あらすじ
「閉店って。店、やめるってことか」
私は無言のまま、ちいさくうなずいた。
昭和29年に待兼山駅の近くで、父と母が始めた書店と喫茶店。1階の書店を兄が、2階の喫茶店を弟が継いだが、時代の流れもあり、最寄駅の名称が変わるタイミングで店を閉じることに。
喫茶マチカネの店主・今澤敦己は、店を愛する客からの提案で、残された数カ月の間、心に残る不思議な経験をゲストが語る会「待兼山奇談倶楽部」を開催する。そこで語られた、人生におけるとっておきの出来事とは……。
心あたたまる連作短編集。
(第一話:待兼山ヘンジ/第二話:ロッキー・ラクーン/第三話:銭湯のピアニスト/第四話:ジェイクとあんかけうどん/第五話:恋するマチカネワニ/第六話:風をあつめて/第七話:青い橋)
感情タグBEST3
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身近な阪急電車の駅が沢山出てくるので親近感が湧きました。
どのお話も不思議で心打たれるお話ばかりでした。
最後に伏線が見事にに回収されていたのも読み終えた後じんと沁みました。
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昭和レトロを感じさせる「喫茶マチカネ」が舞台
店主の今ちゃん
常連客の「ほんまのパン」の店主仁ちゃん
のイマジンコンビ
喫茶店でアルバイトをしている繭子
そしてもう一人の常連客である沖口さん
1階は「らんぷ堂書店」という本屋さんで
今ちゃんのお兄さんが経営している本屋だ
古くから待兼山に
存在するこの喫茶マチカネから
待兼山奇談倶楽部は発足する
1人の強い意志と
待兼山を愛してやまない街の人々の思いによって
読み始めた時は喫茶店の日常の話なのかと思っていましたが
不思議な話がどんどん出てきて
その魅力に惹き付けられ
あっという間に読み終えました。
とても面白かったです。
喫茶店に足を運びたくなりました。
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閉店間近の喫茶マチカネで『待兼山奇談倶楽部』が発足され6人の登場人物が体験した不思議なお話が語り口調で書かれてます。
どのお話も奇談というより素敵な奇跡のようなお話で感動しました。
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名曲喫茶、レトロ喫茶巡りが好きな私には表紙だけでもうこの世界に入り込めた。
まず、第二話の「ロッキー・ラクレーン」からつかまれた。ビートルズ尽くしのこの短編。ホワイトアルバムの中にポールの曲があった!何度も聴いたアルバムなのにスポッと抜けていた。改めて聴くとストーリーと重なり、感慨深い。
「銭湯のピアニスト」も人生の悲哀、いや生きがいが沁みてくる。ここでは、ビリージョエルの「ピアノマン」。
何よりよかったのは第六話の「風をあつめて」
朝鮮戦争に抵抗を示した吹田事件。全然知らなかった。岡林信康さんの「私たちの望むものは」をしみじみ聴く。
あ、そうか。石橋駅がリアルだったのか。
「私たちの人生って、もしも、の連続ですよね。」「もしも、の先にあったかもしれない未来」があるのかもしれない。
逆に「もしも」なんて言葉使わなくて済むような選択をしていきたい。人は一日に数万回の判断をしているというから、せめて自覚できるものだけでも。
ファンタジー要素があるとリアルがさらにリアルになる!
Posted by ブクログ
阪急宝塚線石橋駅の話で、宝塚線の駅名や馴染みのある名前がたくさん出てきて、入り込みやすかった。
短編に分かれているが、全て繋がっていて、毎回ほろっとくる物語ばかり。最後は不思議な感覚の内容だったけれど、素敵な本でした!
