【感想・ネタバレ】りぼんちゃんのレビュー

あらすじ

おとなになりたいと背伸びしている小6の朱理。転校生の理緒が抱える痛みを、暗闇を、知った朱理が、大切な友だちを守るためにできることとは? オオカミとのたたかいかたを描く問題作。

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Posted by ブクログ

本当は2ヶ月以上前に読み終わったのに、なかなか感想が書けませんでした。それは、りぼんちゃん(理緒)のように、私もかつてオオカミと一緒に暮らしていたからです。私の場合は母親がオオカミでした。当時の私にも朱理のような友達がいてくれたらどんなによかったかとボロボロ泣きながら読んだので机にティッシュの山ができました。それでもこの物語で朱理が理緒を救おうと奮闘したことで、当時の私も救われたような気がします。物語の終盤では現実の行政や法制度にも触れられているので、単なるフィクションに留まらず、もし身近に理緒のような子がいたらどうしたらいいか?という視点を持つことができるように思います。

この物語は、子どもが通う中学受験塾の国語の教材に使われていたことで知りました。塾から帰った子どもが「虐待を受けてる子とその友達の話が出たんだけど、続きが気になるからこの本を読みたい」と。そんな話が読解の問題で出題されるの?という驚きもありましたが、もしかしたら、身近にこんな子がいるんじゃないかとか虐待について子どもたちに考えて欲しくて出題した可能性もあるのかなと思いました。真相は分からないですけど。

当時の私は母親が激昂すると殴られビンタされ「お前が悪いんだ」「お前の根性を叩き直すためだ」と怒鳴られていました。日常的に嫌味や人格否定もあり「成績優秀で良い子でいなければ認めてもらえない」気持ちと「私はそれ以外に存在価値がない」気持ちで押しつぶされそうでした。理緒の場合は精神的虐待だと思いますが、どんな形であれ、虐待が子どもの人格やその後の人生に影を落とすことはもっと知られて欲しいと思います。

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2025年07月22日

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ネタバレ

背が小さく、家族からもクラスメイトからも相手にしてもらえない“あかずきんちゃん“こと朱理と、親に精神的虐待を受けている“りぼんちゃん“こと理緒の、救済の物語に胸が打たれた。

朱理はみんなから相手にされず、そのなかで転校生の理緒だけは真っ直ぐ朱理と向き合ってくれた。そして朱理は理緒が父親から怒鳴られたり、バトミントンをすることを強要されたり、父の顔色を伺いながら生活していることを聞き、理緒を何とかして救えないかと孤軍奮闘する。
そのなかで朱理は、彼女の唯一の味方で今は亡きおばあちゃんが言っていた言葉と向き合っていくことにもなる。

『この世界には、オオカミがたくさんいるのよ』
『目に見えないオオカミはね、姿かたちを持たないの。(中略)するどいつめときばで胸を引きさいて、人間の心を食べてしまおうとする』
『あなたもだれかをオオカミから守るために、たたかわないといけなくなる日が、必ず来るのよ』

その言葉を胸に朱理は理緒を救うべく考えるものの、理緒の親の結婚記念日に事件は起こる。その日の夜に朱理のもとに、理緒からの切羽詰まった電話が届く。それはすすり泣き、今にも消えてしまいそうな理緒の声だった…
果たして朱理は理緒を救えるのかー。
そして朱理がオオカミと戦うために、どんな方法を考え抜いたのかー。
これらの真相にたどり着たとき、鳥肌が止まらない。

こんなにも子どもの偉大さ、そして虐待について考えたことはなかった。いち大人として、子どもを侮りすぎていたのかもしれず、とても恥ずかしい。
だから今からでも私は、朱理の声を聞き取れる大人になりたいし、理緒の辛さを少しでも拭ってあげられる大人でありたい。ありたいというより、ならなくちゃいけないと強く思う。
そんな人が1人でも多い社会になるように、本作をより多くの人に読んでもらいたいなぁ。

村上先生の贈る『祈りの物語』は、
私の胸にグサッと刺さって、
私の胸に一生抜けない道標を作ってくれた。
本当に偉大な作家さんだ

p.97.98 言葉(2.魔法使いとしての第一歩)
「言葉?」
「自分にしかとらえられない心を、目に見える〈文字〉や、耳に聞こえる〈声〉にして、相手に伝える力。そうやって、相手の心をふるわせ、ゆさぶり、動かす力。」
「言の葉の力だ」

p.143 勇気の歌(3.夜の森の奥で)
「♪なぐさめなんて言えない
「がんばれ」なんて言えない
走り続けるきみに
よりそえる言葉なんてない
思いやりとかいたわりとか
なんの役にも立ちはしない
傷つけ続けて生きるきみに
共感なんて侮辱とおなじ
ただ 祈るようにうたう
生きぬくための勇気の歌」


