あらすじ
「遠くに行く」だけが、旅じゃない。予定不調和と非日常を愛する心があれば、すべての行為は「旅」になる。南極から家の中まで、日常を引き剥がす16の物語。記事累計300万PVの会社員ライター鮮烈のデビュー作。
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海外編、国内編、近所編の3章仕立て。
「海外編」は治安があまり良くない、一般的には旅行では行かない地域にも足を運んでおり、普通の旅行記としてもとても面白い。
後半「国内編」「近所辺」は特に、著者のユニークな感性やアイデアが発揮されており、こういうふうに人生を楽しんでみたいな、と羨ましくなる。
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16350000メートルから、0メートルの旅まで!
幅広すぎる!それがとても魅力なのです。
そう、
いきなり南極の旅から始まり、最後まで予想できない展開ばかりで、とても楽しかったです。
臨場感あふれる文章で、私もいろいろなところを旅してきた気分になりました。
ときにひやひやしながら、
なんでこんなにうまくオチがあるのだろう、と
感心してしまいます。
後でネタにすると楽しいけれど、
海外の場面ではお話を読んでいるだけでも、命がけの場面が多々見受けられる中、
ここにいていいのか、とか、この人を信じていいのか、とか、
そんな状況を人一倍経て来ての判断力や勘がかなり培われているのだろうな、と思ったりしながら、
時に1人で笑いながら部屋で平和に読んでいました。
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南極から家の中の旅(?)まで、どれもこれも楽しいエッセイ。実際にやってみる行動力とそれを実行できる体力と気力がもう半端ない!どのエッセイも面白くてどれもおすすめ。少しでも旅の好きな人ならぜひ読んで欲しい。
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とても面白かったので夫にも勧めたら、夫も楽しく読めたそう。
海外編でのイスラエルやイランでの旅の話はトラブルがありながらもしっかりオチがあって笑えた。
仙台での驚異の行動力も面白かったし、寿司屋のクーポンの話では普通なら目に留めないことをここまで追求して周期性を見出すと興味深いネタになるんだなと感心しました。
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2024.7.19発売の雑誌『CU』で書評をコラムを書かせていただいた。定期的に読み返したくなるワクワクする旅エッセイ。どの話も面白いのだが、とくに古地図片手に近所を歩き回るのが素敵すぎた。
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(気に入ったフレーズ)
映画「南極料理人」過酷な環境下での最大の楽しみが、食事である。
クロハリオ
まず歴史的遺産だ。かつて世界の半分と称されたエスファハーンに、ペルシャ帝国の古都ペルセポリス。ゾロアスター教の聖地ヤズドなど、世界史を専攻した人にとっては垂涎もののスポットがそこら中にあふれている。
ポテンシャルタクシー
旅行ガイドが好きだ。見知らぬ土地のガイドを読んで空想にふけることがある。特に、地球の歩き方シリーズは地域によって著者の個性がにじみ出ているのが良い。
サマルカンドという言葉の響きに魅了される人も多いのではないだろうか。心の底に焼き付いた町の名の記憶が、知らずに呼び覚まされるのだろう。地球の歩き方・中央アジア編より
これはウズベキスタンの古都・サマルカンドの描写だ。詩的である。もはやこの一冊は旅行ガイドというより詩集というべき完成度の高さで、ページをめくる手が止まらない。特に気に入っているのは、晴れた日に青いモスクが立ち並ぶ風景を表した一文だ。
サマルカンドでは、天と地が青の青さを競い合う。この名文は僕の琴線に触れた。
サマルカンドのウルグベク・モスク
アムリトサルの名所といえば、シク教の総本山たる黄金寺院。
国境ワーガ
エルサルバドル
箱根ヶ崎
我が部屋を巡る旅 グザヴィエ・ド・メーストル著
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旅行の思い出が蘇って、めちゃめちゃ旅をしたくなりました。
海外編も国内編もおもしろかったですが、私としてはご近所編がすごーくおもしろかった!!
