ながしまひろみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
タイトルから勝手に子供向けの作品と思い、手をつけなかったが、何気に読んでみたら、とても面白かった。表紙の子供時代の泉ちゃん、大人の泉ちゃん、作中のイラストも良かった。
泉ちゃんは素直で自然体でとてもいい。郵便物の誤配で郵便屋さんを責め立てるのにはひいたが、彼氏の井田歌男さんへのアパートに行くのがめんどくさいのは、それほど好きではなかったのではと思った。現にかわいい三つ下のいとこの家には理由をつけて行くのだから、そこを言う歌男さんの言い分もわかるが残念ながら言い過ぎだった。縁がなかったのでしょう。
両親の仲が悪く、二年ほどおばあちゃんに預けられていた泉の「親の仲がいいのは最高。それ以上の最高はない」という言葉が、じんときた。ほんとその通り。
そうとう郵便屋さんに苦情を言ったが、実は他社からのメール便であり郵便屋さんの間違いではなかった。しかし、それを詫びたきっかけにお菓子を食べる中に、ダーリンと呼ぶまでの関係になったのが泉らしい。しかも、その頃できた彼氏と一緒にダーリンと呼ぶのが面白かった。そして、このダーリンこそ郵便屋さんシリーズの主役の平本秋宏さん。登場人物がつながっているのが、小野寺さんの作品のまた素晴らしいところ。次は郵便屋さんシリーズを読む楽しみができて、嬉しい。 -
Posted by ブクログ
練習試合の相手チームの監督が失踪中の父親である事に気付き、お互いに合わせる顔がないと気が付きながら避け合う。
ゆきちゃんは野球を辞めて普通になりたい、と悩むが、
それが嫌なみのるは、気持ちを正直に口にする。
オニくんは相手チームのたけしくんを、誤って傷付けてしまい、自分が鬼の子であり悪者なのでは、と悩んでしまう。
みのるは、相手チームの監督、つまり失踪中の父親に「とりあえず隣にいて」とゆきちゃんを誘い、勇気を出してオニくんの事を謝りにいく。
泣ける。
最後には練習試合でみんながイキイキと頑張る。
相手チームとも仲良くなる。
オニくんがどうやって、ここまで来たのかとかは謎のままだけど、
ずっと一緒に暮らしたいと思ったのなら、
血の繋がりなどは関係なく、そうするべきなのだろう。
こころが温まるお話でした。
映画化希望。 -
Posted by ブクログ
「わたしは九歳でゴリラに引き取られました。自分で頼んだわけじゃないけど、そうなったのです。九月のある日のことでした。」で始まる2005年にスエーデンで出版2021年に翻訳本として出版された物語。
表紙はオレンジの地に、花柄のシャツを着たらゴリラと三つ編みの金髪の小さな女の子の絵で、とても可愛らしい。
孤児院では皆んなで掃除をしている。養子する人をひとり見つけにお客様が来ることになっているからだ。そんな中わたし.ヨンナは、ヤード(孤児院であるヨモギギク園の園長)先生に手を洗わない事を叱られていた。私は手を洗うって事を覚えられないのだ。
養子を貰いにやってきたのはゴリラのゴリランで、選ばれたのはヨナンだった。ヨナンはボロいボルボ(車の後ろのシートはゴミだらけでした)に乗ってゴリランの住居兼仕事場の古い工場地帯やってくる。アーロン(孤児院の仲間)にゴリラは食べるために養子を貰うのかもと吹き込まれたヨナンは、最初はビクビクしていたが、ゴリランの優しさを知り、ゴリランの商売(ゴリランの裏庭に捨てられたゴミを売る)を手伝いながら楽しく暮らし始める。
しかし、そこにゴリランの土地にプールを作りたいトードがやってきて、2人の生活を壊そうとする。
よく読むとあちらこちらに、伏線がはられていた事が分かる。全部読んでからそう言えばと前を見直してみるのが楽しい。ゴリランもヨナンも優等生ではない。どちらかと言うと変なのだけど、人としてまっすぐで愛おしくなる。
危機もあるし冒険も謎解きもあるけど、全体としてはなんだかのほほんとした可愛らしい話で、読後も気持ち良い。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「泉ちゃん」という一人の女の子の小学3年生から33歳までの人生が、前半は当時一緒に過ごしていた友人・知人の目線で、後輩は本人の目線で語られています。
まず、一話目(小学3年生)と二話目(中学1年生)で泉ちゃんの口調や性格がガラッと変わっていてビックリ。これは物語の語り手が、一話目では13歳も年上の近所のお姉さん、二話目では同級生という、本人との関連性によるものか、一話目で少しだけ語られる彼女の複雑な生い立ちによるものか…
年齢が上がるにつれ、「泉ちゃんってもしかして結構ワガママなのでは?」とか「かなりひねくれた性格なのでは?」という疑念が浮かんできます。考え方や価値観がブレないところはかっこいいけど、かなり個性的でちょっと厄介な人かも」という印象。
でも、後半になって語り手が本人になると、その性格に影響を与えた出来事やその時に本人の思いがわかって、彼女の欠点が愛おしくなりました。
実は物語の中に出てくる郵便屋さんのシリーズの番外編であることを後から知りました。でも、そのシリーズを読んでいなくても十分に楽しめます。次は郵便屋さんシリーズも読んでみたいです。 -
Posted by ブクログ
「とにもかくにもごはん」の作者 小野寺史宣さんによる心温まる物語♪
泉ちゃん、すごくチャーミングな女性!
小3の泉ちゃんは不仲になった両親と離れて、おばあちゃんと2年間暮らします。
その時の泉ちゃんを語る近所のアカシヤという商店の娘 弓乃さん。
中学生の泉ちゃんを語る綾瀬さん。
高校生の泉ちゃんを語る従兄弟 修太くん。
高校を出てアパレルのお店でバイトを始めた泉ちゃん。たまたま靴下を買いに来た歌男さんは、泉ちゃんを好きになり付き合うことに。
歌男さんと別れたあとに付き合い始めた輝伸(テルちん)さん。
泉ちゃんは裏表がなくて、人との付き合いの中で失敗してしまったり、傷つけてしまったり。
私もそうだった、とか、泉ちゃんみたいな人って周りにいたよな、とか、泉ちゃんみたいに私もしたかったー!とか色々頭に浮かびながら読み進めました。
みんな、泉ちゃんに影響を受けて、泉ちゃんのことが好きです。
最後の3章は泉ちゃん本人が語ります。
小学生から30代までの泉ちゃんの歩み、最終章の新たな出会いにホロッとしました。
ミステリーや推理小説みたいに大きな盛り上がりはないですが、そこがこの物語の醍醐味だなと思います。