私が声をあげればいい。簡単なはずのこと。
でも、相手が無神経なだけじゃなく思慮もないのなら、声をあげたところで「フェミニスト」とか「面倒くさい女」とか思われてもっと生きにくくなるんじゃないかって思った。私は彼らのことを、どれくらいその点について感受性豊かか分からなかった。だから未だに言ってない。
ただ、言っていないから、それはその組織では未だ許容範囲のものとして許されてるんだ、と思う。
私は別の、そんな言動が許容されない、豊かな組織を知っているので、そんな井の中の蛙状態の人たちのことをどう思えばいいのか、未だ分からないでいる。

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2023年05月27日

Posted by ブクログ

コミュニケーションである言葉や会話を哲学者が哲学の面から分析している書籍。哲学を用いた内容になると、言葉遊びのように思えてしまう。色々と分析、説明しているがそもそも用いられている単語もよくわからず、それを駆使して記されているので益々わからないといった感じ。

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2022年11月04日

Posted by ブクログ

筆者はエッセイのような物と言ってるが、いやいやしっかり哲学です。
言葉の厳密なる意味、特にコミュニケーションのあり方を突き詰めて考察している。

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2022年11月02日

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