村上雅郁のレビュー一覧

  • りぼんちゃん

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    知識は暗闇を照らす光

    6年生の朱理の大切な友達は、転校してきた理緒だ。ある日、理緒が父親の心理的虐待に悩んでいることを知った朱理は、大人たちに助けを求めようとするが……。知ること、おこること、たたかうこと、そして言葉の大切さを描いたお話。

    「どうせわかってもらえない、じゃダメなんだ。
     わたしはわかってもらわなきゃいけない。」

    子どもに読ませるには重たすぎるかもしれないと躊躇する気持ちが芽生え、容易に勧められないが、虐待などに直面している子やその友達のリアルはこの物語に描かれているとおりなのかもしれない。

    子どもの言葉に心と耳を傾けようとしない大人に、なんとかして気持ちを伝えようとする

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    2022年11月25日
  • りぼんちゃん

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    胸がぎゅうぎゅうと苦しくなって読んでいる間に何度も泣いたけど、朱理の掲げた祈りがきちんと周りの大人にも助けたかった『りぼんちゃん』本人にも届いてよかった。
    どうせ誰にも分かってもらえない、誰にも助けてもらえないとすべてを投げ出したくなることは大人になった私にでも日々色んな場面で起こるし、
    それを『自分はまだ子どもだから何もできない』『子どもたの話なんかだれも信じてくれない』と、行動するたびに打ちのめされてしまう朱理の悔しさや虚しさはどれほどのものだったか。それでも最後まで大切なひとと、大切なものを手放さなかった彼女の強さが燃える松明のように、灯台の明かりのように美しく頼もしい。

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    2022年09月22日
  • りぼんちゃん

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    ジャンルは児童文学だけど、読みごたえがありました。力がない小さな女の子が考え、あきらめずに行動する。

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    2022年04月26日
  • りぼんちゃん

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    かわいい表紙とタイトル、序盤のあかずきんちゃんとおばあちゃんの話などからは想像できない内容。
    読み進むにつれてどんどんリアルな苦しい方向へ行くのでびっくりしたけど、一気に読んでしまった。
    小学校高学年から中学生に読んでほしい本。

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    2021年08月24日
  • ショコラ・アソート あの子からの贈りもの

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    これまでの5作のサブキャラを主人公にしたスピンオフ。

    作者のあとがきもあります。

    個人的には『キャンドル』が好きで、そのスピンオフ「ラピスラズリの初恋」もよかったです。

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    2025年08月14日
  • かなたのif

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    相変わらずやさしい文。

    この年になってもまだ本当に大切な人を亡くしたことがないので、簡単には気持ちを理解できるとは言えないけれど、誰かを亡くしたとき、その人のことを思い出したり、思い出を語り合える人がいるのは大切なことだと感じました。

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    2025年08月12日
  • りぼんちゃん

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    小学6年生の朱理と転校生の理緒の友情と理緒の抱える虐待。それを挿話として赤ずきんちゃんとリボンちゃんの物語で描いている。朱理の心の中で生きるおばあちゃんの存在に癒されました。

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    2025年05月17日
  • ショコラ・アソート あの子からの贈りもの

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    『あの子の秘密』『キャンドル』『りぼんちゃん』『きみの話を聞かせてくれよ』『かなたのif』のスピンオフ短編集。(『かなたのif』のみ未読)『りぼんちゃん』が好きだったので、「あかずきんちゃんをさがして」が特によかった。城所潤さん(装丁)×牧野千穂さん(装画)のカバーも素敵。

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    2025年04月15日
  • ショコラ・アソート あの子からの贈りもの

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    作者の過去作のサブキャラクター5人を主人公にした5つの物語。チョコレートがモチーフになっている。物語はそれぞれ楽しめたが、元の作品を読んでいないものが多かったので、元作を読んでみたいと思った。できれば元の作品を読んでから読む方が楽しめると思う。