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2025年03月10日

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ネタバレ

軽い話かと思っていたら・・・
見事に裏切られた。
でも、児童書だけあって全く児童虐待など縁のない子が読んでもショックを受けすぎない、で、解決するところがほっとする、
実際にはそんなハッピーな解決は少ないし、大人向けだと悲しい結末も多いのだけれど・・・
お話を書いている、そんな設定がいい。
オオカミにはちょっと申し訳ないけど、オオカミと表現される様々な悪いこと、わざわいや不幸、苦しみ、
子どもは「助けて!」って声を上げていいんだよ、大人は子どもの心を大事にできる大人でなくちゃ!

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2025年02月04日

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表紙をみると少女的なかわいい感じで、いかにも児童書という感じだが、内容は全く軽くない。
子どもも大人もみんなが読んでほしいと思えるような本です。
どのような内容かは、他の人たちの感想でわかると思いますが、オオカミという表現が秀逸だと思いました。少しでも関心があるなら本当に読んでほしい。

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2024年09月12日

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ネタバレ

中村理緒ちゃんが、お父さんに、心理的虐待をされていて、それを、助けてあげる朱莉は、ものすごく勇気があるなと思いました。もしも、友達がされてたら、絶対に見てみぬふりをしないで助けたいと思います。

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2024年06月04日

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表紙の絵がかわいかったから、もっと楽しい話かと思ったら、つらい話でびっくりした。
理緒は、お父さんが虐待するのに、がんばっていたのが、大変だしかわいそうだと思った。お母さんのことをかばったのに責められて、ショックだったはず。周りから見たら、お母さんもお父さんに虐待されているからしかたないけど、かわいそうすぎる。元気になってうれしかった。
理緒を助けるのに一生懸命だった朱里は、赤ちゃんみたいで、話を聞いてもらえない子だった。だけど、がんばってみんなを味方にすることができた。がんばってた姿が、かっこよかった。
朱里は、物語に助けられてた。ぼくも、物語に助けられることがある。みんな本を読めばいいのにな。(小6)

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2024年03月19日

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主人公のあかりが、自分の気持ちを少しずつ言葉にして、そして行動にうつしていける様が丁寧に描かれていて、とても心に響く一冊。
実際にあかりと同じ立場になったとき、自分はきちんと行動できるのかなと考えさせられた。
児童文学だけれども、大人も読んでもらいたい、考えさせられる作品。

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2023年07月30日

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ネタバレ

題名からは意外なほど、根が深い問題が書かれている。
理緒ちゃんのように、身体への暴力とは違うかたちで虐待されている場合のほか、実際に体罰を受けて命を落とした子供の報道も後を絶たない。
助けて、と声を上げられない子。
悪いのは自分だと思い込んでしまう子。
そしてその場にいるはずの、被害者でもあり加害者でもある別の大人の声が届けられる方法はないのだろうか。
朱理にとってのおばあちゃん、理緒にとっての朱理みたいな存在が、当たり前にあればいいのに。

VDやストーカーが、相手やその家族を殺してしまう事件を見るにつけ、人間の心の弱さや難しさを実感する。

暴力が虐待の連鎖であるなら、個人の問題ではなく、社会の問題として考えることが基本かもしれない。

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2022年03月15日

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村上雅郁さんの作品は、どれも私の心に響きます。

この作品も、主人公の想像の物語が挿入されていたりして、普通なら私は苦手な方ですが、主となるストーリーのおかげか今までの2作品と同じく一気に読みました。

これは児童書だけど、大人に読んでほしいと思います。

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2022年03月12日

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早川世詩男さんのかわいい表紙のイラスト、そして『りぼんちゃん』というかわいいタイトル。りぼんのかわいい女の子のお話と思っていたが裏切られた。良い意味で。少女たちの一人称がうち、というところにはひっかかりがあったが、(うちってそもそも関西の方言な気がするので)内容はすごく、社会派。背が低くて赤ちゃん扱いされる主人公の朱理と転校生理緒の友情の物語。朱理は物語を書いていて、自分を赤ずきんちゃん、理緒をりぼんちゃんとして登場させている。ある日、朱理が物語を書いていることを理緒に話したところ、理緒が「りぼんちゃんはオオカミと暮らしている」と言ったところで、りぼんちゃんこと理緒の抱える闇が少しずつ明らかになっていく……。子供は知らない間に大人になる。理緒の未来が明るいものであることを祈らずにいられない。

