伏尾美紀のレビュー一覧
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大学院で博士号を取得しながらも、ある理由からその道を諦め、警察官となった沢村依理子は、北海道警察で現場経験を積んでいた。沢村は、ある底冷えする1月、少女死体遺棄事件の捜査に加わった。発見された少女は5年前に誘拐され行方不明となっていた島崎陽菜だった。容疑者死亡で未解決だった陽菜ちゃん誘拐事件は、沢村の手で解決できるのか…。
第67回江戸川乱歩賞受賞作。
伏尾さんの新作が連続で出版。『誰何』を読む前にデビュー作を読まねばと、遅ればせながら手に取った。
読み始めは、時系列についていけず、「今はどの時?」と、なったけど、読み進めると先が気になり、どんどん読む速度が加速し、あっという間に読み終わってしまった。
キャリアにノンキャリという序列や「臭いものには蓋をする」と言った古い体質の警察内部がよく描かれていて、参考資料をたくさん読み込んで丹念に作られ、江戸川乱歩賞に応募したんだなとその意気込みに感心した。
手元には伏尾さんの2作目『数学の女王』がある。早速、読み始めようと思う。
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【あらすじ】
令和。刑事藤村菜摘は28歳刑事。高齢男性が自宅で亡くなった現場に行く。彼は昭和40年代から天才的な相場市で鳴らした桜井信吾。保証人は、富岳銀行頭取の木原則夫。
藤村は昭和49年に起こった。佃島一家4人殺傷事件の捜査を任される。この事件は時効が成立していない。後半に市販格の男が病に倒れ、公判が停止したからだ。
昭和編、若い刑事湯浅は科学的な方法を使って、一家殺傷事件を解決しようとする。吉川澄一、吉川線の名付け親にもなった人物の著作を参考に、犯罪手口の分析方法を取ろうとしている。結局主犯格の九重は逮捕できたが、共犯者は分からなかった。
【感想】
時代が昭和・平成・令和とまたがる。時は戦時中の話から始まり、地域も満州・函館・東京・横須賀と広く、あらすじをまとめきれない。事件が起こったのは戦後函館。警察組織が作られる?前でほとんど資料がなかった。函館一家殺傷事件から始まり、児童養護施設経営者親子の行方不明、佃島一家殺傷事件、建設業の男性の放火殺人など、結構血生臭い内容になっている。犯人たちは、少数で組織だったわけでもないのに、なかなか尻尾をつかませない。そんな中で個性的な捜査員たちが、しぶとく、それこそ足で稼いで真相に近づこうとしている。その途中で定年退職し、亡くなってしまった人もいる。どの時代の捜査員も熱があって、犯人逮捕を諦めていない。
話はこんがらがっているのに、ぐいぐい読み進めてしまう。各時代ごとの実際にあった大きな事件とも絡まっていて、まるで本当にあった事件を追ってるような気になってしまう。多分、この作品は後にも残る作品になるんだろう。読み終わった後、ミステリーの傑作を読んだなとしばらく放心状態になった。結末分かっていても、再読するつもり。 -
購入済み
一気読みをおすすめ!
紙の本にすると550ページ近いということで、買うのをためらったが、いざ読み始めるとスイスイと読める。連休などのなるべく時間のある時に一気読みしてほしい。
文章も特に難解な言葉を使わず、かといって軽くならず。人間関係が複雑なので、読みやすい文章はありがたい。
昭和、平成、令和と受け継がれていく刑事達の執念…。
鎌田・湯浅コンビがいい。
令和の事件パートは鎌田刑事の訃報から始まるのだが、彼が存命の間に解決して欲しかったと思う。もし鎌田刑事が真相を知ったらどう感じただろうか。
本書に出て来る社会的に大きな事件(オウム真理教、幼女連続殺害事件、三菱重工爆破事件、洞爺丸の事故など。昭和の事件については知らない人も多いだろう)や、身近な当時流行のカルチャーなども巧みに取り入れられているので、実在の事件のように思えてくる。
是非ドラマ化してほしい。
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都内で 松川美和という初老の女性が孤独死した。しかし 身元確認のため警察官が遺族に連絡をとると、松川美和は二年前にすでに亡くなっているという。
同じ頃、北海道石狩市で 一件の不可解な
ひき逃げ死亡事件が発生する。
そして、松川美和の部屋とひき逃げ死亡事件の被害者の部屋から元北札幌警察署の刑事課に所属していた新内由紀(よしのり)の生活安全課時代の名刺が発見される。
新内(45)は 現在は警察を辞め、児童虐待対応支援員として児童相談所の仕事が決まろうとしていた。
新内にはその二人に会った記憶さえない。
しかし、生活安全課にいた たった二年間の記憶は忘れることのできない思い出と密接に結びついているものだった──。
細かく区切られているので 少しずつ整理しながら読めて助かった。
二つの事件がどんなふうにひろがって、どんなふうに収束していくのかと色々考えながら読んでいたのだけれど、『百年の時効』の時のように見事に収まった。
