増山実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ダメでした。
能登に起源をおく主人公・恵介の星場一族のファミリーヒストリーです。
実は私も数年前に我が家のファミリーヒストリーを調べました。文化・文政時代から瀬戸内海で小さな廻船業を営む一族で、斜陽となった明治期には祖父を除く5人の兄弟がアメリカ・ブラジルに移民。現地での厳しい開墾、差別、そして太平洋戦争、様々な辛酸を嘗めた事が判りました。幸いなことに、父の代には一旦完全に関係が切れていたその子孫を見つけ出す事も出来、様々な情報交換が出来ました。
この物語は国内だけですが、ある意味似たような話です。でもなんかピンとこない。読んでいて、何故かふた昔くらい前のテレビドラマを見ている感じがします。
直前に読んだ川上未映子の『夏物語』は女性が描く女性の物語で有りながら男性の私が読んでも迫ってくるモノがありました。しかしこの話は、私の体験に近いものでありながらも、そうした感覚が起きないのです。一つには本筋に関係のない書き込みが多すぎるし(父母の面会が病院の都合で何度も延期される)、表現力の差もあるように思います。また地震・水害とか余りにタイムリーに織り込まれているのも気になります(初出は2024年8月ですから、震災があってすぐに書き始め、豪雨災害は執筆中に取り込んだ事になります)。
他の人は高評価の様ですので、私の個人的な思いなのでしょうが。。。 -
Posted by ブクログ
大阪の待兼山駅前で65年続く喫茶店「喫茶マチカネ」。
半年後に閉店が決まったこの店で、月に一度開催されることになった「待兼山奇談倶楽部」では、毎回ゲストがこの街、この喫茶店にまつわる不思議な体験談を語ります。
古き良き街並みを残す待兼山駅前の風景と、ゲストが昔を振り返って語る思い出話の効果で、読みながら脳内に浮かぶ景色はなんとなくセピア調で、全体にノスタルジックな雰囲気が漂う作品でした。
待兼山駅は架空の駅名のようですが、阪急石橋阪大前駅周辺の地理に明るい人であれば、きっと作中に知っている風景がたくさん出てきて、読んでいてもっと楽しいだろうなぁ。
また、喫茶店×ファンタジー作品でいえば川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』にも雰囲気が似ているように感じたので、同作が好きな方はこちらもきっと楽しめるのではと思います。
ちなみに私はタイトルと装丁から、喫茶店の美味しい食べ物が出てくるお話を想像していたのですが、実際は食べ物の描写はほとんど出てきませんでした。
"美味しい小説"を期待して読まれる方はご注意ください笑