こんな風に日常を楽しめるってすごくステキだなと。
旅好の友達に勧めたくなりました。
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こういう本大好き。
「旅のラジオ」が面白くて、それに関連していつか読みたいなと思っていた本。南極から始まり、最後は家の中で旅をする。
同じ習慣を繰り返すことでだんだんと日常は色褪せていって見えてしまう。本当は毎日同じ日なんてないわけだけれども。その「当たり前」というものを拭い去ってくれるものを見つけることで、毎日はより鮮やかに記憶に残るものになるんだなと思った。
自分は旅行に行けるようになったら迷わずに旅行をする。だけれど、もしできない日が続いても、日常の中の非日常を感じられるようなアンテナを立てて生活していきたい。
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彼の旅の記録は、勇敢でも、感動的でも、詩的なものでもありません。その内容は“旅先で自分は一体何をしてるんだろう”と思っていることの連続です。それを日常の出来事のように淡々と書いているので、なんだか笑えるし、共感できてしまう不思議な本でした。基本淡々と書かれてあるけれど、時に自分が感じたことを絶妙に織り交ぜておられて、笑ったり、しんみりしたりしました。
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コロナ禍にとっておきの一冊。
作者の類まれなる旅経験がリズムよく刻まれる。
痛快なテンポが軽やかだが、どこか心に染みるエピソードの数々はページを繰る手を加速させる。
旅行に行きたくなるよりも、旅行に行った気分になれる本って中々ないと思う。
ステイホームに飽き始めた心が蘇った気がする。
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ここ数年で読んだ本の中で最も面白かった。
とにかく安全圏から出るのが嫌いで、出不精で、石橋は叩いても渡らないくらいの慎重派で、会社も実家も恋人や友達の家も徒歩圏内にあってほしいと切に願う私にとって、旅は憧れでもあり、一種の苦痛でもある。
いつもと変わらない日常があることに安心する。予定調和の1日を終えると満足する。でも段々と、行動できる範囲も、思考も、狭まっていく。偏りが出て、固執しやすくなる。どこか遠くに行きたい。でもこのままずっと布団にくるまってたい。矛盾する欲求を同じだけ抱えた私にとって、今最も必要な1冊だった。この本は、私をいろんな意味で連れ出してくれた。
どこへ行き、何を見るかも勿論大切だ。経験は宝だ。でも、手の届く範囲、0メートルの距離にあるものも、どう捉えるか、感じるかで世界は変わる。
流れるように進む文章と、著者のユーモアのセンスに、全く飽きることがなかった。文才すご。分けてほしい。できればこういう本ばかり読んでいたいし、こういう文章書きたい。
最高でした。
Posted by ブクログ
南極から始まり、最後は家の中
世界各地様々な所に行った作者が問いかける「旅行とは」という問い
自分にとって旅行って何だろう、旅行の何が楽しいんだろうと改めて考えるきっかけとなった本でした。
一つ一つの話も面白く旅行好きには読んで欲しい一冊
Posted by ブクログ
2021/2/6
久しぶりに難聴になった。ストレスである。
私はタイに行きたいの。外国人という存在になってタイマッサージで揉まれ倒して喉がかゆくてもマンゴーを山盛り食べるのだよ。スーツケースが壊れるほどのお土産を買うのだよ。
そういうリセットの機会が封じられて難聴になった。
原因はそれだけじゃないけど占める割合は大きい。
そこでこの本の登場です。
岡田悠さんはバンジーの記事一発でファンになった。
それまでライターという肩書の人を個別に認識したことさえなかったのに。
どえらいインパクトであった。
それで名前で検索してイランの記事や出てくるもの片っ端から読んで、Twitterもフォローして以降そこで通知されたものは全部読んでる。エアロバイクも見てたよ。
ハズレなし。見つけた自分も褒めたい。
そんな人の初めての著書。
大事に読もうと思ってたけど面白くて読みやすくて一気に読んじゃうよね。
ネットでバラバラに読んだものが加筆の上、上手に並べられて、最後はうっかり感動してしまう仕上がり。
腕もありますよ。
