日本文藝家協会のレビュー一覧

  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    何を混ぜてもカレーはカレー味になるように、純文学・エンタメ入り乱れる短編集だったけど、なんとなく全体的にまとまりもあったような気がした。

    すごいのはハズレ作品が全くないこと。本当に全部面白い。ハイクオリティ。カレー食べたい。

    特に好きだったのは、最も設定がバグってる澤西祐典さん『貝殻人間』。貝殻人間は海から貝殻とともに上陸し、生きている人間と瓜二つで、本人の生活を乗っ取ってしまう。そんな事件にあった八人が夜の海辺に集まり、キャンプファイヤーをしながらそれぞれの境遇を語り合う話。

    貝殻人間に生活を乗っ取られて怒ったり、絶望したり、中には自分の人生を乗っ取ってくれてありがとうと感謝してる人も

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    2025年07月17日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    今が旬の作家さん達の短編集です。9つです。どれもこれも世界に吸い込まれる感じがしました。とくに「夏のカレー」と「煙景の彼方」です。いずれも別れがたい人との別れにまつわる話です。しかも、短編ですが、長編を読んだような感じがしました。いろんな情景が浮かびました。じんわりきます。
    「貝殻人間」「ジョンとジェーン」は、少し怖かったり、悲しかったりで、印象的でした。
    「猪田って誰?」は、テンポが良く、落語をきいてるみたいな感じに思いました。
    短編の良さが詰まった作品集でした。

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    2025年05月04日
  • 文学2024

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    「たとえば50年前の1973年がどんな年だったかを知りたければ(中略)その年に発表された小説を読むのがよかろう」
    本書は2023年がどんな年だったかを知るための12人の作家による短編集。

    マッチングアプリやフリマアプリ、仮想現実の世界にSNSの承認欲求などなど‥本書に登場したモチーフを思い出した順番に並べてみただけで、現実のできごとが次々に思い出される。最初に聞いた時は(そんな事があるんだ?そんな事ができるんだ!)と思っていた事が、数年で当たり前に受け入れられるようになるスピード感が頼もしくもあるが少し怖くもある。中でも印象的だったのは初めましての嶽本野ばらさんの「ブサとジェジェ」と、ヤな感

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    2025年02月11日
  • 雨の中で踊れ 現代の短篇小説 ベストコレクション2023

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    空港の売店で買いましたが、どこかへ行きたい気持ちに寄り添ってくれる話が多くて、旅のおともに読む本として特にオススメでした。君嶋彼方さん、佐原ひかりさん、須藤古都里さん、斜線堂有紀さんの短編が特に好きでした。

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    2025年01月23日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    この短編集読まないなんてもったいない!全人類に読んでほしいっていえる短編集。
    いやーーー過去一の短編集。個人的には江國香織さん、山田詠美さん、萩原浩さん、原田ひ香さんの作品が特に好きだった。
    短編だけのマイオールベストつくならはいる。間違いない。みんな読んで!

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    2024年09月30日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    2024.09.14
    短編集は、次の2つの理由で手に取ることが多い。
    新たな作家との出会いを求めること
    掲載された作品を読み比べて作家の力量を自分なりに比較すること
    自分の作風の好みを知ること

    この短編集には驚き。
    テーマで絞らず、「良い」短編の集積なので、「うーん、この作品はパスかな」と思うものがなかった。
    そして甲乙がつけ難い良作ばかりであった。

    掲載順って案外評価に影響あると思うのですが、この掲載順にも唸らされた。

    ということでめでたく星5つ。

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    2024年09月14日
  • 文学2023

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    本書は、2022年に主要文芸誌に載った短編〜中編から日本文藝家協会の編纂委員により選ばれた12作品。巻頭、解説の金原ひとみさんによる作品に寄せた短いコメントがすばらしくて、ひとつ読み終えるたびに解説に戻って再度読み返したり。
    コロナ禍真っ只中に発表された作品はどれもそれぞれに忘れがたく、おもしろかった。12人のうち、初めましての作家さんは「パーミション」の岡崎祥久さん、「霊たち」の三国美千子さん、「偶然の本質」辻原登さん。


