村上雅郁のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本当は2ヶ月以上前に読み終わったのに、なかなか感想が書けませんでした。それは、りぼんちゃん(理緒)のように、私もかつてオオカミと一緒に暮らしていたからです。私の場合は母親がオオカミでした。当時の私にも朱理のような友達がいてくれたらどんなによかったかとボロボロ泣きながら読んだので机にティッシュの山ができました。それでもこの物語で朱理が理緒を救おうと奮闘したことで、当時の私も救われたような気がします。物語の終盤では現実の行政や法制度にも触れられているので、単なるフィクションに留まらず、もし身近に理緒のような子がいたらどうしたらいいか?という視点を持つことができるように思います。
この物語は、子どもが通う中学受験塾の国語の教材に使われていたことで知りました。塾から帰った子どもが「虐待を受けてる子とその友達の話が出たんだけど、続きが気になるからこの本を読みたい」と。そんな話が読解の問題で出題されるの?という驚きもありましたが、もしかしたら、身近にこんな子がいるんじゃないかとか虐待について子どもたちに考えて欲しくて出題した可能性もあるのかなと思いました。真相は分からないですけど。
当時の私は母親が激昂すると殴られビンタされ「お前が悪いんだ」「お前の根性を叩き直すためだ」と怒鳴られていました。日常的に嫌味や人格否定もあり「成績優秀で良い子でいなければ認めてもらえない」気持ちと「私はそれ以外に存在価値がない」気持ちで押しつぶされそうでした。理緒の場合は精神的虐待だと思いますが、どんな形であれ、虐待が子どもの人格やその後の人生に影を落とすことはもっと知られて欲しいと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ背が小さく、家族からもクラスメイトからも相手にしてもらえない“あかずきんちゃん“こと朱理と、親に精神的虐待を受けている“りぼんちゃん“こと理緒の、救済の物語に胸が打たれた。
朱理はみんなから相手にされず、そのなかで転校生の理緒だけは真っ直ぐ朱理と向き合ってくれた。そして朱理は理緒が父親から怒鳴られたり、バトミントンをすることを強要されたり、父の顔色を伺いながら生活していることを聞き、理緒を何とかして救えないかと孤軍奮闘する。
そのなかで朱理は、彼女の唯一の味方で今は亡きおばあちゃんが言っていた言葉と向き合っていくことにもなる。
『この世界には、オオカミがたくさんいるのよ』
『目に見えないオオカミはね、姿かたちを持たないの。(中略)するどいつめときばで胸を引きさいて、人間の心を食べてしまおうとする』
『あなたもだれかをオオカミから守るために、たたかわないといけなくなる日が、必ず来るのよ』
その言葉を胸に朱理は理緒を救うべく考えるものの、理緒の親の結婚記念日に事件は起こる。その日の夜に朱理のもとに、理緒からの切羽詰まった電話が届く。それはすすり泣き、今にも消えてしまいそうな理緒の声だった…
果たして朱理は理緒を救えるのかー。
そして朱理がオオカミと戦うために、どんな方法を考え抜いたのかー。
これらの真相にたどり着たとき、鳥肌が止まらない。
こんなにも子どもの偉大さ、そして虐待について考えたことはなかった。いち大人として、子どもを侮りすぎていたのかもしれず、とても恥ずかしい。
だから今からでも私は、朱理の声を聞き取れる大人になりたいし、理緒の辛さを少しでも拭ってあげられる大人でありたい。ありたいというより、ならなくちゃいけないと強く思う。
そんな人が1人でも多い社会になるように、本作をより多くの人に読んでもらいたいなぁ。
村上先生の贈る『祈りの物語』は、
私の胸にグサッと刺さって、
私の胸に一生抜けない道標を作ってくれた。
本当に偉大な作家さんだ
p.97.98 言葉(2.魔法使いとしての第一歩)
「言葉?」
