伏尾美紀のレビュー一覧
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令和六年二月二十一日。
アパートの一室から変死体が見つかったという通報を受けて、葛飾警察署に所属する二十八歳の刑事 藤森菜摘は現場へ向かった。
そこから昭和四十九年に起こった未解決事件『佃島一家四人殺傷事件』が再び動き出す──。
とても面白かった。
書いてあることは主に刑事たちの地道な捜査の様子だ。なのになんでこんなに読めてしまうのだろう。
湯浅や鎌田が通った道を草加や藤森が通り、湯浅や鎌田が見た光景を草加や藤森が見る。
時効の廃止や科学捜査の発展により将来的な可能性が広がっていく。
時代をこえてひとつの事件で繋がっている彼らがほんとに凄いと思った。
展開も多岐にわたり 最後まで読めな -
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「百年の時効」(伏尾美紀)
2026.3 祝「第47回吉川英治文学新人賞」受賞
昭和の時代に起きた事件を平成、令和の視点で刑事が追う小説でした。まさに自分が育った時とも重なるため、過ごした時代を考えながら読みました。また、犯人を追う刑事達の焦りにも似た渇望、迫力には引き込まれました。戦争の風がまだ色濃く残る昭和の事件を昭和の刑事と平成、令和の刑事がどう追って行くのかにも。
2025.12.10の今日はニュースで世田谷区一家斬殺事件関連の報道を聞きました。現実の未解決事件が思い出され、どうして犯人が捕まらないのか?その真相背景は何なのか?せめて小説の中にカタルシムを求めたのかもしれません。 -
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ネタバレ昭和49年(1974年)、東京都佃島で起きた一家殺傷事件。
令和6年(2024年)に重要参考人の1人の不審死が発生したことから、幾度もの断念を余儀なくされ、足踏みしていた未解決事件捜査の歯車が今一度動き出す。
昭和、平成、令和と3つの時代を通して不屈の粘りで事件の真相を追う刑事達の物語。。
ザ・骨太警察小説。
調べを進めるうちに発端となる事件は昭和25年に起きていた別の事件との繋がりが浮かび上がり、さらには関係者達の生い立ちを追ううちに満州での接点にまで遡りまさに百年単位での犯罪の根を追う展開。
連続企業爆破事件や地下鉄サリン事件など各時代の実際に起きた重大事件を絡めながら、またその影響を -
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読書備忘録980号。
★★★★。
百年の時効の前に去年リリースされた3作目を読んでおこうと思いまして。
伏尾さんリスペクトしかないです。
ちょっと残念だったのは、ストーリーのごちゃごちゃ感。
テーマは犯罪被害者支援。
あ~。これは大きな問題です。
例えば加害者が未成年とか。少年院に入院して退院。社会的にはリスタート。
そうじゃなくても加害者は有期限で罪を償いリスタート。
一方被害者は?
例えば一家の大黒柱を殺された。残された家族は経済的にも社会的にも生きることで精一杯。本来なら最高学府を出て職業を選択する自由も含めて社会に船出できるはずだったのが、幼くして働かないと生きていけない・・・、と -
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昭和から平成を経て令和へと、時代を継いで事件と犯人を追う刑事の物語。1974年に起きた一家惨殺事件に始まり、その後の捜査だけでなく、遡った過去の事件との繋がりも明らかにされてゆく。
被告が未決で共犯者がいることがわかっている場合は時効が停止するそうだ。時効が存在した時代の事件だが、時効が停止したまま昭和100年を迎える50年後、新たに事件が動き始める。
時間の経過と共に、実際に起きた事件が背景として描かれる。オウム事件はこの事件を捜査する刑事の運命にも関わってくる。1974年の事件が遠い過去のものではないことを思い出させてくれる。
必ず真相を突き止め犯人を逮捕する。その強い気持ちを原動力に捜査 -
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ネタバレ一気読み。面白かった。
特に前半は素晴らしい。鎌田・湯浅時代がよかった。
藤森に至っては、DNA判定ができるようになったおかげとしかいいようのない。あっさり解決。
相関図が複雑だから、前出の人物紹介を何回か見直しているうちに、アレっ?重要人物のはずなのにまだ、あまり出てきていない人が…と言う気付きがヒントになってしまい、ちょっと残念。
富岳銀行も富士銀行かと思っていたら、内容は住友がだいぶはいっているんですね。
満州を絡ませずに作った方がわかりやすかったような。オウムのエピソードもいるかなぁ?
詰め込み過ぎている感。
でも、一気読みさせるのは確か。