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    2024年02月11日
  • 雨の中で踊れ 現代の短篇小説 ベストコレクション2023

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    ネタバレ

    全ての短編が面白かった。ジャンルもバラバラで読み応えがあった。
    『ビーチで海に齧られて』
    グロテスクでファンシーな世界観が、テンポの良い青年の若い語り口で進んでいく、不思議で怖い。
    自然の積極さや大きさに比して、語り手の小さく受け身な姿勢に、自然への人間の無力さを感じてしまった。
    『走れ茜色』
    ジュブナイル恋愛小説で友情小説で、とても好きだった。
    『一角獣の背に乗って』が好きだった。
    明らかなセックスワークのメタファーが満載だった。
    怒りと反抗、逃避の小説。とても好き。好き嫌いで消費してはならないが。

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    2023年10月20日
  • 文学2023

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    「文学2023 日本文藝家協会 編」を読んだ。
    以下の12篇

    らっきょうとクロッカス    桜木紫乃
    キャンプ          井戸川射子
    二千回飲みに行ったあとに  津村記久子
    文士と夜警          筒井康隆
    砂漠の検問所         池澤夏樹
    パーミション         岡崎祥久
    ママと戦う          西加奈子
    私の労働           町屋良平
    霊たち           三国美千子
    スメラミシング        小川 哲
    偶然の本質          辻原 登
    家畜人ヤプ子         山田詠美

    お名前を存じ上げていてかつ作品を読んだことがある方が六

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    2023年08月06日
  • 文学2022

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    「今」の作家による、「今」を描いた珠玉の作品たち。
    高瀬隼子「休学(国産のため)」
    近い将来本当にありうるのではと思ってしまい、正直ぞっとした。この世界は、「人と人との魂のこすれ合い」というものが消滅してしまった、非常にむなしい世界ではないか。
    江國香織「川のある街」
    「休学(国産のため)」ある意味対照的で、ノスタルジーがくすぐられる場面がいくつも登場し、多くの人の心を優しく震わせる普遍的な世界が作り上げられていて「うまいなぁ」と脱帽した。
    金原ひとみ「ハジケテマザレ」。
    新型コロナウイルスという現象を文学化することはまだまだ時間がかかるかもしれないが、それでも金原ひとみ「ハジケテマザレ」は、

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    2022年09月17日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    少しSFテイストな作品が多かったように感じた。その中で「猪田って誰?」が非常に共感できた。この作品はほとんどの既婚男性に突き刺さると思う。初めて読む作者の中で小川哲さんは他の作品も読んでみたくなりました。

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    2025年12月02日
  • 輪廻の果てまで愛してる 現代の短篇小説 ベストコレクション2025

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    表題作である米澤穂信著の『輪廻の果てまで愛してる』を読みたくて。
    ネタバレになってしまうけど、マニ車って信者じゃなくても効果あるのかな?独特の世界観でそう来たか!となった。解説者の真似になってしまうが、短篇、かくあるべし。

    他の作品もそれぞれ個性が際立っていて、テーマもジャンルもバラバラで温度差のギャップが凄まじく、読むのに時間がかかった。初めて読む作家が多く、初心者向けにも良かったと思う。
    特に、
    『僕たちは のら犬じゃない 番犬さ』佐々木愛
    『放送部には滅ぼせない』坪田侑也
    『凪のからだで生きていく』窪美澄
    が良かった。
    窪美澄が田舎特有の女性の生きにくさを描いた作品だったので東京都出身

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    2025年11月30日
  • 輪廻の果てまで愛してる 現代の短篇小説 ベストコレクション2025

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    ネタバレ

    カタリナの美しき車輪▶怖かったー。基本的に見てるだけだけどちょっとSNSから離れたくなる。あとAIも怖い。最後にだいぶゾクゾクした。
    輪廻の果てまで愛してる▶やっぱり大好き米澤さん。マニ車って初めて聞いた。己を頭が悪いだの馬鹿だの言ってるのに使用言語レベルがどんどん上がってるのが既に善を感じた。確かにあれだけぶん回したら帳尻あわせないとねー。

