一条岬のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
一条岬さんの作品を読んだのはこれで二つ目だけど、なんでこんなに優しい物語が書けるんだろうと毎回思う。
自分のことなんて二の次でこんなにお互いを思いやれるような成熟した高校生はなかなかいないかなとも思うけど、
大人の建前と利害関係ばかりの世界を生きないといけない私は、だからこそ登場人物たちのような優しい気持ちで人に接していたいなぁと思う。
社会の荒波に揉まれに揉まれていつのまにかどこかに置いてきちゃったけど、本当の自分はそういう人間だったなぁと思い出した。私もっと優しかった。
誰かを大切に思える気持ちがあって同じだけ思ってもらえることって幸せ。
印象に残った文章。
僕が好きになった人は映画を撮る人だった。
優しくて、心が美しい人だった。
葵は自分で思っている以上に情に厚い人間だった。
だけどその分だけ、世界の冷たさや何気ない悪意に気づいてしまい、自分を強く見せるためか冷淡に振る舞ってみせた -
Posted by ブクログ
ネタバレ樋口悠と有馬帆花と水瀬凛。
3人の同級生のお話しなんだけど
有馬帆花と水瀬凛が交互に現れるから
現実なのかイマジナリーフレンドなのか
どっちが本当なのか分からないまま読んでた。
そしたら少しずつ真実が見えてきて。
悲しい事故から3人の未来が変わり始めてたなんて。
水瀬凛は事故に巻き込まれて亡くなった。
樋口悠は大切な人の死を受け止められなくて
遷延性意識障害と思い込んでいる。
有馬帆花は事故の加害者の娘で
その事実に悩み苦しみもがきながら
樋口悠を支えたいと思いある行動に出る。
1つずつ分かってきたピースが全て揃った時に
この物語が凄く切なくて悲しくて
でも絶望や苦しみの中に希望が見えてきて
今を大切に一生懸命に生きようと思った。
今がどん底で苦しくても生きて欲しい
今の日常が当たり前じゃないんだよ
今は無理でもいつかは現実と向き合って欲しい
事故の加害者側にも苦しんでいる人がいること
沢山のことを伝えたいし
知って欲しいメッセージが込められていると思う。
だから
大切な人を亡くした人もだけど
今が幸せでいっぱいの人にも読んで欲しい。
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ネタバレ
事故に依る前向性健忘に陥り、一晩寝ると前日の事を忘れてしまうって、掟上今日子さんの様な高校2年生。
そんな彼女を擬似恋人として支え、擬似ではなく真に心を通わせた男子高校生。
でも、未だ彼女の症状に改善の兆しも見えていない段階で唐突に他界してしまう彼。
突然死となる人は日本国中では毎日数十人にも及ぶのに、自らの縁者に起る事を想定できる者はなかなか居らず…。
逝ってしまう者、遺される者、思い出す事も叶わない者、それぞれの立場・心情に思いを馳せると何だか涙腺が緩んでしまいました。 -
ネタバレ
記憶障害により思い出したくても記憶の原本が自らの中に見付けられず、それでも何としても思い出したいと強く行動し、無かった筈の断片を掴み掛ける者。
その同じ相手に思いを馳せても、亡き彼への思いが強過ぎて、忘れたいと思っても忘れられない者。
そんな彼女を笑顔にしたいと望む者。
神谷透という少年が唐突にこの世を去った後、残された者たちの様々な葛藤。
あまりにも出来すぎたスピンオフに鼻白む感を覚えつつも、やはり涙腺に刺激の来る作品でした。 -
Posted by ブクログ
「今夜、世界からこの恋が消えても」のスピンオフ作品。
「今夜、世界からこの恋が消えても」の終わり方も、悲しさはあれど、進んでいる感じで良かったが、今作も終わり方がハッピーエンドな感じで良かった。
今度は泉が主人となっていて、複雑な心境を吐露しながらも物語が進んでいく。
途中、泉の両親の関係性についての描写があるが、その部分を読むと、今の泉の関わり方がはっきりイメージできるようになった。
無理に記憶を消そうとしなくていいよ、というメッセージは、個人的に印象に残った。
生きている限り、いいこともそうじゃないことも色々覚えていくことになるが、それも含めて、自分を形成していると思うと、必要な思い出だなぁと思った。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ歌で生きていくのは厳しい世界だから
夢ばかり見てられないって
自分なんかが出来ることじゃないって。
その綾音の気持ち凄く分かる。
厳しいと分かっている世界に飛び込むのは
怖いし自信持てないよね。
でも春人が綾音の歌声に可能性を感じて
春人なりの形で綾音の背中を押して
綾音は歌手になる夢を叶えた。
芸能界ってスキャンダルとかに厳しいから
春人と綾音の関係がどうなるかは予測できた。
綾音は夢を叶えたい。
でも春人と離れたくない。
春人は綾音の側にいたい。
でも綾音に夢を叶えて欲しいし
チャンスを無駄にして欲しくない。
2人の気持ちが想像できるから
凄く切ないし現実は甘くないと思う。
でも別れた数年後に綾音のLIVEをきっかけに
2人はまた一緒の時間を共にし始める。
LIVE中に綾音が初めて作詞した“春の人”を歌う。
すぐに春人に宛てた歌だと分かったよ。
普段だったら面と向かって言えないことも
歌や詩ならストレートに言えるのって
どうしてだろう。
それこそ歌の力なんだろうね。
そして綾音が妊娠したと予感して
これから幸せになるって思った矢先に
妊娠と同時に病気が発覚してしまって
本当に運命残酷だと思ったし
何でストレートで幸せになれないんだー
と叫びたくなる。
この後の展開は1つは想像した通り。
でももう一つはそこまで考え及ばなかった。
全てのピースが繋がった瞬間感動した。
でも残酷な運命が立ちはだかっても
何とかして乗り越えようとしていくから
物語は面白いし読書を辞められない。
こんな熱い恋愛したい。
色濃い人生を送りたい。
綾音と春人に負けてられないぞ!
って私まで熱くなっていく。