伏尾美紀のレビュー一覧
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第67回江戸川乱歩賞受賞作は、何ともユニークな女性刑事が主人公。
女性刑事を主人公にした警察小説・ミステリーは数多あるが、本作の沢村依理子は博士号を持ち、30歳で警察に奉職したという変わり種。北海道警察本部で事務的作業をしていたが、所轄刑事課に異動し、少女死体遺棄事件に加わることになる。5年前に誘拐され行方不明だった少女と判明し、一気に誘拐事件の解明に邁進するかと思われたが、事件系列も過去と現在を行き来し、様々な人物が登場してくる。
さらに沢村が捜査本部から外され、生活安全課に配属になり、生安課の事件を担当することになる。彼女の過去や家族関係の話となったり、あちこちへと行ったり来たりする。
人 -
Posted by ブクログ
秋の積読本消化のため読みました
得意ではないミステリー?系警察小説は
割とすきなので読み始めました。
舞台はその名の通り今年、昭和100年という事で
百年の時効、全550頁ですが序盤スラスラ
読めました。が、途中警察小説なのか、
戦争ものなのかホントにミステリー?な
感じで描写が兎に角細かく丁寧に成されて
いる為中だるみで少々くどく感じで
飽きて来たりもしましたが(登場人物も多め)
何とか完走出来ました。
昭和の猟奇的殺人事件を、昭和、平成、令和と
追いかけるのですが結末は、うん、まぁ
そうだよね的な?感じで何となく無為感でした
あらすじ的には嫌いじゃないし読みやすい
のですが新鮮味という -
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ネタバレその手があったか......。
いや、なんか登場人物が多いのは、もう諦めてメモを取ることにしたんだけど、まさか事件の数が多いなんていうやり方があるのかー。と変な感心をしてしまった。まだ3分の1くらいなんだけどざっくり14個は事件(議題)が出てきてるよ。
長編というか、連作短編のような感じで全部繋がってはいるものの、事件としては全部別なのでなかなか混乱します。
1山城孝蔵の妻の事件
2匿名通報ダイヤルの謎の通報者
3吉野への特殊詐欺と息子の事件
4認知症70代男性の失踪
5運動能力の高い謎の30代男性
6潮崎家の姉の事件と家族のその後
7広中家の混乱
8潮崎が関わった菅原家の娘の事件
9身元不 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった。とは思う…んだけど……。
これがデビュー作ということなので、仕方ないかなとも思うけど、江戸川乱歩賞取ってると思うと、ちょっとうーんかな?
未解決だった幼女の誘拐事件。数年後に被害少女の遺体が発見されたことで動き出す…かと思いきや、これも未解決で時間が飛び、少女売春やリンチ事件、警察内部のキャリア、ノンキャリの出世にまつわるしがらみや派閥の水面下の牽制、主人公自身の過去にまつわる心の傷や、家族との感情の縺れなどもあり…。
これが全て回収されるなら凄かったんだけど、そういうわけでもなく。
メインの事件についてはしっかり解決するし、取り調べのシーンとか面白かったんだけど、読後(あれ? -
Posted by ブクログ
東京某所、花園団地で起こった大小様々な出来事(事件)を警視庁捜査一課内に新しくできた「犯罪被害者家族心理分析班」の刑事が捜査するというミステリ。
自らも犯罪被害者家族の潮崎と、彼に反発を抱いていた広中のバディ。“最悪の相棒”が“最高の相棒”になる未来を目指すという再生物語でもある。
犯罪被害者の何年経っても癒やされない痛みを描くという点では良かったんだけど、いかんせん、登場人物が無駄に多い。団地内の小さな出来事が細かく描かれすぎて、全体的にとっ散らかった印象。
木の幹の部分を際立たせる枝葉(伏線)である事柄をくどくどと書きすぎたせいで幹が目立たなくなり、ミステリとしてはなんとも残念な結果に。