後半、あ~やっぱりそうなの? と浅はかにも最悪の結末を想像したりもしたのだけれど…。
妻の三春を愛し、“大和” を愛し、刑事という仕事に誇りをもっていたからこそ警察を辞めざるをえなかった新内。
公安から捜一に異動してきて新内につきまとう宝生。
一見違うが似たところのある二人の攻防がおもしろい。
そして砂本の母親の存在が話の幅をさらにひろげる。正直、そっちまでいく? と思わないでもなかったけれど、まぁ 公安がでてるし、タイトルが “誰何” だし、だったら
むしろこっちをもう少し掘り下げてもよかったんじゃないかなぁ。と 個人的な感想です。
最後は諸々 ホッとした。
確かに警察小説だけれど 捜査の妙だけではなく、登場人物たちの人生やその選択がなんとも切なく描かれていてよかったです。
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ネタバレ結構前になんとなーく『数学の女王』を買って積んでいた。今回は講談社文庫を買うとブックチャームがもらえるフェアを開催していたので、これまたなんとなーく対象作品になっていたこの作品を手に取った。あらすじをチラと読んだときに「おや?」と私の脳内に電流が走る。主人公の名前に何か見覚えがあるな……。そう! 何を隠そう前述した『数学の女王』はこの作品の続編だったのである! なんで誰も言ってくれないわけ? しかし、私の積読癖がこんな形で役に立つとは思わなかった。やっぱり本は積んでおくものですね!
博士号を取得した異色の経歴を持つ才色兼備な女性刑事がその推理力を発揮して華麗に事件を解決するお話! なのかと思っていたけど、そんなことは全然なく、結構泥臭い……。なんなら警察組織内の権力闘争や隠蔽体質、旧態依然としたマチズモ(男性優位主義)をこれでもかというほど見せつけられた。こんな社会の暗部を詳らかにしてくれるなんて、ミステリーやサスペンスが主体の物語であると同時に経済小説でもあって、一度で二度美味しい! 私はどっちも大好きなのでオールオッケーです( ̄ー ̄)bグッ!
物語で最初に起こった事件を一貫して追うものではあるんだけど、かなり序盤でその捜査は頓挫し、いきなり1年半も経過するのには面食らった。その間に部署も異動となった主人公がどのようにして元の事件と関わりを持ち、解決へと導くのか。また、その過程で起きた組織内部の不祥事に巻き込まれた主人公はこの危機をどう乗り切るのか!? 見どころがたくさんありすぎてワタクシ困ってしまいますわ。
なんとなく読み始めたのにこれは大当たりでしたわ。本当におもしろかった。続編の『数学の女王』も楽しみだけど、もうちょっと寝かせておこうかな……。 -
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博士号を持つ警察官、沢村依理子の2作目。今回も面白かったです。男社会の警察組織で奮闘する姿がいいですね。読みながら応援してます。
今回は爆破事件を捜査します。テロの可能性もあり公安が出てきます。警察庁と警視庁の違いの説明が書かれてたけど、私には難しい。よく分からなかったです。こういう話だといつも対立しているイメージがあるんだけど、実際どうなんですかね?公安との面倒くさい駆け引きもある状況で、沢村たちは解決できるのか?沢村だからこその視点で徐々に解決に近づいていくけど…、一波乱あったり…。気になってあっという間に読めました。
愛情があっても、守り方を間違えてはダメですね。取り返しがつかなくなってしまう。その人を想うのなら、どこかで修正しないと悲劇が起こってしまう。
沢村の班に松山という警官がいます。彼がなかなか良いですね。地味だけど仕事ができるって良いですね。こういう部下がいると良いですね。私の推しです。
作中に"ジェンダーバイアス"という言葉が出てきます。男女の性差による役割を無意識に決めてしまう(P270ぐらいに書かれている)ことらしいんだけど、この作品を読んでいる時に私もやってしまいました。この漢字なら男の子だろうと思ってたら、その子は女の子で変なこと言わないでよかったとホッとしたということがありました。沢村も同じことをやってました。一応接客をしているので、気を付けないといけない、思い込みはいけない、と改めて思いました。
あと読んでいるときに見た海外ドラマで、"数学者が殺される"という内容のを見ました。そのドラマで登場人物が「数学者は孤独」みたいなことを言ってました。この作品も同じようなことが書かれていて、ちょっとびっくりしました。
偶然なんだろうけど、引き寄せてしまうことがたまにあります。 -
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プロローグ
いつものように一人掛け用の安楽椅子(登場27回目)で本書を読み終えた
暮れなずむ夕日はどこか儚げだった
この物語の内容やこの季節特有の桜が散っていくさまを見ているから、更にそういった想いを加速させたのではないか
考えてみれば、夕日も桜も本書も実に儚くて美しい
そう思いながら本書の最後の頁を閉じた
本章
『最悪の相棒』★5
やっぱりこの作家さんとは相性が頗る良い!
