小山宙哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ感無量である。月軌道に投げ出され、死を覚悟した六太。視界に入ったソユーズから日々人が救助ネットを投げる。六太は一度は掴んだものの、意識が薄れ、手を離してしまう。また絶望かと思った。それでも日々人は諦めない。宇宙船を蹴り、冷却剤を噴射し、六太へ飛ぶ。最後に掴んだのは、メドヴェージからソユーズへ移る際、二人がお守りとして持っていたジェットアームだった。日々人が六太の腕にしがみつき、「掴んだ」と叫ぶ。涙が止まらなかった。六太が漂流したのは、ラッシングベルトが外れて流されかけた日々人を救ったからだ。かつて月面では六太が日々人を救い、今度は月軌道で日々人が六太を救う。互いが互いを生かしてきた二人は、ここで本当の「宇宙兄弟」になった。救出後の「おかーり」「た〜いま」、シャロンとの再会、雨の中を自転車で走る姿にも泣かされた。最後の「ゆっくり行こうぜ」も優しい。18年、46巻。この結末を読めて嬉しい。何度笑い、励まされ、泣いたかわからない。最後まで描いた小山宙哉先生と、作品に関わったすべての人へ、感謝の拍手を送りたい。二人を最後まで見届けられて幸せだった。『宇宙兄弟』は、いつまでも胸に残る名作でした。
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Posted by ブクログ
言葉にならない熱量と、静かな余余韻。この作品に出会えて本当によかった。
46巻、読み終えたあともしばらく本を閉じられませんでした。
読後のこの胸の熱さと深い余韻を、忘れないうちに書き留めておきます。
◯現場の息遣いまで届くような作画の凄み
六太の救出シーンから、協力者たちが感情を爆発させる場面への流れが圧倒的でした。小山先生の描き込みから画面の向こうの空気がピリピリと振動しているのが伝わってきて、自分も現場で一緒に息を止めて祈っていたかのような錯覚に陥るほどの没入感。あの歓喜の空気感は凄まじかったです。
◯立場を超えた「仲間」としての誇り
NASAの管轄から外れるという現実的な展開を経てもなお、NASAメンバーたちが最後までそこに居続けてくれたのが本当に胸熱でした。「兄弟が帰還するまで見届けるのが、自分たちの仕事だ」。誰に言われるでもなくそれを理解し、誇りを持って見守り続ける大人たちの姿に、深い愛とプロフェッショナリズムを感じずにはいられません。
◯あえて「描かない」ことで広がる物語の余白
そして何より痺れたのが演出の引き算です。全員に喋らせて説明的にすることもできたはずなのに、あえてセリフを削ぎ落とし、六太との再会すら明示的に描かないキャラクターを残している。すべてを語り尽くさないからこそ、「あの後、どんな言葉を交わしたんだろう」と読者の想像力が掻き立てられ、読み終えた後も彼らの人生がずっと続いていくような愛おしい余韻に包まれます。
熱狂的な興奮と、じんわりと心に広がる静かな感動。
その両方が最高の形で詰まった一冊でした。間違いなく、自分にとって特別な一冊です。