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    2025年10月20日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    カレーが直接出てくるお話は「夏のカレー」一編だけ。でも、この短編集に収録されているどの作品もスパイスがピリリと効いていおり、その意味ではこのアンソロジーの題名としては相応しいと言える。

    表題作の「夏のカレー」は主人公が自分の世代と同時代を生きているので、感情的には没入できて、物語に入り込めた。ただ、あまりに偶然に出会いすぎるのが興を削いだ。

    「ああ美しき忖度の村」はこのアンソロジーの中で一番コミカルで、この感じすごく分かると思わず忍び笑いをしてしまった。

    山田詠美、武石勝義の作品はどちらも少し湿り気を帯びていて人生の厳しさや虚しさを感じさせるものとなっている。

    お初の作家さんも何人かい

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    2025年09月28日
  • 文学2023

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    「ママと戦う」と「スメラミシング」を読んだ
    コロナ禍のシーンが多かったけどどっちも面白かった。
    「ママと戦う」は女性視点の生きづらさや母と娘の関係が歪だった。結構そういう作品は多い印象だし好みだった。生活をエンタメとして稼いでる人は怖い。

    「スメラミシング」は陰謀論が出てきて疲れた。反ワクの友達がいたなぁと思い出す。おかしい時期だったよなぁ。みんな何かのせいにしたくて、拠り所を探してた。
    掴めないところが多くて、逆に面白かった。透明な感じの不思議な文章だった。結構好き。

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    2025年09月20日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    現代の短編小説ベストコレクション2024
    初めて読む作家さんの作品も多く、他の作品も読んでみたいと思った。現実と近いような遠いような、それぞれの世界観に引き込まれる。
    短編小説のスパイスが効いており、楽しめました。

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    2025年07月31日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    ネタバレ

    夏をテーマにしたさわやかな短編集かなと勝手に思い込んでいたら全く違ってびっくりした。どこにもそんなこと書いてなかったけど、あまりにもタイトルと表紙が…

    どれも面白く読んだけど、好きだったのは以下。
    乙一/ AI Detective 探偵をインストールしました、
    オチが秀逸。
    小川哲/猪田って誰?、結局猪田は誰だったのか読む側も同じもやもやに付き合わされて終わってしまうなんて。
    中島京子/シスターフッドと鼠坂、解説を読んで腑に落ちた、母に対するシスターフッドだったのか。
    武石勝義/煙景の彼方、ハッピーエンドなの…?

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    2025年07月07日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    どれも秀逸!
    まさにタイトルのカレー通り、上手いだけではないピリッとスパイスを利かせたようなお話ばかりだった!

    浮気性男とその家族を下北沢のランチを通して
    カラッとした描いた『下北沢の昼下り』

    奇妙な夢にまつわる家族を描いた『夢見る家族』

    AIが殺人犯を追求する、
    『AI detective 探偵をインストールしました』

    自分とそっくりの人間が海から打ち上げられる
    『貝殻人間』

    トー横女子とホストの悲しい終焉を描く
    『ジョン&ジェーン』

    猪田という同級生が亡くなったらしい…
    一体誰??『猪田って誰?』

    実はおばあちゃんは違う人だった!
    母の思い出話から実祖母の姿が思い浮

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    2025年05月22日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    ちょっと怖くなるような、心も温まる短編集
    題名にもある「夏のカレー」はうおおおとなった
    「煙景の彼方」は泣けたなあ、俺も飛び込みますね

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    2025年05月06日
  • 夏のカレー 現代の短篇小説 ベストコレクション2024

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    江國香織さん、山田詠美さん目当てで手に取ったんだけど、思いの外原田ひ香さんの、この短編集の原題でもある夏のカレーがかなりよかった。最後、作者の意図通りびっくりした。全然展開読めてなかったよ…

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    2025年03月07日