伏尾美紀のレビュー一覧
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本書を一言で表現するなら、昭和・平成・令和という三つの時代を超えて真相を追い続けた警察の執念を描いた物語である。
本書の中心となる事件は、昭和49年に起こった殺人事件である。発生当時、警察は全力で捜査にあたったが、結果的に事件は未解決となった。捜査本部は解散されるものの、少人数による捜査は継続される。そして、時代が変わっても当時の捜査担当者たちの意思は受け継がれ、科学技術の進歩や捜査手法の変化、さらには異なる時代背景の中で育った若手警察官ならではの着眼点によって、少しずつ真相へと近づいていく。
本書で特に印象に残ったのは、捜査担当者である二代目から三代目へ向けた次の言葉である。
「昔、( -
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ネタバレデビュー作『北緯43度のコールドケース』の続編であり、爆発事件の謎を追う社会派ミステリである。前作同様、単なる犯人探しに収まる作品ではない。
舞台は、新設された大学院大学。知性と理性の象徴のような場所で爆発事件が起こる。事件はテロなのか。物語には、爆弾魔を追うサスペンスとしての軸と、警察内部の対立を描く組織ドラマとしての軸がある。爆弾魔を追いながら、五係内部に潜む公安のスパイも追うことになる。
読んでいると、かなり早い段階で「犯人はこの人だな」と分かる。ジェンダーバイアスという補助線も見えてくる。けれど、この作品はそこに安直には着地しない。むしろ、実際にはジェンダーバイアスが存在しなかった -
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「お前たちの世代で解決できなきゃ、その次の世代に渡してくれ。そうすれば俺たちがしてることは永遠に受け継がれる。」
警察小説の定番の「ショカツと本庁のせめぎ合い」も描かれているし、また逆にショカツと本庁の協力も描かれていて
戦前から戦後、昭和から平成に至るまでの実際に起きた(あった)事件や出来事も登場し「そうだったなぁ」「そうだったのか」と思いながら読んだ。
冒頭に挙げたセリフは登場人物が言うのだが
捜査とは社会正義の実現が大目標なのは間違いないとして、警察の維持やプライドや執着といった人間くさい血の通った感情が注ぎ込まれているのかもしれない。そう考えると、冤罪なども怖くなったり。
ちょっと -
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皆さんのレビューでお見かけする「百年の時効」が気になっているのだが、そちらは文庫化を待つとして、こちらも時折見かける、その作者さんのデビュー作に行ってみる。
これがとても面白く読めた。
未解決だった5年前の少女誘拐事件の被害者が遺体で見つかるところからスタート。
この事件の解決に突き進むのかと思ったら、そこからは、ある派出所での警官の拳銃自殺を挟んで、誘拐&遺体遺棄事件の捜査本部は解散し、いつの間にやら捜査本部を外されていた主人公は別の所轄の生安に異動となって…と、一体どうなるのという展開に。
主人子の沢村依理子はドクター持ちのノンキャリア。30歳で警官になったという異色の経歴。
話の流れ -
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第28回大藪春彦賞
第47回吉川英治文学新人賞
第79回日本推理作家協会賞
時代をまたぐ壮大なスケールの物語でおもしろかった。
満州再建の話が出てくるけど、一部の人がもっていた強い執念が感覚として理解ができない。
途中、人物がややこしくて混乱する部分もあったけど、それ以外は没入して読めた。
自分もテレビで見聞きしてきた昭和の有名な事件名がチラホラ登場するので、この話が本当にある未解決事件のような身近なものに感じたり、
登場人物たちが生きてきた時代の空気を想像することができる。
時間が経てば経つほど事件の解決は難しい気がするのに、科学技術の進歩はもちろんだけど、時間が経ってからわかる真相もある -
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「百年の時効」が気になり、著者について調べていたところ、「北緯43度のコールドケース」がデビュー作とのこと。
それならば、まずはデビュー作から読んでみようと思い、手に取りました。
結果、満足感の高い読書時間となりました。
この作品は、主人公・沢村のキャラクターがかなり個性的なので、彼女に寄り添えるかどうかが、物語に入り込めるかどうかの肝になりそうな気がします。
沢村は博士号を持つ女性刑事。
学生上がりの院卒……というだけで、個人的には少し偏見を持って見てしまうところがあります。
常識に欠けていそう、空気を読むのが上手くなさそう、プライドが高そう、集団行動が苦手そう、でも集中力は高そう……など -
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シリーズ2作目。1作目の『北緯43度のコールドケース』も良かったけれど今作はこなれてきていて格段に読みやすかった。
今回の舞台は北日本科学大学大学院。
新設されたばかりのキャンパス内で爆発が起き1名の死者を含む多数の重軽傷者が出た。
そしてその事件に沢村も捜査一課へ出向というかたちで捜査に加わることになった。
女性で博士号持ちの沢村の微妙な立場は相変わらずで 今回配属された5係の面々とも腹を探りあいながらまた新たに信頼関係を築いていくことになる。
今回は公安がらみ。
アカデミア。ジェンダーバイアス。
今度の事件は沢村にこそ相応しい。
“ジェンダーバイアスに晒されている側でさえもジェン