沼田和也のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
街の牧師さんが少女と出会う話から始まるノンフィクション。
牧師である沼田和也さんの人生史と言ってもいいかも知れない。
神について学び、神のことを教えていく、それが牧師さん…漠然とそう思っていたけど、実は奥深く人として教会を運営する責任者として苦悩が語られていて感慨深い。
信者の献金で教会の再建築すると言う事がどう言う事なのか想像に難いかも知れない。
自身の貯蓄だとしても建築費となれば勇気が要るし、コストの為何かを諦めなければならない、これが教会のものであれば三人三様では済まない。
聖句を通して、人との関わり、痛みを説いていらっしゃる。
いつか教会を訪ねたくなった。 -
Posted by ブクログ
牧師さんが閉鎖病棟に入って気がついた真理だったり、諸行無常が綴られています。
どんなことでもそうだけど「出逢い」によって、岐路が大きく変わりますよね。
良い先生に出逢えてよかったですね、沼田さん。
それでも少年たちや社会的入院の方たちを思うと、この問題の根深さに面食らいます(わたしが面食らったところで、どうしようもありませんが)。
この業界で働く方々のハード面、ソフト面のケアはもっと叫ばれても良いのかもしれませんね。
わたしが知れたのは、ほんの一面に過ぎないでしょうが、それでも読むことができてよかった1冊です。
自分と徹底的に向き合うって、怖くてなかなかできないです。
【本文より】
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Posted by ブクログ
2021/06/03リクエスト 1
この本を書くのにどれだけ、ご本人はいろいろなものを投げ打ったのだろう。
ドクターに
私を操ろうとしている
私を恫喝してもなんともなりませんよ
などの言葉は、読んでいるわたしにもとても響いた。
心療内科に10年以上通った私も、自分がドクターに言われているように感じるほど、素直な気持ちが綴られている。
先生や弁護士などの人は、どんなに精神科のドクターが言葉を尽くして伝えても、反論する術を持っているから、まず治療ベースに上がることがない、その点でこのドクターも初めての体験に戸惑い悩み、この牧師先生の恩師にも相談したと後で書いてある。
いいドクターに会えてよか -
Posted by ブクログ
タイトルの通り、牧師さんが閉鎖病棟に入院し、そこで見て、聞いて、会話して、考えたことが書かれています。
一緒に体験しているような気持ちで読みました。
知的障害があり、読み書きに困難を抱えている若者との出会い、
なぜ人を殺めてはいけないのか理解できない方との出会い、
「きれい」がわからない方との出会い。
何十年も、ずっと病棟で暮らしている方との出会い。
患者の立場から見える情景や感じたこと、主治医とのまっすぐなぶつかり合い。
自分の中にある感情も呼び起こされ、決して他人ごとではないと感じました。
著者は牧師として復職されたとのこと、本当に良かった、と思いました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「カルトの子」に衝撃を受け、何度も読んでいる身としては読まずにいられないテーマ。宗教と発達障害の関係については考えたこともなかったけど、人生がうまくいかずに宗教に助けを求めることを思えば、生きづらさを感じやすい人たちがはまってしまうのはなるほどと思う。当事者のインタビューは読みやすかったけど、専門家のところはちょっと読み飛ばすところも。信田さよ子さん、久しぶりに読んだけど、やっぱ分かりやすかった。斎藤環さんとの対談のとこも。こういう本を読むと、あの高校時代のエホバの子を思い出す。今どうしてるんだろうなぁ。エホバの個別訪問が辛い思いをさせて、コミュニティへの帰依を高めるためだという意見にはなるほ
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Posted by ブクログ
ネタバレ宗教者、精神科医、ジャーナリストなどこの問題に向き合っている様々な専門家との対談や取材と2世当事者の声を集めた章が秀逸。
むしろそこだけでも良かったのでは、と思うくらい。
最後の方の章は著者自身の著作や宗教関連の文学や映像作品の紹介と見解が多く、興味を惹かれるものもあったが映像に関してはほとんど見ることのできないものが多いこともありちょっとうるさく感じてしまった。蛇足感がある、と言ったら言い過ぎだろうか。
p253で著者が創価学会について、エホバの証人のように2世問題を唱えてる人や宗教被害を受けたと言っている人が実数からすると多いと思えない、ゆえにエホバが2世問題を生み出しやすい宗教と言える -