Posted by ブクログ
駅名変更と共に閉店することになった喫茶店と書店。惜しまれながらも、閉店までの間にその舞台である待兼山にまつわるエピソードを語り合う「待兼山奇談倶楽部」が発足された。それぞれの語り部たちの不思議な体験が語られるお話。
まず表紙の昭和レトロ喫茶の絵柄に魅了されて手に取った。併せて感じるノスタルジー。
一つ一つのエピソードがほんのりとした優しい気分になる。
関東住みなので阪急電鉄はピンとこないけど、わかる人には二度楽しめるんだろうな。
個人的には銭湯のピアニストと、あんかけうどんが好き。
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お初の作家さんです。
大阪大近くの待兼山駅にある「喫茶マチカネ」
駅名変更のタイミングで閉店するということをきき、長年の常連沖口さんがこの街で起きる不思議な話を語る会『待兼山奇談倶楽部』を提案する。
そして月一回開催され、語られた話は本にして残すことになる。
カレー屋のマスターが長年応援していた競走馬「ロッキーラクーン」の話
銭湯でピアノを弾いていた学生の話
戦後の貧しい生活の中 あんかけうどんを在日の子供に食べさせていた話などなど
どれも 切なくて、優しくて暖かい。
1つ1つが不思議で、でもその人の人生が詰まってて、聞きたくなってしまう
(読みたくなってしまう?!)
超感動!!とかいう 心の動かされ方ではないけど ほっこりとして優しい本でした。
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優しく、心温まる話。
待兼山ヘンジの日、夕日に照らされると、並行世界が繋がる。
石橋駅のある世界から、並行世界に落ちた人が、その世界で暖かな人達に囲まれて、待兼山奇譚倶楽部を発足し、不思議な話を月に一回する。
応援してた馬らしき青年がお礼を言いに来る話。
ピアニストとストリッパーが一度夢を諦めても再度夢に向かって歩き出す時の、不思議な邂逅。
戦争から帰ってこない息子を待つ父親の元にフィリピン人の友人の子供として戻ってきた息子。
マチカネワニの二体目の化石を探す少年達。
戦後の高度成長期に、朝鮮戦争に反対した青年達が喫茶マチカネのオーナーの父だった事。
そして、待兼山奇譚倶楽部の発起人が石橋駅のある並行世界が来た話と、元の世界の妻に本を届ける話。
誰かが誰かを思い、大切にした事がわかる、優しい話。
「自分ができることで、少しは人に喜ばれるようなことを、それぞれが突き詰めていくしかない。そうしたら、その先の未来が、今より悪うなるはずない」
は、心に刻みたい名言。
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何を隠そう私も阪急電車ユーザーなので、本書の舞台となっている駅を何度も利用したことがありますし、駅前の街並みや商店街の雰囲気もよく知っています。
ふむふむ、作中では「待兼山駅」と言い換えているんだな。
商店街を抜けた先にある橋は赤色だったはずだけど、作中では青色という設定なんだな。
そんなことを考えながら読み進めていきましたが、最後の章に差し掛かったときに全ての謎が解けました。
どの奇談も引き込まれましたし、本当にこんな出来事もあったりするのかも…と思わされました。
本書の内容を覚えているうちに、「石橋阪大前」駅をまたぜひ街ブラしたいですね。
阪大の豊中キャンパスにあるというマチカネワニの化石を見てみたいですし、夕日が落ちる瞬間を狙って待兼山ヘンジを体感したい!
もしかしたら願いごとが叶っちゃうかも…?!ですね。
Posted by ブクログ
・不思議な街を行ったり来たりした人たちの不思議な物語。
・時代や場所についてよく調べられていて、光景がくっきりと浮かぶよう。優しい文章で丁寧に描かれているので読みやすい。
・出てくる登場人物も皆魅力的!
