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Posted by ブクログ
旅とは何なのか。
なにが私たちを旅へ駆り立てるのか。
私にとって旅とは何なのか。
最近ちょうどそんなことを考えていた。
長野と九州を何度も車中泊で往復し、その道中を埋めるように寄り道を重ねるなかで、「旅は距離なのか?」という問いが頭から離れなかった。
思えば、2019年から約2年間バイクで放浪し、伊豆へ移住したあとも、訪れた知人に「コニタンは旅人だよ」と言われた。そのときは「もう定住したのに?」と思ったけれど、それ以来ずっと「自分にとって旅とは何か」を考え続けている気がする。
数日前の日記には、こんなことを書いた。
「私が求めているのは、予想を裏切られること。思いもしなかった世界へ連れて行かれること。そして、その状況に対処する自分を知ることだ。」
だから私は、旅も、映画も、料理も、登山も好きなのだろう。
あまり計画を立てずに旅をするのも、初めての料理を正解を知らないまま作ってみるのも、サスペンス映画ばかり観るのも、全部同じ理由だった。
未知に出会いたいから。
この本は、その感覚をさらに広げてくれた。
旅は遠くへ行くことだけではない。
未知は日常にもある。
アパートの前の用水路にも、熱せられたフライパンの中にも、遠浅の磯にも、山で足元をじっと眺める時間にも。
事故で脚を怪我してから4年。移動を制限され、入退院を繰り返し、今回も約2週間半の入院生活を送っている。
それでも、自分は旅を失っていなかった。
ベッドの上でも、新しい視点に出会える。
世界の見え方は変えられる。
そんなことを、この本は軽やかなユーモアとともに教えてくれた。
エッセイはあまり読まないし、正直少し苦手なジャンルだ。でも、この本は今まで読んだエッセイの中で一番面白かった。
病室の薄いカーテンの向こうに気を遣いながら、何度も声を殺して笑った。
読んでよかった。
Posted by ブクログ
とあるテレビ番組で紹介されていて気になっていた1冊。
旅の良し悪しは距離では測れない。
冒頭の、学校の帰り道の「白線を踏み外したら死ぬ日」が、これもまた冒険であり旅である事に共感した。学校→家という何の変哲もない毎日のルーティンにこういった遊び要素や寄り道などを入れる事による特別感。新しい発見があって小さなドキドキの宝庫だったなぁ。
どの旅も笑いあり、驚きあり、ハラハラありで面白かった。誰かに決められたものではない旅は本当に魅力的だと思う。
観光地ではないところの面白さが詰まっていた。
距離的に遠いところから始まり、最後は部屋の0メートルの旅。
こんな楽しみ方があったのか、と。
NHKでやっていた『ユーロヴェロ』の旅。ずっと憧れているものの、家庭の諸事情により、実現させられなかったけれど、これなら似た旅を体験できるかも、と希望が持てた。
旅の素は自分のすぐ近くにも落ちていたのだ。
Posted by ブクログ
会社員時代、移動中や昼休みにむさぼるようにオモコロ記事やブログを読んでいた岡田悠さん、書籍化されたものを読むのは初めて。既読エッセイも含めて楽しく読んだ。
出版時のコロナ禍を思い出させる、家の中や近所で工夫して「旅」をするエッセイも著者ならではの面白さだが、海外旅行好きとしては海外編に特にわくわくした。
イスファハーンのイスラム建築だとか、サマルカンドのミナレットだとか、インドとパキスタンの国境で行われる後納式応援合戦だとか、異国情緒に惚れ惚れ。
ただ本書で訪れている場所は今危なくて行けないような国も多く、戦争は悪だと改めて思う。
歳をとり、生活もどんどん便利になっていき、予定調和から外れることが年々嫌になっている気がする。
本書を読んで、思いもよらないアクシデントを面白がる遊び心と、なんとかする強さを失わないようにしたいと思わされた。旅行中だけじゃなく、日常でも!
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