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2024年10月22日

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ネタバレ

可愛らしい表紙からは想像がつかない、
「わざわい」という「自分ではどうしようもできない悪いもの」をオオカミになぞらえて語られる物語。

終盤の怒涛の展開には涙が止まりませんでした。
いや、、すごかった。
すごくて言葉にならん。

前半の赤ちゃん扱いされる主人公のくだりが、
いやというほど効いてくるんですよ、、後半。
いやほんと、ものすごいです。

大人の不在が気になるお話が多いなか、
最終的にはきちんとまわりの大人が機能します。
はあ、安心。ほっとした。

現実もこうでありますように、
公的機関で公的な支援がうけられますように、
まわりの大人が、困っている誰かをきちんと助けてあげられますように、
という、作者の願いというか、強い思いをかんじました。

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2021年08月12日

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必死に生きようとしている子どもたちを喰い殺そうとするオオカミたち。しかし知識をつけて子どもたちは戦う。言葉の魔法で友人を助けた朱里はすごい。周りから赤ちゃんとバカにされ、話も聞いてもらえない、それでも友人の命を繋ぎ止めたのは朱里の魔法だった。魔法、なんて書くと安っぽく聞こえるけどまさに魔法の物語だった。題名からは予想もつかない展開でした。

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2025年01月14日

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大人の事情、それに対する子どもの気持ちが、わかる気がした。この本を読んだことがある子も考えさせられたと言っていたので、良い本だと思う。子どもの考えや気持ちをきちんと聞いて、具体的に対応できる大人になりたいと思った。

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2023年05月20日

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知識は暗闇を照らす光

6年生の朱理の大切な友達は、転校してきた理緒だ。ある日、理緒が父親の心理的虐待に悩んでいることを知った朱理は、大人たちに助けを求めようとするが……。知ること、おこること、たたかうこと、そして言葉の大切さを描いたお話。

「どうせわかってもらえない、じゃダメなんだ。
 わたしはわかってもらわなきゃいけない。」

子どもに読ませるには重たすぎるかもしれないと躊躇する気持ちが芽生え、容易に勧められないが、虐待などに直面している子やその友達のリアルはこの物語に描かれているとおりなのかもしれない。

子どもの言葉に心と耳を傾けようとしない大人に、なんとかして気持ちを伝えようとする朱理の姿が印象的だったし、大人の自分が読むと、子どもと丁寧に向き合うことの難しさや大切さが感じられた。

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2022年11月25日

Posted by ブクログ

胸がぎゅうぎゅうと苦しくなって読んでいる間に何度も泣いたけど、朱理の掲げた祈りがきちんと周りの大人にも助けたかった『りぼんちゃん』本人にも届いてよかった。
どうせ誰にも分かってもらえない、誰にも助けてもらえないとすべてを投げ出したくなることは大人になった私にでも日々色んな場面で起こるし、
それを『自分はまだ子どもだから何もできない』『子どもたの話なんかだれも信じてくれない』と、行動するたびに打ちのめされてしまう朱理の悔しさや虚しさはどれほどのものだったか。それでも最後まで大切なひとと、大切なものを手放さなかった彼女の強さが燃える松明のように、灯台の明かりのように美しく頼もしい。

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2022年09月22日

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ジャンルは児童文学だけど、読みごたえがありました。力がない小さな女の子が考え、あきらめずに行動する。

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2022年04月26日

Posted by ブクログ

かわいい表紙とタイトル、序盤のあかずきんちゃんとおばあちゃんの話などからは想像できない内容。
読み進むにつれてどんどんリアルな苦しい方向へ行くのでびっくりしたけど、一気に読んでしまった。
小学校高学年から中学生に読んでほしい本。

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2021年08月24日

Posted by ブクログ

小学6年生の朱理と転校生の理緒の友情と理緒の抱える虐待。それを挿話として赤ずきんちゃんとリボンちゃんの物語で描いている。朱理の心の中で生きるおばあちゃんの存在に癒されました。

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2025年05月17日

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