千々和泰明のレビュー一覧
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"戦争は始めるのは簡単だが、終わらせるのは極めて難しい" 古代ローマの歴史家サルスティウスの『ユグルタ戦争』である登場人物の言として記されているものだが、同じような言葉は最近良く用いられている。
本書は、戦争の終結に焦点を当てた研究で、著者の依拠する分析枠組みに基づき、具体の戦争について論じたものである。
その枠組みとは、『紛争原因の根本的解決と妥協的和平のジレンマ」というもので、優勢な側が「現在の犠牲の低減」と「将来の危険の除去」のいずれを重視するかによって、戦争終結の形態が変わってくるというものである。
そして、20世紀の戦争を題材として、終結に至る当事国の -
Posted by ブクログ
ネタバレ読んでいるうちは理解していてもまた読み終わったら忘れていってしまうのですが。
それでも中高生向けの内容とのことでした。
安全を保障する国際体制には、
最悪を防ぐ、という動機がまずあるということに強く気づかされました。
小国が被害を被ることは最悪ではなく、大国の論理であり、その歴史を知ることはとても大事だなーと思いました。
力関係の変化
①近世以前の帝国:力の強い国が他の地域を征服していく
②近代の主権国家システム:一部の国同士で対等な関係に立ち、戦争は認められる
③現代の主権国家システム:世界のすべての国同士で対等な関係に立ち、戦争は認められない
現在の国連による集団安全保障 -
Posted by ブクログ
日本が敗戦した1945年8月。広島、長崎と相次いで原子爆弾を投下され、更には不可侵条約を締結していたソ連が満洲に攻め入るなど、8月15日の終戦に向けて直走る日本の姿がそこにはあった。現代史では日本の敗戦理由について、ソ連の日本進出、赤化を恐れたアメリカによる原子爆弾の投下が、ソ連に対する威嚇行動であったとする旨の内容で教えられるそうだ。私の勉強した頃がどうだったか、という記憶はないが、ソ連がヨーロッパでの対ドイツ戦を終わらせて、東へ進出するとなると、強大な兵力により日本が脅かされる事は間違いない。それまで太平洋を中心に日本と激戦を繰り広げながら多大な人的被害を出したアメリカがソ連の参戦を許して
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Posted by ブクログ
戦争を終結に至らせる要因を、「紛争原因の根本的解決」「妥協的平和」とし、それを見積もるものを「将来の危険」「現在の危険」と分類する。
第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸戦争、イラク戦争、アフガニスタン戦争をこの評価軸で分析し、総括する。
なるほどなあ、と思わせる。
現実に侵攻している、ロシアの侵略、イスラエルの進軍にも当てはまる気がする。
問題は、その「危険」「原因」の認識が現実に合ってるかどうかだという気がした。特に、「根本的解決」という言葉には欺瞞を感じる。そう思ってるだけで、勘違いの可能性が極めて高い。
特に、敵と味方を間違える天才、大米帝国においては。