千々和泰明のレビュー一覧
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ネタバレやられる前にやる? 勝てそうだからやる?
戦争が起きる理由がわかれば、平和に一歩近づける。
これからの世界を生きるための国際政治学入門。
戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。
でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、
他の国に侵略されてしまうかもしれない……。
そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、
世界の国々の力関係を読み解きます。(紹介文より)
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さすが中高生向けの新書。
タイトル通りの内容で、とても分かりやすかった。
結局世界はジレンマの関係性で成り立っていて、
理想論ではなく、抑止力により行動のバランスがとられていて
「みんなが武器を捨てた -
Posted by ブクログ
国際政治学を、中高生向けに解説しているため、とても分かりやすく、端的に書かれていたが、分量の割に、とても濃縮された内容だったと思う。
世界史、主に18世紀以降のヨーロッパやアメリカの歴史を振り返りながら、いかに平和を維持しようとしてきたか、何故戦争が起きてしまったのか、などを考察する。ナポレオン以降の19世紀ヨーロッパは勢力均衡によって平和を維持してきたが、ドイツ対等によってバランスが崩れ、「脆弱性」によって第一次世界大戦が勃発し、それに懲りて宥和政策を取った結果、「機会主義的戦争」である第二次世界大戦が防げなかった、という事。(シュリーフェンプランにも触れていたのは、個人的にポイントが高かっ -
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なぜ戦争が起こるのか、なかなか終わらないのか、なぜ核兵器は無くならないのか、そんな疑問をぼんやり持っていたので、本屋で見かけた時に思わず購入
中高生向けに意識した書きぶりでとてもわかりやすく読み進めることができました
戦争を進んでしたい国、人はいないのだけれど、防衛は必要、そのための手段、備えは必要、そんなジレンマから武器や核兵器、戦争が起こっているんだなということがわかりました
核兵器が無くならないこと、米露が数千発持ち続けざるを得ないこと、なるほどそういう経緯から現状があるのだな、ということがよくわかりました
核兵器は、既に作れてしまうので、一旦ゼロにしたところでまたどこかの国がい -
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良い本でした。中高生向けに書かれたということで、戦争をめぐる国際政治の基本がとてもシンプルに分かりやすく書かれています。
例えば、2度の世界大戦は全く違う原因で起きた(第一次大戦の主要国は皆戦争を望んでいなかったのに戦争に入っていかざるを得なかった。一方、第二次大戦はチャンスがあれば侵略戦争を行おうという国、ドイツや残念ながら日本、を抑止しなかったことが大戦争を招いた)ことを、とても平易に説明していて頭の中がクリアになりました。同じように現在の世界の状況が平易に読み解かれます。
やや単純化されすぎているかもしれませんが、再び世界が戦争と向き合わなければならなくなった今、平和を維持していくために -
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ネタバレ非常に読みやすい一冊。
文中、随所で“中高生向け”と出てくるが、10代に分かりやすく説明することが一番難しく、平易な言葉遣いで要点を外さず、筋を通していることが求められるので、それが出来ている点で、良書と言えるかもしれない。
日経書評で見かけた一冊だったが、書評子も「理論的視点が明快に示され、ビジネスパーソンにも大いに学びになる」と書いている。良い本は世代を選ばない。
学生時代や若いころ夢中になった国際政治の分野だ。その勢力バランスを、昨今のキナ臭い世相を反映させて、力、要は「戦争」を軸に読み解くもの。
その国家間の関係には「直感に反する理屈」が存在するとして、合理的な個々の判断が -
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戦争終結のジレンマ
現在の犠牲を許容して根本的な解決を図る
現在の犠牲を最小限にして妥協的な和平に持ち込む
妥協した場合、将来の危険が残るが、それも織り込むことはできるのか
日本の場合は武力行使は必要最小限となっているとおり、相手国に対して現在の犠牲を強要することは難しい。一方で日本の弱点は損害受任度の低さにある。日本国民は他国の危険に対して、現在の犠牲を払うほど安全保障に興味がないように感じる。また、将来の危険を考えることができるのは余裕のあるものだけで、高齢化が進む日本では難しい。
日本の平和を考えると、経済面で税金という国民の負担=現在の犠牲を払い、抑止力という将来の安全を買うことが -
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戦争と平和を考える際には「いかに戦争を起こさないか」だけでなく起こってしまった戦争を「いかに終わらせるか」について考えることが重要。終戦を分析する著者のフレームは非常にわかりやすい。戦争の終結には「紛争原因の根本的解決」と「妥協的和平」の両極の間のどこかで着地することになる。この着地点の決まり方には紛争当事者間のパワーバランスやさまざまな事情が当然絡まり合うが、特に重要なのが勢力的に主導する側から見た時の「将来の危険」と「現在の犠牲」のそれぞれがどの程度の大きさで評価され得るかという観点。このシンプルなフレームに沿って、WW1、WW2(欧州、太平洋)、朝鮮戦争、ベトナム戦争、湾岸・アフガン・イ
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ネタバレ帯に小泉悠さんが載っていたのでウクライナ戦争の行く末も念頭に購入。
購入動機の不純性はさておき、面白い内容でした。
本書では戦争の終わり方を「権力政治的アプローチ」と「合理的選択論的アプローチ」の2つの視点から解釈し、これまで発生した戦争にこれらを当てはめて説明します。
「権力政治的アプローチ」は軍事力を中心としたパワーバランスを重視する視点、「合理的選択論的アプローチ」は交戦勢力間の合理的な費用対効果の算定を重視する視点ですね。要は戦争は軍事的に強い側が一方的に弱い側をボコって終わるだけではなく、損害に見合ったリターンを得られるのか?の観点も終わり方を左右する、という考え方でしょうか。
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ウクライナ紛争だけでなく、イスラエルとハマスの戦い。
私達も、対岸の火事とせず「安全保障問題」に真摯に取り組むことが求められる現代。
本書は、日米同盟/防衛大綱/NSC(国家安全保障会議)のテーマから構成される。
【学んだこと】
〇 日米同盟に関して
⇒米韓同盟と日米同盟は両輪。個別的自衛権よりも、集団的自衛権が本来の側面であること(モノの提供・人の提供だけでなく、日米の互恵関係を、今後どう築くか)
〇 防衛力整備の流れ
⇒米ソのデタント(緊張緩和)状態下での防衛力整備(脱脅威論)から、現在は、相手の能力と脅威に着目した防衛力整備(脅威論)に移行。
〇 NSC(国家安全保障会議)
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Posted by ブクログ
戦争の終結のさせ方について論じた本。
ロシアによるウクライナ侵攻が始まった時にニュースにコメンテーターとして呼ばれていた著者の発言が興味深かったため読んだ。
著者はハナコの秋山に似てる。
戦争の終結とは『将来の危険の排除(自国の脅威を取り除く)』と『現在の犠牲の回避(戦うことで生じる、命やお金などの損失)』の均衡点を探る事である。
脅威を根絶やそうと戦い続けると自国が消耗するし、自国の消耗を嫌がり妥協的に停戦を行うと、脅威は以前存在し続ける。
過去の第一次世界大戦、第二次世界大戦、太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争、中東の戦争(湾岸戦争、アフガニスタン戦争、イラク戦争)を題材にどこ