お子さんが生まれて、また新しい世界が広がっているであろう作者の今後の活躍を楽しみにしています。
Posted by ブクログ
海外の旅話は、どれも気軽に行けるところではない話だったためワクワクしながら読めた。南極のホットスプリングに飛び込むのはやってみたいと思った。
改めて旅とは何だろうと考え直すきっかけになった。
1番心に響いた言葉は、「旅を書くことは、次の誰かの旅に繋がる」ということ。自分も旅をするので、心に留めて独り占めするのではなく、アウトプットすることで、知らない誰かの旅に繋がっていると思うと、嬉しく思う。この本を読んだことは、私の旅にも繋がっている。
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妹が著者のNoteが面白いと教えてくれたことが本書を知るきっかけとなった。
読む前は、旅本を読めばまた旅がしたくなるんだよなあ、程度だった。確かに前半を読むと旅をしたくなる。自分の目から見た世界がどう映るのか。著者ほどの経験を得られるとは思えないが(何せ知らない街の酒場を歩き回ったりできる人なので)、毎日同じように仕事をしている自分の生活と比べてしまう。
しかし、後半は今の生活も悪くない、工夫すればそれが旅だと言うことに気付かされる。
またこの気持ちを忘れた時読みたいと思える作品だった。お寿司のクーポンの話が一番大好き。
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いやー面白かった!
「都内で最も検索されていない場所」きっかけでこの本を読み始めたけど、イランの話やお寿司のクーポンの話など、見たことある話が多く、あれもこれも岡田さんだったのか・・・と改めて知る。
海外旅行も国内旅行もアイディアがすごいだけでなく、行動力の鬼なので読んでいて楽しい。また、文章もユーモアがあって読みやすく、理想的な旅行エッセイだった。
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旅行好きな著者が家から遠く離れた南極などの海外旅行から国内旅行、コロナ禍で旅行に行けなくなった家の中での旅行まで、体験を書いたエッセイ。
伏線があり、オチがついていて、エッセイ自体がおもしろいのはもちろん、イスラエル、パレスチナ、イランなど今戦争状態になっている国の話はニュースで見るより身近に感じられる。
また、国内旅行や近所、家編では、日常をより楽しく過ごすための工夫をこらしているのがいいなと思った。
近所を江戸時代の古地図だけで散歩するのはおもしろそうで、やってみたい!
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1つ1つのストーリーが短時間で読みやすいので毎日少しずつ読むことができた。
自分と似ている旅の仕方だったため非常に共感できた。
身近なところこそ大冒険が待っていることを改めて教えてくれた本
もっと読んでみたいと思った。
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移動距離が0メートルでも旅というとはどういうことだろうかと読み始めたのだけれど、最初は距離が気にならないくらい面白い。特に好きだったのが国境でのパフォーマンス合戦の巻。日本に住んでいる私には思いつかない状況もあるのだなあと。
その後、少しずつ、家からの移動距離が近くなってきて、いよいよ移動距離が一般的には「近所」といえる「旅」に。そんな時でも「旅」といえるくらいワクワクした状況。好奇心があれば、どんな状況でも旅と呼べるのかも。国内外、そして近所も含めて「旅」に行きたくなった。
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バックパッカーとしての珍しい体験談だけではなく、視点を変えることで近場であっても「旅」をすることを書いた本。
「旅とは、そういう定まった日常を引き剥がして、どこか違う瞬間へと自分を連れていくこと。そしてより鮮明になった日常へと、また回帰していくことだ。」という著者が下記のようなエピソードを紹介する。
エルサルバドルの国旗をプリントしたTシャツを作って宮城にサッカーを観に行くも現地人には会えず、エルサルバドル人と間違えられて日本人に写真を撮られる旅。
GWに東京でもっとも検索されていない駅を訪れて周辺を歩く旅。
