【感想・ネタバレ】あなたはなぜ雑談が苦手なのか(新潮新書)のレビュー

あらすじ

「自分の話がうまくできない」「いつも聞き役ばかり」「もっと仕事以外の話がしたい」……そんな悩みに、これまで三千回以上のマンツーマン雑談を行ってきた著者がこたえます。よい雑談の条件やそのメリット、話が苦手な人の共通点とは? 雑談を通して考えや思いを相手に伝えることで、「自分がどうしたいか」がわかってくる。「不信メガネ」「プール理論」など独自の思考法を駆使して、そのエッセンスをやさしく伝える雑談入門。

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Posted by ブクログ

Howto雑談、な内容かと思ってた。
とんでもない。哲学だった。
思い当たる節が多すぎて、読んでて辛くなった部分もあるが、読み進める間、ずっと背中をさすってもらってる気分にもなり、泣きそうになる部分も多かった。

常に聞き役だった。今もそう。
なぜか、そのほうが「良い」と思ったからだ。
話を聞ける人って、頭良さそうじゃない?
話を引き出せる人って、かっこいいじゃない?
「ここで否定せず、受け入れて…」ってスキルを持ってる自分、すごくない?
そんな思いがあった。いまもある。

一方で、面白く話せないかもしれない、という自信のなさを隠したかった。ダサく見られたくなかった。これも、いまもそう。
言葉の選び方を間違えたらカッコ悪いな、とか
ばかみたいな考え方してるなって思われるかな、とか
話さないことは、自分をかっこよく見せられると思い込んでいたし、自分の良くない(と思ってる)ところを人に見せないようにする手段だった。

でも、この本を読みながら、心はたしかに「話したい」と感じた。明確に。泣きそうになるほどに、聞いてもらうこと渇望した。

うまく言葉が紡げなさそうだが、私の友人はきっと受け入れてくれるだろう。
雑談をしに、会いに行こうと思う。





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2025年11月30日

Posted by ブクログ

「雑談が苦手」という多くの人が抱える悩みを、“性格の問題”ではなく“構造の問題”として捉え直してくれる一冊です。

おもしろいポイントは、著者が自身のコミュニケーションの癖や、雑談がうまくいかない理由を徹底的に言語化しているところ。
雑談が苦手な人は「話題を広げないといけない」「うまく返そう」と無意識に力んでしまいがちですが、本書ではそれを“雑談の役割を誤解しているから起きる現象”として分解し、どうすればラクに人と接することができるかを具体的なステップで示しています。

特に面白いのは、「雑談は情報交換ではなく、“相手と同じ空気にいるための儀式”である」という視点。
自分がどんな場面で緊張しやすいか、その背景にある思考クセは何か、といった“自分の取扱説明書づくり”が提案されていて、実践心理学に近い読み心地です。

温かくユーモラスな語り口で、自分を責めがちな読者の心に寄り添ってくれるため、「コミュ力本が苦手な人」にこそ刺さる内容。
読み終わる頃には、「雑談ってもっと軽くていいんだ」と肩の力が抜けるような一冊です。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

手に取ったきっかけは私自身が雑談が苦手だということではなく、私の推しのジェーン・スーが推しているから読んでみようという軽いノリだった。
が、こんなに丁寧に雑談、つまりは人の話を聞くと言うこと、自分のことを語ると言うことを分解、説明してくれていることに驚きの連続と発見の嵐であった。
言葉を雑に扱わず、丁寧に考えてきたからこそのわかりやすさ。
最も刺さったのはプール理論と相手の扱い方、自分の扱い方。
これはビジネスシーンでも日常のコミュニケーションでも何にでも使える、心をヘルシーに保てる書籍。
最近読んだビジネス本の中で最高得点です。

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

よい本だった。
雑談のハウトゥーやテクニックではなく、また学者さんではないので知らない言葉や概念が一切出てこない。雑談が苦手という人とたくさん話してきてわかった苦手意識を簡易な言葉で言語化している。
自分のことを話す(自己開示)のが苦手な人は自分の話を聞いてもらうなんて申し訳ない、せめて良き聞き役として役立ってその場にいることを許されたい、というのは本当にそのとおり。しかし、それでは自分に意地悪すぎる。
自分の中の鬼コーチは以前は自分を守ってくれて助けられたこともあるが、いつまでも万能ではない。そこで登場してもらうのが平野レミである。
雑談といいつつ、対人との距離感に関する悩み全般に役立つと思う。

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2025年11月27日

Posted by ブクログ

私がイメージする雑談は、「場を滑らかにするもの、共有した時間を楽しむもの」だったけれど、この本では世間話以上相談未満の会話、自分を前に進める目的意識があるものを指しているようだった。

他の同様のテーマの本を読んでも共通して、自分から開いていく姿勢は大切なのだと感じた。
相手がどんな人かわからないのに自分の柔らかい部分は見せづらいし、会話のおかしみもそういう隙のあるところから湧き出るものだと思う。
自身の考え方のクセを自覚し、歳を重ねてからでも他者と関わることで素直さを獲得して生きやすくなると書かれていることに希望を感じる。

一方で、他者に対して自身を開く準備がまだできない人もいて、開かない自由もあるし、開くことが必ずしも是でもないという面もある。
公園で一緒に並んで蟻が餌を運んでいる様子を話すのも意義のある雑談であると思うし、そういう小さな会話も大事に捉えられる感覚ではいたい。

(インフルエンザでぼんやりしながら休み休み読んだので少し読み方が浅いかも、覚え書き)

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

思っていたような雑談についての本ではなかったが、より広義に人との関わりについて捉え直すことができた。
どんな人もそこにいてよし、という考え方や、思い込みをはがし、自分の欲を知ることから始めることは参考にしたいと思った。

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2025年11月30日

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