ジョージ朝倉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
いろんな意味で「痛み」を描くことのできる漫画家、ジョージ朝倉の短編集。
このジョージ朝倉というひとは、少女漫画とレディコミの間をうろうろしている昨今の漫画にありがちな「乾いた心を身体の関係で満たそうとするけれど、結局は満たされない」的なテーマを描かせても非常に上手い漫画家だ。(基本的にそういうテーマは好きじゃないから、岡崎○子も桜沢○リカも私はあまり読まない)
多分、テーマ性に寄り過ぎることなく、セックスはセックスとして割り切って描かれているからだと思う。
標記コミックスの表題作は、熱い夏の日、境目があいまいになって誰かを求める、痛いほどの欲望が描かれており、読んだ後に思わず「お見事!」と呟い -
Posted by ブクログ
私は今でもわからない。
好きだと思った人と、自分とが崩れずに相容れる瞬間が、あるのかどうか。だって、惚れたら最後、ぐずぐずに壊れてしまうでしょう。そこになにがあったかなんて、忘れてしまうでしょう。惹かれる寸前に持っていた自分が、その光の前で、もろく崩れ去る。失われるそれさえ、幸せ、なのにお互いの繋がりはその瞬間に消えてしまう---。その不安と恍惚を描いているのが本作。主人公の夏芽とコウちゃんは中学生だ。名前さえつけられない感情に、制御できない想いに震えている。ふたりは、尖った才能、或いは光を失わないまま、ひとつになることなくふたりのまま、惹かれ合えるのか----。鬼才(あえてこう呼びたい)・ジ