日本文藝家協会のレビュー一覧
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ネタバレ【収録作品】
「悧口なイブ」 佐藤愛子
「雨の中で踊る」 森絵都
「ロマンス☆」 一穂ミチ
「おかえり福猫」 まさきとしか
「楽園の泉の上で」 高野史緒
「走れ茜色」 君嶋彼方
「一角獣の背に乗って」 佐原ひかり
「どうせ殺すなら、歌が終わってからにして」 須藤古都離
「妹の夫」 斜線堂有紀
「同好のSHE」 荒木あかね
「陸橋の向こう側」 逸木裕(森田みどりシリーズ)
「ビーチで海にかじられて」 一條次郎
2022年に文芸誌などに発表された短篇からのセレクト。「雨の中で踊る」「ロマンス☆」コロナ禍であぶり出された不満の行く先が描かれる。
「走れ茜色」は高校生の話で青春を感じる。
「一角獣の…」「同好のSHE」はキャラがいい。
「どうせ殺すなら…」は社会派で、切ない。この世界がSFでもファンタジーでも無いことがつらい。
「妹の夫」はミステリとして面白い。 -
Posted by ブクログ
カレー好きの私としてはそそられるタイトルだと思って手に取ったけど、夏のカレーは原田ひ香さんの物語のタイトルというだけ。
他はカレーとは全く関係なかった。
レビューを見たら、皆さん引っかかっていたようで…私だけじゃなかった。
特にテーマがあるわけじゃないみたいだけど、家族や友だちとの不思議な関係を描いたものが多かった。
特に好きだったのは2編。
三浦しをんさん「夢見る家族」
ネジのやり場のない気持ちがわかり過ぎて、一緒にモヤモヤ。
宮島未奈さん「ガラケーレクイエム」。
ガラケーの懐かしさと、実際に自分にもありそうな出来事に親近感を持った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ小川哲さん目当てで読んだが、意外にも他の作家の短編が気に入った。
特に表題作(著者:原田ひ香さん)。想い合いながらも結婚はせず、長らく会っていなかった女性との再会のシーンから物語が始まり、過去を思い出す構成になっている。
あと一言、互いに想いを告げていれば…と思うが、そう上手くいかないのが恋愛なんだろうな。冴子の葬式に参列していた帰りだったとは驚いた。一番言ってほしかったことを言ってもらうために冴子は現れたのだろうか。それとも自分を印象づけるために、一生忘れないでいてもらうためだったのだろうか。どちらにせよ、もう冴子のカレーを食べられないと思うと切ない。
宮島未奈さんの『ガラケーレクイエム』は、ただただ懐かしい。ガラケー、メールを受信すると折りたたんでいても点滅する等で一目で分かったのが便利だったな。誰からメールが来たのか毎回ちょっとわくわくしていた記憶がある。
主人公は、久しぶりに起動したガラケーに昔のクラスメイトからメールが来て、気になって仕方がなくなる。メールが来ていたのは2年前で、クラスメイトがそんなに前のメールの内容を覚えているのだろうか?と思ったが、一通のメールから途絶えていた友達との記憶が蘇るのは良いものだ。うらやましく思った。ガラケー、手元に残しておけばよかったな。 -
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日本文藝家協会編『雨の中で踊れ 現代の短編小説 ベストセレクション2023』文春文庫。
日本文藝家協会が2022年に文芸誌などに発表された短編小説から12編をセレクトしたアンソロジー。『ベストセレクション』を標榜する割りには心を掴まれる短編は1編も無かった。強いて言えば森絵都『雨の中で踊る』が良かったくらいだろうか。
佐藤愛子、森絵都、一穂ミチ、まさきとしか、高野史緒くらいまでは読めるが、君嶋彼方から後の短編は酷いものだ。
佐藤愛子『悧口なイブ』。含蓄のある短編。最初の短編ということで、軽いジャブから始まったようだ。ある国の政治科学研究所で、電子計算機と向き合う毎日を送る定年間近の男は電子計算機に『イブ』という名を付け、会話を楽しむ。★★★
森絵都『雨の中で踊る』。タイトルはヴィヴィアン・グリーンの言葉から。脇目も振らずに仕事をしているうちに家庭の中に居所を失った夫。まさに現代の日本という設定だ。コロナ禍で自宅でリモートワークをする妻と10日間のリフレッシュ休暇を取得した夫。妻は自宅に居る夫が邪魔で、フットマッサージへ行くことを勧める。夫は海パンを履いてフットマッサージに向ううちに海に行きたくなる。★★★★
一穂ミチ『ロマンス☆』。コロナ禍、フードデリバリー、LINEと現代の日常の出来事を切り取ったような短編。簡単に恋が出来て、簡単に失恋する現代。街で見掛けたフードデリバリーサービスの男子に恋心を抱いた若妻。★★★
まさきとしか『おかえり福猫』。44歳のおひとり様女性と猫の話。それにしても生き難い時代になったものだ。★★★
高野史緒『楽園の泉の上で』。未来版の『蜘蛛の糸』という感じのショートショート。一種のSF。★★★
君嶋彼方『走れ茜色』。LGBTQをテーマにした学園物。なんだかなぁ。★★
佐原ひかり『一角獣の背に乗って』。一角獣に蹴り殺された叔母の復讐を誓う主人公。荒唐無稽な話。★★
須藤古都離『どうせ殺すなら、歌が終わってからにして』。ソマリアが舞台の話。アル・シャバブに拉致された恋人との再会。★★★
斜線堂有紀『妹の夫』。またもSF。宇宙に届いた妻が殺害される映像。余りにも捏ねくり回し過ぎのようだ。★★
荒木あかね『同好のSHE』。高速バスの中で起きたトラブル。★★
逸木裕『陸橋の向こう側』。女性探偵が主人公のサスペンス。短編の中に詰め込み過ぎかな。★★★
一條次郎『ビーチで海にかじられて』。サメ退治にシャーク長老と読む気が失せた。★★
本体価格930円
★★★