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    2025年02月24日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    みずみずしい思春期の心の機微を描いた短編集。黒野くんが言うように人間は面白い。色々な感情に振り回されて縛られて。それでも誰かに話を聞いてもらえたらきっと楽になることもある。クロがそうだったように…

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    2025年02月05日
  • かなたのif

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    ネタバレ

    続編を先に読んだから私はカナタの方が死んでると思っていたけど、ココも死んでいて…!?え、何これどういうこと!!?確かにカナタとココの出会いはおかしかったな…とぐいぐい読み進めた。生きる世界が違ってもそれを超越するぐらい大好きな人に出会えたことはなんと幸せなことだろう。人はやはり1人では生きていけないね。

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    2025年01月26日
  • ショコラ・アソート あの子からの贈りもの

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    今までの物語のサブキャラたちを
    主人公にしたスピンオフ短編集
    あまり話を覚えてなくても読めた

    どのお話にも黒猫が登場

    それぞれの特別があって、それぞれ意中の人がいて、それぞれの「すき」がある
    バレンタインデーにチョコを渡すドキドキ感を
    味わえました

    バレンタインデー/チョコレート

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    2025年01月26日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    図書室から借りた。中3の冬休み中に。

    人と関わることって、いいなと改めて感じた。

    特に、最初好き。

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    2024年12月29日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    思春期の揺れる気持ちを繊細に描いている。入試で扱われるのもなるほどの良品(複雑な感情の話など聞いていられないような子には把握は難しかろうね)。群像劇。みんな色々ありつつ、ドラマチックなことは起こらないけど、いずれ卒業。中学は短くて慌ただしいね。

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    2024年06月23日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    新船中学校を舞台とした連作短編で、大袈裟な話はなく、だからこそ読む人が登場人物の誰かに共感できるような内容だと思います。
    「自分もこんな事に傷ついた」
    「自分もこんな事で傷つけたかも」
    と懐かしんだり反省したりしながら読みました。

    「タルトタタンの作り方」で
    「ぼくらは自分のままでいたいだけ。そうあるように、ありたいだけ。
    それを、関係のないだれかに、勝手なこと、言われたくなかった」
    という言葉を、ヒリヒリするような中学時代を送っているみんなに送りたいです。

    カシワイさんの繊細で軽やかな絵も作品に合っていて感情移入しやすかったです。

    この作品が好きな人には村上さんの「キャンドル」もとても

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    2024年06月14日
  • かなたのif

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    ネタバレ

    二つの世界に生きる香奈多(かなた)と瑚子(ここ)。
    香奈多が語るパートと、瑚子が語るパートが交互に出てきて物語が進んでいくが、どこかちぐはぐな印象を受ける。
    展開するごとに、その謎が判明していくのだが、過去の話の伏線回収と、これからの二人の未来の話のどちらもが温かくてホッとした。
    かなしいことがあっても、かなしいだけで終わらせない。そんな決意が二人の中に共通している。
    それは香奈多のお母さんの言葉でもある。
    「かなしいのは、いっしょにいられたことが幸せだったからなんだって。だからさだからさ、そのかなしいのは、パパが最後にくれたプレゼントなの。すっごく大切にしないといけないものなんだって。」

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    2024年06月14日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    ネタバレ

    とある中学校を舞台とした連作短編集

    「話を聞いたり」「話をしたり」することで
    気持ちの変化があったり
    様々な人と人との繋がりあいで
    学校生活が少し変わったり

    でもちょっと伏線回収的にはモヤモヤ

    保健室の先生やキーとなる人物がいるものの
    それがスッキリと明かされるわけではないので
    それを求んでしまうと肩透かしかも

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    2024年04月03日
  • きみの話を聞かせてくれよ

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    人と話すのがこわくなる。
    なにをはなしたら、その人の気分を害してしまうのか、迂闊に口をひらけないなとおもってしまった。
    最後はふっと救われるんだけど、読んでいる間ずっと、がんじがらめにされているようで。

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    2024年03月18日