桜林直子のレビュー一覧
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たまたまポッドキャストの「となりの雑談」で著者の桜林さんを知り、面白そうだったので読みました。
10〜30代くらいに、きっと多くの人が直面するであろう不安や不満、居心地の悪さや違和感、そんな言葉にできないモヤモヤとした感覚を上手く言語化して掬い上げてもらったなという感じがします。
読むと「この人はこのことについて、ずっと逃げたり誤魔化したりせずに考え続けてきたんだな」という思いの量をずっしりと感じますが、文章は軽快に進むので、読みやすさと読み応えを両立させた良書だと思います。
「人のせいにするかわりに、自分の決めたことに振り回されるほうがいい」
という一節が、個人的には心に残りました。 -
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「人生はただの時間だから、死ぬまでの時間を何に使うか、誰といるかがすべてだと思う。」
他人のジャッジや反応は置いといて、自分の心地よさや価値基準にフォーカスして。
文中、平野啓一郎が愛について語っている一文が紹介されていて、それがすごくよい。
「愛とはその人といる時の自分が好き、という状態のこと」
美輪明宏のラジオにゲスト出演していた時にも同じようなことを話していて、深くうなずいたのを覚えている。
「『やりたいことを見つける』とは、運命のたったひとつの何かに突然バッタリ出会うのではなくて、小さな喜びや自分がアガることを見つけて、それをガマンしないで、自分を喜ばせ続けていたら、気づくとすでに手 -
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「自分のサイズと持ち物のチェック」…サイズを知るとは、変えられない環境や「ほっといたらこうなる」性格、「こうしたい」希望を洗い出して、把握すること。これだけは譲れないものはなに?持ち物とは、自分にできることを並べること。メールの処理能力、おせっかい、解決力など。「できたらいいな、やってみたいな」は選ばないこと。
やりたいことを100個リストにする。
わかるために、書く。書き出す。
素直って、自分の感情や考えを自分のものとして大事にできるかどうか。それができると他人の考えも自分の考えと同じように大事にできる。素直であることが大事なのは、できるかどうかにかかわらず、自分がどうしたいか知っている -
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よい本だった。
雑談のハウトゥーやテクニックではなく、また学者さんではないので知らない言葉や概念が一切出てこない。雑談が苦手という人とたくさん話してきてわかった苦手意識を簡易な言葉で言語化している。
自分のことを話す(自己開示)のが苦手な人は自分の話を聞いてもらうなんて申し訳ない、せめて良き聞き役として役立ってその場にいることを許されたい、というのは本当にそのとおり。しかし、それでは自分に意地悪すぎる。
自分の中の鬼コーチは以前は自分を守ってくれて助けられたこともあるが、いつまでも万能ではない。そこで登場してもらうのが平野レミである。
雑談といいつつ、対人との距離感に関する悩み全般に役立つと思 -
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私がイメージする雑談は、「場を滑らかにするもの、共有した時間を楽しむもの」だったけれど、この本では世間話以上相談未満の会話、自分を前に進める目的意識があるものを指しているようだった。
他の同様のテーマの本を読んでも共通して、自分から開いていく姿勢は大切なのだと感じた。
相手がどんな人かわからないのに自分の柔らかい部分は見せづらいし、会話のおかしみもそういう隙のあるところから湧き出るものだと思う。
自身の考え方のクセを自覚し、歳を重ねてからでも他者と関わることで素直さを獲得して生きやすくなると書かれていることに希望を感じる。
一方で、他者に対して自身を開く準備がまだできない人もいて、開かない -
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ネタバレ人生を生きやすくするエッセンスがぎゅぎゅっと詰まった一冊。
以下、大事にしたいなと思ったフレーズ。
☑︎「傷つけられた」のではなく、「傷ついてきたけど、その後も頑張って生きてきた」にフォーカスを変える
☑︎「世界はあなたを傷つけないようにはデザインされていない」と「何人も私を傷つけることはできない」は同時に成立する
☑︎平野レミさん、気高い姫などキャラを心にすまわせる
☑︎嫌な時にはノーという。ノーと言った方が選択肢が不思議と広がる!
☑︎(他者に)「影響されませんよ」「受け取りませんよ」という意識
サクちゃん、スーさん、それぞれ切り口の違う考え方があって興味深かった。
時折読み返して、さ -
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“生きづらい”という言葉、概念をひもとく1冊。
トークイベントで著者である“サクちゃん”と精神科医の星野概念さん、文化人類学者の磯野真穂さん、臨床心理士の東畑開人さん、ライターで星占いの記事を書く石井ゆかりさん、ライターでラジオパーソナリティーの武田砂鉄さんがそれぞれ対談した内容を元に書かれている。
それぞれの対談で、全く異なる切り口で“生きづらい”とは何かが語られていて、非常に興味深く、おもしろかった。
サクちゃんの“このやり方だと上手くいきそう”みたいな考え方がちりばめられていて参考になった。
特に文化人類学の回では、それそのものも面白そうだし、ピダハンという民族の話や「人間は常に歴