岡田悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
入っては出ていき、入っては出ていくような、とどみなくサラサラと穏やかに流れる荒川下流のような文章がある。読書感は絹のように滑らかで、抵抗なく脳の中に入ってくる。
こんな文章、こんな文章なんだ!私が書きたいのは。スラスラと読むことができ、読み終わった後にそのまま頭から抜けていってしまう軽くて滑らかな文体は読んでいて心地よい。正直内容自体はなかなか記憶には残らないけど、室内ジャズを聞いているかのような、何も邪魔をしてこない品の良さがある。
記憶に残らないからこそきっと再読しても楽しい本になるだろう、とすら思える。また読みたい!となる本でした。 -
Posted by ブクログ
作中でも記載されているが、
これは父から子に宛てた「手紙」であるのだ。
コロナ禍に父になった岡田さん。
きっと今の記憶が残っていない君(子供さん)に向けた「手紙」。
そこで描かれている日常は全て幸せなことばかりではなくて。君が病気で苦しんでいる様子や、親としてあたふたするさま。もっとこうしていればよかった、というさま。
私は現在結婚もしていなければ、勿論子供もいない。子供を欲しいと思うことがなかった。
文中の中で、岡田さんが「子供が産まれると人生の主役が変わる、もっとやりたいこともあるし子供は欲しいと思っていなかった」という旨の文章は痛いほど気持ちがわかる。
たった一度の人生で、主役じゃなくなるなんて。
そう思っていた。
この本を通して、気付いた。
自分だけのランウェイ歩めなくなることが不安なんじゃなくて、きっと「知らない」ことへの怖さが私にはあるのだと思う。
いつになるかわからない。
だけど私にも“君”ができる日が来ればいいなと少しだけだけど前向きになれた一冊だった。
その時はきっと私もこんなふうに「手紙」を書き続けるんだろうな。
ドタバタ珍道劇ではない、酸いも甘いもある本だからこそ、気持ちが明るくなった、そんな一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
略
<内容>
多摩川を河口から源流まで歩く旅(長さが138キロで、宇宙の誕生から138億年と言うことで、タイトルに)、25時間分の録音データを再現したり、25年前の本『子どもの道くさ』の著者と、25年前の道くさの場所を辿ったり、メールからいないはずの親戚を調べたり、仮想空間を彷徨う「ひと」を追いかけたり、17年前に2秒だけ見えた海(静岡でした)を探したり、古いカーナビの案内で街を彷徨ったり、学生時代に住んでいた寮を10年ぶりの1日泊ったり…。やりたい放題なのだが、読んでいると意外とハマる。人と違う発想を実現してしまう著者にちょっと嫉妬したり。 -
Posted by ブクログ
1年弱の育休を取り、仕事復帰後も家庭中心の日々を送る、2020年代の父親像。我が子へ語りかける手紙の形式で紡ぐ、ユーモアと愛情に包まれた新時代のニューノーマル・育児エッセイ。
正直子供は苦手だし、自分の育った環境のせいで、家庭を持つことそのものに希望が持てない。どっちかというと一人でも寂しくないし気ままでいいなと思っていて子供なんて自由が奪われて面倒なだけだと恐怖すらある。でも、このエッセイを読んでいると、すごい大変そうなのに、それよりも自然に湧き出る喜びが見えてしまう。夫婦のぎくしゃくも当たり前に起こるけれど、そんな中でもきちんと話し合う岡田さん夫婦はすごい。少数派かもしれないけれど、逆境すら楽しみながら子育てを全力でしている姿を読んで、自分のことを最優先に考える人生も楽しいけれど、それとは別に子供のことでいっぱいな人生もそれはそれでアリだな、と思えた。こういう風に親が自分のことを思ってくれていたのだな、とも読めてちょっと泣ける。お子さんが大きくなって読んでくれる日が楽しみですね。 -
Posted by ブクログ
10年共に暮らしたペットボトルの意外な正体、トリセツ554冊から浮かび上がる衝撃の真実・・・記事累計800万PVの人気ライターが「部屋だけ」で繰り広げる日常エンターテインメント。ペットボトル・トリセツ・入浴剤・・・部屋にあるモノたちへの狂気の執念が導き出す、まさかの結末――。
前作では世界へ旅立ち、部屋で終わっていた岡田さんの本ですが、今回は部屋の中をめぐる"旅"。今回もめちゃくちゃ面白かった!普通じゃない(褒め言葉です)感性と発想に驚いてばかりでした。紅茶の行方がまた素敵なんだなあ~。部屋の中という一見閉ざされた世界に、小さな煌めきがこんなにたくさんあるんだ!と新鮮な気持ちでいっぱい。自分の部屋は元々愛着があるけれど、視点や考え方次第でもっと楽しくなるんだなと。退屈な毎日を一瞬で照らす魔法みたいだ。