「自分にしかとらえられない心を、目に見える〈文字〉や、耳に聞こえる〈声〉にして、相手に伝える力。そうやって、相手の心をふるわせ、ゆさぶり、動かす力。」
「言の葉の力だ」
p.143 勇気の歌(3.夜の森の奥で)
「♪なぐさめなんて言えない
「がんばれ」なんて言えない
走り続けるきみに
よりそえる言葉なんてない
思いやりとかいたわりとか
なんの役にも立ちはしない
傷つけ続けて生きるきみに
共感なんて侮辱とおなじ
ただ 祈るようにうたう
生きぬくための勇気の歌」
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だれかを好きになるっていいな…
こんなにも胸が辛いはずなのに、
それ以上の幸せをもたらしてくれる。
★好きな人に自分の親友のことを悪く言われ
傷つく瑠璃。その後彼女がとった行動はー。
「ラピスラズリの初恋」
★小学生のときからかっていた香奈多を亡くし、自分責める佑実。そんな彼女は恋に臆病になるがー。
「バカナタの言うとおり」
★ずっと一緒にいたはずなのに、
いつしか話せなくなってしまったあかずきんちゃんに秘めていた想いを伝えるためにー。
「あかずきんちゃんをさがして」
★好意はときに刃になる、
人を傷つけてしまうこともある。
どうやったら傷ついた兄を私は救えるのだろうかー。
「秘密のゆくえ」
★同性に思いを寄せる舞。
そんな彼女にくろノラがとった行動はー。
そして思いとはー。
「きみがくれた贈り物」
今回も村上先生からたくさんの贈り物をもらった。
本当に優しくて胸に染みるお話たちだったなぁ
また読みたい作品!!
p.44 行きやすい世の中に…(ラピスラズリの初恋)
「翔真がさ、もっともっと、笑って生きられるような世界に」
「あいつが、だれかの視線や言葉に、傷つけられないですむような、そんな世界。いろいろな「すき」という気持ちや、ありかたが、ちゃんと尊重されるような世界。」
「なにかをすきでいることは、人として生まれたからには、だれもが持っていてあたりまえの権利なんだ。それを、他人がいいとか悪いとか、決めつけていいものじゃない」
p.53 当たり前の幸せ(ラピスラズリの初恋)
「だれだって、そうだよ。大切でも、大切じゃなくても、だれかのすきな人でも、みんなにきらわれていても、理由なんかあってもなくても、関係ない。なにも特別な話じゃない。だれだってそのままで、かけがえのない人なんだよ」
「みんなみんな、その人のままで、あたりまえに幸せになるべきなんだよ。」
p.97 幸せ(バカナタの言うとおり)
「誰か、心のそこから大切だと思える存在と出会うことこそ、希望であり、よろこびであり、光であり…。
きっと人はそれを『幸せ』と呼ぶのだろう。」
p.144 伸ばせるときに…(あかずきんちゃんをさがして)
「いつまでもいっしょにいられるわけじゃない。手を伸ばせるなら、伸ばせるときにちゃんと伸ばせ」
p.189すきな人がいること(秘密のゆくえ)
「だれか、すきな人がいることは、ほんとうに幸せなことで、そして、だれか、自分のことをすきだって、大切だってそう思ってくれる人がいることも、おなじくらい、幸せなことなの」
「あなたが好きなひとは、あなたがいることで、きっとほんとうに幸せなんだと思う」
p.221 手をつなぐこと(秘密のゆくえ)
「ふみだすことをおそれずに、手を伸ばすことをあきらめずに。そうやって大切な人と手をつなぐことができたから、私はどこまでも歩いていける。手のひらのぬくもりが、胸のおくにともった熱が、ちゃんと私を導いてくれる。」
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黒野くん、いい味出してるなぁ…
中学生にしてここまで、自分を持っているのは
本当にすごいことだなぁ
そんな彼が周囲の人の話を聞いて
寄り添っていく心温まる作品だった。
