【感想・ネタバレ】かなたのifのレビュー

あらすじ

友だちのいない香奈多と、友だちをなくした瑚子。中1の夏、ふたりは、秘密の場所で出会った。
瑚子がつむぐ夢渡りの黒いネコ、ドコカのお話。眠りの中で、いろいろな世界をおとずれるドコカは夢渡りのネコ。願いがかなう「虹のしずく」を探して、ひとりぼっちの誰かの前に現れる——香奈多はその物語を聞くなかで瑚子を知り、大切な友だちだと思うようになる。瑚子もまた香奈多と物語を分かち合う喜びを感じた。ある日、香奈多は信じがたい事実を同級生から突きつけられる。悩んだ末に、瑚子に会って自分の気持ちを伝えようとするが……。
物語をなぞるように重ねた「もしも」のはてで、ふたりが見つけた宝物とは――。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

第1回未来屋アオハル文学賞、大賞受賞おめでとうございます!
仕事柄、こういった賞の作品はちゃんと読まないとね。と、芥川賞直木賞がなかったおかげで謎の余裕が生まれている(積んでる本は多いくせにね!)。

本作はif(イフ)がキーワード。いくつもの意味が込められたタイトルになっていた。
主人公はカナタとココの二人で、それぞれが交互に語り手となる構成。最初の方からあれ?これは?と気になる矛盾が出てきて引き込まれる。
読書慣れしていない人でも、それぞれの語りが短くまとめられているので読みやすいと思う。何も考えずに読んでいると、中盤でびっくりするかも。そんな構成のうまさがあった。

読後感もすごくよくて、希望を持てる。とてもいい作品だった。10代に読んで欲しいというのもわかる。
未来屋書店さんは近所にあるからよく使わせてもらっているけれど、こういう新しい取り組みをたくさん考えて、頑張ってるなぁと思う。大賞作品がもう一つあるのでそちらも読む。とても楽しみだ。

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2025年07月30日

Posted by ブクログ

希望があっていいお話。
いなくなってかなしいと感じるのは、一緒にいられたことが幸せだったから。だからそのかなしいのはその人が最後にくれたプレゼント、大切にしないといけないもの。
この考え方はずっと私のなかに残ると思う。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

相変わらずやさしい文。

この年になってもまだ本当に大切な人を亡くしたことがないので、簡単には気持ちを理解できるとは言えないけれど、誰かを亡くしたとき、その人のことを思い出したり、思い出を語り合える人がいるのは大切なことだと感じました。

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2025年08月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

続編を先に読んだから私はカナタの方が死んでると思っていたけど、ココも死んでいて…!?え、何これどういうこと!!?確かにカナタとココの出会いはおかしかったな…とぐいぐい読み進めた。生きる世界が違ってもそれを超越するぐらい大好きな人に出会えたことはなんと幸せなことだろう。人はやはり1人では生きていけないね。

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2025年01月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

二つの世界に生きる香奈多(かなた)と瑚子(ここ)。
香奈多が語るパートと、瑚子が語るパートが交互に出てきて物語が進んでいくが、どこかちぐはぐな印象を受ける。
展開するごとに、その謎が判明していくのだが、過去の話の伏線回収と、これからの二人の未来の話のどちらもが温かくてホッとした。
かなしいことがあっても、かなしいだけで終わらせない。そんな決意が二人の中に共通している。
それは香奈多のお母さんの言葉でもある。
「かなしいのは、いっしょにいられたことが幸せだったからなんだって。だからさだからさ、そのかなしいのは、パパが最後にくれたプレゼントなの。すっごく大切にしないといけないものなんだって。」

そして互いの世界に生き続ける二人を繋げたのは一見、意地悪に見える佑実で。
「この世に友だちは一人もいない」と信じきっていた二人が、実は色んな人に見守られているという事実は、とても優しく、勇気づけられる。

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2024年06月14日

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