伏尾美紀のレビュー一覧
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シリーズ2作目。1作目の『北緯43度のコールドケース』も良かったけれど今作はこなれてきていて格段に読みやすかった。
今回の舞台は北日本科学大学大学院。
新設されたばかりのキャンパス内で爆発が起き1名の死者を含む多数の重軽傷者が出た。
そしてその事件に沢村も捜査一課へ出向というかたちで捜査に加わることになった。
女性で博士号持ちの沢村の微妙な立場は相変わらずで 今回配属された5係の面々とも腹を探りあいながらまた新たに信頼関係を築いていくことになる。
今回は公安がらみ。
アカデミア。ジェンダーバイアス。
今度の事件は沢村にこそ相応しい。
“ジェンダーバイアスに晒されている側でさえもジェン -
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ネタバレ重厚な警察小説。読んでいる途中は中々展開も小さく、登場人物も分かりにくく、で読みづらさを感じることもあった。
しかし最後に「これまでの違和感」を付箋で並べて確認していく若手刑事、ここの張り巡らされた違和感の気持ちよさは、長々と読んできたからこその展開だった。
昭和の刑事たちの泥臭い捜査は、戦争の残滓を身近に感じられるのもかえって新鮮。細かいところだが出張一つとってもその大変さが違う。
そのノートを引き継いでの解決編は胸が熱くなった。
何故この事件にそこまで?という疑問を内心ずっと持って読んでいたが、複数の刑事の楔のような存在という語りも印象深く、それが晴れた結末にはカタルシスを感じられた。
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読書備忘録980号。
★★★★。
百年の時効の前に去年リリースされた3作目を読んでおこうと思いまして。
伏尾さんリスペクトしかないです。
ちょっと残念だったのは、ストーリーのごちゃごちゃ感。
テーマは犯罪被害者支援。
あ~。これは大きな問題です。
例えば加害者が未成年とか。少年院に入院して退院。社会的にはリスタート。
そうじゃなくても加害者は有期限で罪を償いリスタート。
一方被害者は?
例えば一家の大黒柱を殺された。残された家族は経済的にも社会的にも生きることで精一杯。本来なら最高学府を出て職業を選択する自由も含めて社会に船出できるはずだったのが、幼くして働かないと生きていけない・・・、と -
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舞台は北海道札幌。二〇一八年一月四日 ある自動車修理工場の古い倉庫に窃盗目的で侵入して 署に引っ張られてきた男が そこで女児の遺体を見たと言う。
鑑定の結果 遺体は五年前に誘拐され行方不明になっていた島崎陽菜ちゃん 当時三歳 と判明した。
その事件は道警史上に残る有名な未解決事件 (コールドケース) の一つだった─。
大学院出で博士号をもつ異色の警察官・沢村依理子は現場捜査の師と仰ぐ瀧本とともに捜査に乗り出すが 瀧本の様子がおかしい……。
言いしれぬ不安の中 事件はまたしても未解決に終わってしまうのだった─。
この作品はシリーズ一作目になるのだろうか ?
アカデミアの世界の理不尽さに絶 -
Posted by ブクログ
「百年の時効」で深く感動したので、伏尾さんの前作である本書を読んでみました。
犯罪被害者の心に寄り添うのがどれほど怖いか、深く関わりすぎたことで燃え尽きた刑事の娘もまた刑事になった。
父を見て、自分は被害者の気持ちに深入りしないようにと思っていたが・・・
色々な事件に関わるうちに、次第に相棒の気持ちが垣間見えてくる。
登場人物それぞれに悩みを抱え、それでも懸命に生きていこうとする姿も、心情まで細く描写されている上に、こちらもあれこれ想像させられる。
あっという間に読んでしまいました。
また伏尾さんの他の作品も読んでみたくなる素敵なミステリーでした。