江戸時代の古地図に載っている道だけ歩くことを課して、昔の畑にあるフランス料理店に通うことになった旅。
コロナ禍に、エンジニアに協力してもらって作ったエアロバイクをこぐことでGoogleストリートビューの世界を移動するシステムを使い、Twitterで募集した思い出の場所をたどりながら、自宅で日本を縦断した旅。
など。
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最後のまとめ方はちょっと整えすぎのかなと思えなくもないですが、この方の旅の好き加減や体験の面白さは読んだ人に旅をそそらせるエネルギーで満ちていると思います。コロナ禍でなくとも旅行好きな方は一読の価値ありまくりでオススメします。
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10年間飲みかけの午後の紅茶…
のイメージがあるから
勝手に岡田さんって引きこもり系かと思いきや
結構ワールドワイドでした。
言い回しとか面白い。
「海外知ってます!」みたいな文章じゃなくて
フランクで読みやすい。
Posted by ブクログ
友人に勧められて手に取った1冊。正直旅にはあまり興味がないんだよなあ...と思いつつ、たまにはエッセイを読んでみようと思い、思い切って購入しました。
そこまでの期待を持たずに読み進めていましたが、岡田さんのユーモアのあるリズミカルな文章にあっという間に引きこまれてしまいました。
海外から自宅の中まで、非日常の体験を描いた旅行記。
毎日当たり前のようにしている行動も、岡田さんの斬新な発想力とユーモアによって非日常に変わっていきます。
岡田さんの素敵な表現力に想像力を掻き立てられ、その地に行ったことがなくても情景を思い浮かべながら読むことができました。
何より、ただ部屋で本を読んでいるだけなのに まるで旅をしているような感覚になることがこの本の、いや、岡田さんの表現力のすごさなのではないでしょうか.....!
そして海外編でのハプニング。もしかして、旅ってハプニングがあるからこそ面白いのでは?!と感じてしまうほど、岡田さんの数々の壮絶な体験に思わず笑ってしまいました。
ただ旅先での出来事を書くだけでなく、そこから得られた新しい価値観や発見がうまく落とし込まれていて、旅にそこまで興味がなかった私でも最後まで飽きることなく楽しむことができました。
旅が好きな人はもちろん、そうでない人もとても楽しめる本だと思います!
Posted by ブクログ
第1章海外編はイマイチ。行った国は多くいろいろな出来事が行く先々で起きていることはわかるが、文章の粗さがかなり目立つ。情景がまったく思い浮かばず、あった出来事を勢いでそのまま紹介しているように感じる。文化を紹介してるにはぜんぜんわからず、トラブルにしては小規模。
もう少し心情や情景などを詳しく書いてればもっと面白くなっただろうなと思う。
行った国を知ろう、という旅人でなく、思いついたら見に行って感じようというタイプの旅人。文章から旅人特有の癖だったりこだわりだったり知的さがまったくなかったので残念。
1章の海外編は微妙なので、2章から読むと面白い。
特に『畑のフランス料理店』はかなり良かった。
タイトルの意味は、後ろから10ページのところで登場している。
本の流れは良かった。この著者は国内の旅行記がかなり面白いので、一章は3つ程度、国内以降にもっとページを割いて欲しかった。
Posted by ブクログ
現在は普通のサラリーマンだが、学生の頃から旅行が趣味の著者の紀行本である。半分は海外で半分は国内の旅行についてであるが、どちらかというとエピソード集という趣である。
海外の旅行先はエキゾチックな中近東やアフリカやインドなど、一般的には敷居が高めの国が多いので追体験をするように楽しめる。男性でないと、しかも若くないとこういう旅はできないだろうな~と思いながら読んでいた。私も学生時代にバックパッカーを少しやったので、懐かしい部分もあった。
国内は普通のブログのような文章では企画的に月並みだと思ったのか、場所というよりは特異な思い出が綴られていたりする。旅行が生きがいの著者がコロナで出かけられなくなり見つけたものとは。
珍しい国への冒険的な旅行書は高野さんや池田さんの著書を読んでいるので、特別感は感じなかったが、普通にエンターテイニングでさらりと読みやすかった。人生を楽しんでいる感じが伝わってくる。これからも有給や貯金をバンバン使っていろいろな旅を続けていただきたい。