ドネリー美咲のレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
正直、読むつもりは全然なかった
タイトルを見て「またか」とウンザリした。
はいはい沈みゆくお先真っ暗な哀れな日本、共感力の無い若者、悲惨な老後、ショッキングな将来像…わかったわかったもう沢山。
「貴方の未来は真っ暗ですよ、ほーらこんなに可哀想な人たちで溢れかえった惨めなこの日本を見て!そしてこれよりはマシ、とちっぽけな憂さを晴らしてね!」という辛気臭い漫画の、なんと多いことか。
まったく、特殊清掃だの鬱だの難病だの毒親だのモラハラだの次から次へとよくもまあケッタクソ悪い物語を思いつくよね!と昨今の「バズり漫画」にいい加減飽き飽きとイラついていた。
でも、表紙の女の子がなんか元気そうで辛気臭くないポーズをとっていたのと、ヘンな猫が気になって、つい読んでみてしまった。
絵はクセがある。
ぶっちゃけ上手くはない。
でもギャグが面白い。
モノローグ多めなのに飽きさせない。
言葉選びの塩梅が素晴らしい。
登場人物が紙の中でちゃんと生きている。
みんな表情が活き活きしていて前向きで、誰も良い子ではないが後ろ向きではない。
ガッツがある。
人生を投げ出していない。
たまに進撃の巨人になったりちびまる子になったりドラゴンボールになったりする。
主人公がアホだけど素直で可愛い。
ナスダなんとか君が母性本能くすぐる系で可愛くてイケメンに見えてくる。
猫の将来を真剣に考えている。
猫を最上位に位置付けて考えている。えらい。
気が付いたら2巻とも買っていて3巻が待ちきれなくて連載に課金しようかと迷っていた。
恐ろしい漫画だ。めちゃくちゃ面白い。3巻を待ってます。早く。 -
Posted by ブクログ
身内の孤独死をきっかけに、35歳独身女性が「終活」を考える話。
タイトルで死にたい言っていますが、「よりよく死ぬためにしっかり生きよう」とする漫画。いたずらに煽るような表現はなく、軽妙なギャグに笑いながら読める。
だけどメッチャ真面目に正面から向き合っているので、胸にブスッと刺さった刃が読み終わってもまったく抜けない。そのバランス感覚がすごい。「孤独死」という題材で、この笑えて考えさせられる真面目で優しい読後感というのは、なかなか稀有なのではという気がします。個人的に期待の一冊。
著者の漫画作品はサブカル属性のイメージでしたが、これは広い層に読まれてほしいなと願ってしまう。
面白かったのは、色々な立場の人の生き方が出てくる所と、その描き方。
独身アラフォー女性を主役に、苦学生・専業主婦・共働き子育て・老後・親の介護…etc。それぞれの立場の価値観ギャップ、世代ギャップが非常にわかりやすい。ひとつの視点の生きづらさだけでなく、自分とは違う立場の人への無神経さ・残酷さがきちんと描かれているのが誠実です。主人公の鳴海は自分のイヤなところをきちんと自覚するので、嫌味なく読めるのが上手いなあと思う。真理はズドンと刺しながらも、全方位の表現に配慮があるので、言葉の使い方が巧みだなと唸るばかり。
あとセリフが魅力的です。刺さる表現がたくさんありました。
実家が太い鳴海と、苦学生と思われる那須田くんの価値観の相違、特に奨学金のくだりは耳が痛かった…
鳴海の親世代における専業主婦と働く女の対立など、なんか見たことがあるぞーという、分かり合えない壁がたくさん出てきて、あーいたたたたってなります。
「ひとり」を描くためにこそ、様々な個人の生を描き、自分とは違う他者がたくさんいる世界で、ひとりの人ほど「人」を大切に生きていかないといけない……という気づきの視点が良いなと思いました。潔い。
不安と孤独の処方箋として、推しと言う名の「希望」を提示するのも、カレー沢先生らしくて良いです。
好きなものがある人生、万歳。あと猫は神。
孤独死のリアルを書いている本も、お金の稼ぎ方や人間関係の築き方を書いている本も、山ほどあるのでしょうが。ハウツー以前の意識部分を、こういうアプローチで攻めるのは漫画ならでは。
最近の推し漫画です。現状把握の一巻から、どう展開してどう着地するか。続きが読みたい〜 -
Posted by ブクログ
カレー沢 かなり正面から衝突(突撃 猛攻)している 四十代以上の人には必読 五十代以上にはもっと必読
叔母の孤独死をきっかけに、自分の老後について考え始めた三十代独身の主人公 社会保障や老後環境についていろいろ知ってゆく 遅蒔きのビルドゥングスロマーン
主人公は実はけっこう恵まれた環境にいる 主人公をみちびくベアトリーチェ的な存在は二十代の同僚であり元苦学生 那須田くん その彼があてはまるロスジェネの世代がしわ寄せをくらっておりいちばんきついのだなあ
それ以前の世代 そしてしわ寄せを喰らわなかった者たちが どうふるまうべきなのか むずかしい問題だとおもうが そのことも正面から扱われている すりきれてしまった糸井重里 氏などにはもはやできなくなってしまった立ち位置か
主人公の仕事は学芸員だが カレー沢 氏は東京都写真美術館のフリーペーパーで紹介漫画を長期連載している 知らない向きは面白いのでオンラインでも読むとよいです -
Posted by ブクログ
エッセイだけじゃなくて漫画も素晴らしいカレー沢薫先生の本です。
おばが亡くなってから終活について考えるアラフォーの漫画…と言ってしまえばそれでなんですけど終活といってもそんなに暗くならずに読めました。独り身アラフォーの自分としてはグッサグサ刺さる所はあるのですが。
まず、しょっぱなから結婚もせず子供も産まないで一人で好き放題していて”罰が当たった”と言われるあたりで一刺し食らいました。結婚してないの、そんなに悪か!!子供産まないのそんなに悪か!!とゴロゴロ転がってしまいました。
この本の救いは法的な知識を得られるという事と、おキャット様。魯山人と山頭火(両方イカした猫の名前)が可愛いのなんのって。この二匹の存在が無かったら本当に重たくて一度読んだらしばらく読み返すことのできない本になっていたかもしれません。
あと、推しは重要という事も分かりました。最近は漫画やドラマ、アニメにプラスして特撮を大いに推している私ですので、推しのために生きる!!と言う気持ちはありますし、推しの活躍を見切るまでは死ねない!という気持ちもあるので、持病の少々である希死念慮も起こっていません。
今できることは断捨離して遺言状書いて、死んだときにこの一人暮らしの部屋をどうしてほしいかを考えて置く事かなぁ。と思います。2巻も楽しみです。