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戦争をなくしたい。兵器のない世界をつくりたい。でも、自分だけ先に武器を手放してしまったら、他の国に侵略されてしまうかもしれない……。そんなジレンマのなかで戦争と平和を繰り返す、世界の国々の力関係を読み解きます。 【目次】第一章 世界の力関係はどう変わってきたか――帝国と主権/第二章 帝国の出現を防ぐ手立てとは何か――勢力均衡/第三章 世界大戦はなぜ起こったか1――脆弱性による戦争/第四章 世界大戦はなぜ起こったか2――機会主義的戦争/第五章 国連はなぜ機能しないのか――集団安全保障/第六章 核兵器はなぜなくならないのか――核抑止/第七章 戦争はどう終わるのか――戦争終結/第八章 人類はまた大戦争を引き起こすのか
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Posted by ブクログ
「はじめての戦争と平和」とセット読み推奨とされていたので続けて読みました。中高生向けに書かれていたので、理系選択世界史ほぼ未履修で社会人になってしまった私にも読めました。第一次世界大戦や第二次世界大戦が何故起こったのか背景も詳しく知らなかったので勉強になりました。戦争をしないことはもちろん大切だけど、始まってしまった戦争をどうやって終わらせるのかも大切。今の犠牲と未来の犠牲を天秤にかける。ロシアのウクライナ侵攻を非難しながらロシアを止められないもどかしさも理解した。国連が機能しないから第三次世界大戦の引き金を引いていない。核兵器があるから平和が成り立つ。アンバランスな世界。いつ第三次世界大戦が起きてもおかしくないなか、日本はどうしたらいいんだろう?
Posted by ブクログ
そうすると、歴史のなかでの世界の力関係の在り方は、①力の強い国が他の地域を征服していく、近世以前の帝国から、②一部の国同士で対等な関係に立ち、戦争は認められる、近代の主権国家システム、そして③世界のすべての国同士で対等な関係に立ち、戦争は認められない、現代の主権国家システムへと変わっていったということになります。
ただし、侵略戦争を違法とすることを前提とした現代の主権国家システムも、完全ではありません。そのような不完全さは、ロシアのウクライナ侵略からも分かります。
今起こった軍拡競争のスパイラルは、集合行為問題の一種で、「安全保障のジレンマ」と言います。「合理的に考えて自国の安全を高めることになるはずの選択が、相手国にも安全のための合理的な対抗措置をとらせることになり、結果的にお互いの安全を低下させること」を指します。お互いに相手を信じて何もしないか、それとも自国だけバカをみるのは避けるかの板挟みの状況で、それぞれが手を打つことでお互いの安全が低下する結果になるわけです。
ここまで説明したことをまとめてみましょう。第一次世界大戦でもともと戦う理由があった当事国は、オーストリアとセルビアだけです。それ以外の周辺大国は、積極的に戦争がしたくてこれに介入したのではありませんでした。「相手に対し手を出さなければ弱みを抱える自分がやられるという恐怖から、戦争に入っていかざるをえなかった」のです。これが、オーストリア皇嗣夫妻暗殺といった単純な理由に帰すことのできない、第一次世界大戦の本当の原因です。
このようにして始まる戦争のことを、カナダの国際政治学者ジャニス・スタインは「脆弱性による戦争」と呼びました。「安全保障のジレンマ」の、極限状態です。
実は、もともと戦う理由がなかったドイツとフランスの戦いが西部戦線で始まったとき、本来の戦争当事国であるオーストリアとセルビアの戦いはまだ始まっていなかった、というのは、第一次世界大戦がいかなる戦争であったかをもっともよく表しているエピソードといえるでしょう。
失敗に学んだ国際連合
国際連盟は第二次世界大戦を防ぐことができませんでした。そこで第二次世界大戦後の一九四五年に改めてつくりなおされたのが現在の国連ということになります。そして国連は、国際連盟の失敗を強く意識したつくりになっています。
