賀十つばさのレビュー一覧
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金曜日、妻は仕事に行っていたと思っていたのに、ひょんな事から仕事には行っていないことが判明するところから物語は始まる。
終始、穏やかに話は進んでいく。
心に響いた言葉は、ドゥリトル先生の友達のヘンリーが自分の居場所を求めて日本にやってきたが、やっぱり日本でも居場所を作れない時に発したドゥリトル先生の言葉。「どこに行っても自分の場所じゃないと感じてしまう。でも問題は外ではなく、自分の中にある」「自分と向き合って、認めて、受け入れたとき、初めて自信は生まれる」「自信を持てば、恐れはなくなり、価値観の違う相手とだって友達になれる。そしてそこが自分の居場所になる。居場所は自分で作るもの」「皆と違っても -
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日常生活を送っているなかで、ルーチンに流されるとあっという間に時間が過ぎてしまう。週一回程度は非日常を取り込んで、心身ともにリフレッシュしたいというのは現代人にとって共通する想いなのではないか。
ドゥリトル先生のブックカフェとは、その名の通り動物と話せるドゥリトル先生のような店主が経営する、とても落ち着く雰囲気のカフェであり、そこには多数の外国語の絵本がある。『ちいさいおうち』や『長くつ下のピッピ』など、懐かしのタイトルが出てきてほっこりしながら物語は進んでいく。
主人公と妻の関係性の変化や、ブックカフェを利用する客たちの事情などがエピソードとして徐々に深堀りされていく構成であるが、何しろ -
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ネタバレなんとなく読んだけど面白かった。5年間営んでいた洋菓子店を経営難で閉じることになった主人公・白井が、常連客だった佐渡谷から、次の借り手が決まるまで厨房を貸してほしいと言われて……という話。こういうタイプの小説って、夢だった自分のお店をオープンして、さまざまな苦労があって、でもそれを乗り越えて、みたいなものが多いけど、まさかのお店を閉めるところから始まり、「これからどうしよう……」という切り口はいままでありそうでなかった気がする。エンディングもストーリーの雰囲気から大きく逸れることなく、劇的でないのがまた良い。お菓子を食べたくなるし作りたくもなる話だった。
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ネタバレ【あらすじ】
苦手な料理をがんばってみたら、知らない自分が見えてきた。
社会人2年目で独り暮らしを始めた渚は、完璧な母親にいつも先回りされてきたからか、ゆで玉子すらおいしく作れない。職場でも機転の利かなさを実感するばかりで、仕事人間になれるとも思えない。そんな中参加したBBQで「鍋の中を覗いてみたら?」と言われ衝撃を受ける。
そうか、料理も仕事も、実際になにが起きているか自分の目で確かめなくちゃ――。
迷える女子が自分なりの生き方を見つける、お仕事×お料理小説!
【個人的な感想】
話がすごく面白いかと聞かれるとそうではないけど、前向きになれる小説。
私も料理が苦手なので、ちょっと勇気が出