岡田悠のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ここ数年で読んだ本の中で最も面白かった。
とにかく安全圏から出るのが嫌いで、出不精で、石橋は叩いても渡らないくらいの慎重派で、会社も実家も恋人や友達の家も徒歩圏内にあってほしいと切に願う私にとって、旅は憧れでもあり、一種の苦痛でもある。
いつもと変わらない日常があることに安心する。予定調和の1日を終えると満足する。でも段々と、行動できる範囲も、思考も、狭まっていく。偏りが出て、固執しやすくなる。どこか遠くに行きたい。でもこのままずっと布団にくるまってたい。矛盾する欲求を同じだけ抱えた私にとって、今最も必要な1冊だった。この本は、私をいろんな意味で連れ出してくれた。
どこへ行き、何を見るかも勿論 -
Posted by ブクログ
ネタバレ2021/2/6
久しぶりに難聴になった。ストレスである。
私はタイに行きたいの。外国人という存在になってタイマッサージで揉まれ倒して喉がかゆくてもマンゴーを山盛り食べるのだよ。スーツケースが壊れるほどのお土産を買うのだよ。
そういうリセットの機会が封じられて難聴になった。
原因はそれだけじゃないけど占める割合は大きい。
そこでこの本の登場です。
岡田悠さんはバンジーの記事一発でファンになった。
それまでライターという肩書の人を個別に認識したことさえなかったのに。
どえらいインパクトであった。
それで名前で検索してイランの記事や出てくるもの片っ端から読んで、Twitterもフォローして以降そこ -
Posted by ブクログ
ネタバレ<目次>
略
<内容>
多摩川を河口から源流まで歩く旅(長さが138キロで、宇宙の誕生から138億年と言うことで、タイトルに)、25時間分の録音データを再現したり、25年前の本『子どもの道くさ』の著者と、25年前の道くさの場所を辿ったり、メールからいないはずの親戚を調べたり、仮想空間を彷徨う「ひと」を追いかけたり、17年前に2秒だけ見えた海(静岡でした)を探したり、古いカーナビの案内で街を彷徨ったり、学生時代に住んでいた寮を10年ぶりの1日泊ったり…。やりたい放題なのだが、読んでいると意外とハマる。人と違う発想を実現してしまう著者にちょっと嫉妬したり。