国際連盟と国連の大きなちがいは、侵略の認め方と侵略への対応のとり方にあります。国際連盟では、問題になっている出来事が侵略にあたると認めるためには、加盟国のコンセンサスが必要でした。また、侵略をやめさせるための行動をとるかどうかは、それぞれの加盟国次第でもありました。
これに対し国連では、国連のなかに、大国が中心となってつくられた「安全保障理事会」(安保理)という特別な組織があります。そして安保理が、その出来事が侵略にあたるかどうかを決められることになっています。
また安保理が、国連として侵略をやめさせるための行動をとる、と決めた場合は、全加盟国がこの決定に従わなければなりません。場合によっては、安保理の決定に従って加盟国が「国連軍」を結成し、侵略者と戦うこともありうるということです。
国際連盟は、主権国家は大国であっても小国であってもすべて対等であるということを尊重したつくりになっていました。また、集団安全保障に協力するという約束を、加盟国が守ってくれると信頼していました。しかしそうした理想だけではうまくいきませんでした。世界の平和が保てるかどうかは、実際には大国の動きにかかっているという現実があるからです。
国連をつくるうえで大きな役割を果たした第二次世界大戦時のアメリカ大統領フランクリン・ローズベルトは、そのような現実を踏まえ、大国が中心となる安保理に力を集中させることで、集団としての決定や行動をやりやすくしようとしたわけです。
このように、「たとえ相手から核攻撃を受けたとしても、自国の核戦力を残存させて相手に確実に報復できる能力があり、そのような能力はお互いが持っているので、どちらか一方による最初の核攻撃は、結局はお互いを確実に破壊し尽くす結果になる」というような状態を「相互確証破壊」と言います。核抑止については、このように独特の専門用語が出てきますが、臆せずついてきてください。
実際に核兵器が使用され、相互確証破壊がなされたときは、敵対国も自国もともに滅亡します。最終的に相互確証破壊がなされることを保証しておくことによって、逆に核戦争ができないように強く抑止されているわけです。
このように、「お互いに核報復能力を持つことで、核の撃ち合いになる可能性が下がるという点では両者の関係は安定するようにみえるけれども、実は限定的な紛争が起きやすくなり不安定化する」というのが、「安定・不安定のパラドックス」です。
この「安定・不安定のパラドックス」は、現在のウクライナで実際に起こっていると考えられます。核兵器保有国であるロシアは、核を持たないウクライナを侵略しており、ウクライナから核で報復されることを心配せずにウクライナに核を使用することもできます。
ここで問題になるのが、「将来の危険」を取り除くべく「紛争原因の根本的解決」をめざすためには、今戦われている戦争で自分たちが犠牲を払う必要があり、逆に、「現在の犠牲」を避け、「妥協的和平」でよしとするのなら、将来にわたり危険と共存していかなければならない、ということです。戦争の終わり方のかたちは、このような「戦争終結のジレンマ」のなかで探さなければならないというところに難しさがあるわけです。
Posted by ブクログ
歴史が、どういう流れで動いていったかがよく分かる。
わたしは、こういうことは中高生向けじゃないと分からないのかもしれない。
そして第2次世界大戦が終わって久しいけれども、我々はいまだその地続きの上におり、小さな選択の積み重ねが、思いもよらぬ望まぬ結果になることもあるのだということを見せつけられました。われわれは歴史の傍観者ではない。まぎれもない当事者なのだ。
第2次世界大戦、太平洋戦争、きっと「今の流れは絶対に間違っている、絶対によくない。」と当時思っていた人もきっとたくさんいて、でもなんとなく言えない雰囲気に流されて、絶対に間違っていると思っていることが独り歩きするかの如く突き進んでいってしまった。
わたしたちは、また繰り返すのか?嫌だ。絶対に嫌だ。…じゃあどうしたらいいんだろう?
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ビジネス・実用
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