ミステリーと、ある病気とが複雑に絡み合った多重解決物
題名の“最悪の相棒”は、狙ったのかな〰
けっこうサイコーのバディだったけどね!
『百年の時効』は、本格派骨太ミステリーでしたが、こちらはもう少しエンタメに寄ったリーダビリティの高い内容
伏尾美紀、太田愛、方丈貴恵
この女流作家御三方!
これからもずっと追っかけよう
そう思った!
エピローグ
今年は、寒暖差の影響か結構長い間桜が楽しめたような気がするが皆さまは如何であただったろうか?
桜の散りゆくさまは、女性の散りゆくさまと似ている気がしてならない
あの散りゆく儚さと、あの儚さは、最後散りゆく間際に垣間見える“美”の究極なのではなかろうか!?
まぁ、散ったとて好きなんだけどね、、、
えっ、何の話だっけ(~O~;)!?
これぞ『最悪の阿呆』
私の散り際、しかと見届けよ!!!
m(_ _;)m
完 -
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第67回江戸川乱歩賞受賞作。
三十路の女性があれこれ将来のこととかを悩みながら、前向きに頑張っている姿がいい。
沢村は大学院を出ていて、博士号を持っている異色の警察官。ある日女児の遺体遺棄事件の取調べに立ち会うことになった。女児は5年前に誘拐された子供だった。身代金引渡しの時に誘拐犯が電車にはねられてそのまま行方がわからなくなっていた。
女児はどうやら窒息死させられたようだった。もともとの誘拐事件が不手際に終わったこともあり、北海道県警は色めき立つ。だがしかし手がかりがなく、またもや未解決事件として放置されることになる。
数年後沢村は生活安全課にいた。刑事事件は扱わない防犯科である。現在は女児の売春に手を染めていた男女などを調べていたが、前回の誘拐された女児の事件の調査資料をマスコミに横流しした疑いがかけられていた。 -
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プロローグ
フェルマーの最終定理が叫んでいる!
今度の敵も手強いぞ!
天才が秀才をいとも簡単に操っている
見えない犯人を導き出すことが出来るのか!?
“天才”対“異色”の戦いが始まろうとしている
難問と呼ばれた、フェルマーの最終定理の先に
あったものとは、、、
本章
『数学の女王』★5
デビュー作に次ぐ、沢村依理子シリーズ第二弾
大学院をドロップアウトした異色の刑事“依理子”が
男性社会の権化のような警察の中で苦心惨憺する様を現代的なアプローチで描いている
江戸川乱歩賞を獲ったデビュー作より格段に上手くなっている
恐らく指摘された箇所を漏らさず埋めていったに
違いない
正直、刑事物ってありきたりで傾倒することはないと思っていたが、同氏の『百年の時効』でアッサリと覆された
ストーリー、トリック、ミステリー要素、同僚のキャラ、その全てが己にフィットしている
何処までも追いかけよう!
そう思った!
エピローグ
よくあるような、強くて美しい女性刑事ではない
芯はあるが、弱くて、悲しい過去を引きずり、
そして孤独でもあり異端な存在だ
それがかえって彼女の魅力を引き立たせ、孤高の光を放っているのである
依理子シリーズ第3弾が読みたい
最後にそう思った!
完
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伏尾美紀さん作品3作目
「百年の時効」
「最悪の相棒」
に引き続き読んだ本作品は
第67回江戸川乱歩賞受賞作であり、デビュー作!
博士号持ちながら大学院を去り、警察官になった主人公沢村は、男社会のなかでも高学歴で女性ということで厳しい警察組織で奮闘していく。
この組織に揉まれながらも上司たちの見えない支えで事件を再度追っていく。
それは沢村の過去の経験も影響していたと気付き、成長し、周りとの関わり方も徐々に好転する。
デビュー作でこの感動は凄いですね!
読み応えありました。
次作も取り寄せたので。
さあ。ワクワクしているうちに読むわよ〜(✿ ♡‿♡)