鯨井あめのレビュー一覧
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購入済み
題名の通り
題名の通りキラキラした掌編が次々と登場してきた。一読しただけでは意味がわからないものも少しはあったが、それでも 語り口が可愛らしいのでどんどん読み進めることができる。ただどの作品もこの調子だとだんだん飽きてきそうな気もする。本編はどんな感じなのだろうか?
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Posted by ブクログ
地球には沙(すな)が降り積もるようになり、嵐に巻き込まれると遭難することもある。人々は小さく残ったエリアに集中して住み、地域を電車が繋ぐ。天候荒れなければエリアの外を歩いたりすることも可能。そんな世界では音楽など想像する芸術を生み出す能力が衰退し、AIがかなでる昔の音楽やAIの創作に頼りきっていた。
世界観に浸り混むのが少し難しく、世界観の答えもあまりない、設定がフワッとしていた。でも、この中で作り出された2人の生き方には引き込まれていった。1人は音楽に生きたくて、1人は詩を紡ぎたい。2人の世界は同じ場所やある音楽で繋がっていく。純粋な生き方に同調させられながら世界に入り込んでいく小説だった。 -
Posted by ブクログ
p13「春の空は柔らかく、引きちぎられた綿菓子のような雲が青の半分を占めていた」
とても良い表現!好き。空をこんなにきれいに表す言葉、初めて。
p182「無関心である事は、人に優しくできないという事だ。自分勝手である事は、感情の矛先を間違えるということだ。優しさの本質は他者への興味だ。」
先輩が読書家で、よく本に出てくる言葉を言うシーン。本好きな人って、語彙力高そうで憧れる。
p246「小説は現実に影響を及ぼすよ。人の考えを変える力がある。」
p285「小説はいいよ。真っ白な紙にインクで文字を写しただけなのに、人の心を動かす。魔法みたいなものだ。生み出される意味があるものだよ。」
p333