特に好きな話はやっぱりepisode7の黒野が自分の想いを語るシーン。黒野の人となりに周囲の人はとても救われていると思うし、彼がそれを楽しんでやっていることに感服した。彼のように人生を楽しめたら、とても毎日が輝いているんだろうなぁ。
私も黒野のように、いつかだれかの話を聞いて
寄り添える、そんな人になりたい
p.49.50 努力の理由(episode1 シロクマを描いて)
「好きだから努力できるのか、努力できるから好きなのか……鶏が先か卵が先か、みたいな話だよな」
-「好きなものがない人は、得意なものがない人は、どうしたらいいんだろう……」
「べつになくてもいいと思うけど」
-「あたしは、ほしいよ。好きなもの。得意なもの」
「好きなものがほしい。得意なものがほしい。じゃあ、そのために努力すればいいだろ。ちゃんと、それは努力の理由になるよ」
p.100 弱虫な自分へ(episode2 タルトタタンの作り方)
「強くなりたい。ゆれないように。
自分が自分であるために、闘えるように。」
p.231 本当の強さ(episode5 ヘラクレイトスの川)
「無理に強くなろうとなんかしなくていい。きずついたことを、なかったことになんかしなくていい。苦しいなら、そうやって苦しいって言えよ。つらいって。こわいって。いやだって。しんどいって。たえられないって。」
「おれは、それを弱いなんて言わない!そうやって自分の痛みと向き合って闘ってきたおまえに、そんなことを言う資格はだれにもない!」
p.323 生き方の答え(episode7 くろノラの物語)
「ーどうしたらいいかなんて、答えはないよ。」
「ーそんなのおまえの自由で、おまえの勝手だよ。」
「ーほら、好きに生きろよ。」
p.324 いとおしい生き物(episode7 くろノラの物語)
「おもしろいんですよ。人間ほどおもしろいもの、ほかにないですよ。どいつもこいつもなんだかんだ、あれこれめんどうくさいものをいくつも抱えていて、それにしばられて動けなくなったり、逆にふりまわされて走りまわったり、している」
「でも、そういうのって、いとおしいじゃないですか。おれは、そういうやつらを見ると、なんだか、ちょっかいを出したくなっちゃうんですよ」
p.326.327 くろノラはさ…(episode7 くろノラの物語)
「約束とか。
そんなものにしばられたり、しないですよ。
だって、ネコだもん。
あいつはきっと、好きでいろいろな子と
関わっていたんですよ。
好きで、この学校に留まっていたんですよ。
だからさあ、先生。」
「くろノラはさ、三澄先生--あなたのことが好きで、いっしょにいたんですよ。」
p.328 くろノラとおなじように。(episode7 くろノラの物語)
「あなたも、好きでみんなと
いっしょにいるんでしょう?
好きで関わってきたんでしょう?
くろノラとおなじように。
だれかを助けてやろうとか思ってない-
あなたはそんなふうに言うけれど。
好きだから、私たちの話を、そうやってそばに来て、聞いてくれていたんでしょう?」
「そうですね……やっぱり、楽しいんですよ。
あいつらといっしょにいると」
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Posted by ブクログ
表紙の絵がかわいかったから、もっと楽しい話かと思ったら、つらい話でびっくりした。
理緒は、お父さんが虐待するのに、がんばっていたのが、大変だしかわいそうだと思った。お母さんのことをかばったのに責められて、ショックだったはず。周りから見たら、お母さんもお父さんに虐待されているからしかたないけど、かわいそうすぎる。元気になってうれしかった。
理緒を助けるのに一生懸命だった朱里は、赤ちゃんみたいで、話を聞いてもらえない子だった。だけど、がんばってみんなを味方にすることができた。がんばってた姿が、かっこよかった。
朱里は、物語に助けられてた。ぼくも、物語に助けられることがある。みんな本を読めばいいのにな。(小6)