・妙子さんが来年、愛する人に会えますように。
Posted by ブクログ
不思議なお話だった。いや、最初は、待兼商店街にある喫茶マチカネのお話だった。お店を閉める決意をした店主。1Fの書店はお兄さんが経営。もともと両親が1Fの書店と2Fの喫茶店を開いた。
閉店になる前に、この街の不思議な話をするお話会を月に1度開くことになった。
それが各章のお話。たくさんではないけれど多少不思議な、温かい話ばかりだった。
最終章でまさかあんな風につながっていたとは。連作集とはまたちょっと違ったかかわり方。苦手な○○○○ワールドの話だったが、ちょっといい感じがした。
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昭和レトロ感溢れるカバーの雰囲気が気になって手に取ってみた。
長年にわたり営業してきた喫茶マチカネが閉店を迎える。残された数ヶ月間で、喫茶店の営業後に街にゆかりのある人達が不思議な体験談を語る夜会『待兼山奇談倶楽部』を発足する。
そこで語られるちょっと不思議な7編の連作短編集。
移ろいゆく季節を感じながら、月毎で語り手が代わるけど、どのお話もとても心温まる話で胸が熱くなった。なんと言っても語り口が皆さん穏やかで、ホント癒される。人生経験が豊富な方達ばかりだからか、話の内容にも深みがあったり、気付きがあったりで興味深かった。
人生は『もしも』の繰り返し、というくだりにハッとさせられる。あの時ああしていたら、こうしていたら、と思うことばかりだけど、後悔したことも含めてそれが人生なのかな。
ただ夜会でお話を聞くだけのストーリーでは終わらず、ラストちょっとしたファンタジー要素も入り、自分自身が不思議体験をしたような読後感もあって最後まで楽しめた。
Posted by ブクログ
なんだか不思議で、けれどとっても温かな気持ちになれる7話の連作短編集。
長年に渡り地域の人たちに愛され続けた『喫茶マチカネ』が閉店することに。そして同じく地域の人たちが長年利用してきた『待兼山駅』の駅名も改称されることに。閉店と改称を惜しみつつも、待兼山駅のある街の思い出を共有しようと、街で経験した不思議な話を語り合う会が発足した。
初めは語り合うような話が出てくるのか、と心配したけれど出るわ出るわ。しかもじんわり泣ける。
「こういう偶然は、きっといつでも、いろんなところで、いろんな人に、普通に起こっているんだ、と思うから。ただ、みんな、気づかないだけ」
もしかして本当にそうなのかも、と思わせてくれる作品だった。
それにしても最後のオチにはびっくり。初めはなかなか理解できなかった。
Posted by ブクログ
喫茶マチカネで月に一度開かれる待兼山奇談倶楽部で話されたお話を集めた本です。奇談倶楽部という名前の通り、少し不思議な体験をしたという話が多かったです。全7話あり、自分は「銭湯のピアニスト」が好きでした。最後の話にはパラレルワールドの話が出てきて、最初の話と繋がっていくところが面白かったです。
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駅名変更に伴って閉じる書店と喫茶店。その喫茶店に閉店まで月に一度集まって待兼山で起こった奇跡を語り合う。実際ある町の名前なんですね、待兼山町て。一人一人の話が少し長すぎるかなーとも感じましたが全体的には楽しめました。パラレルワールドの世界なのか、全ては沖口さんの夢の物語なのか。能登屋食堂の話が好きだった。
Posted by ブクログ
大阪の待兼山駅前に、1階は「らんぷ堂」という書店、2階は「喫茶マチカネ」という喫茶店があった。そこを始めた両親から後を引き継いだ兄弟が営んでいたが、駅名が変更になるのに合わせて閉店する事になる。
それを機にこの街や店にまつわる話を集めようという事になり、様々な人達が話をしにくる。
商店街の色々な店にまつわる話が面白くてぐいぐい読ませた。
どれもちょっと不思議なところのある話だけれど、それもまた楽しい。
Posted by ブクログ
不思議だったりそうでもなかったりな話を聞きながら最終局面、一気に冒頭まで遡って「そういうことだったの?」と呆然。
沖口さんの話が一番不思議だった。
しかもこれの何が不思議だったんだろうと思った話も絡んでた。
披露された話はどれも奇談の名にふさわしいものばかりだったけれど、そのどれもにその人の人生が色濃く滲み出ているからついつい泣きそうになってしまった。
Posted by ブクログ
阪急宝塚沿線在住なので、ああ阪大ね、はいはい五月山ねと思いながら読み進め、肝心の待兼山だけが分からずもやもやしてたら、まさかのオチ
異世界ファンタジーで剣と魔法の世界に飛ばされました、よりも石橋駅じゃなくて待兼山駅の世界・・・だと?!の方がよっぽどぞっとした
ただ、これが鳥取駅の隣は鳥取西駅じゃなくて砂の丘駅だと?!と言う話でも、そうなの?砂の丘駅ってないの??位で、然程衝撃は受けないと思うので、多少読者を選ぶ作品かも
Posted by ブクログ
待兼山商店街を舞台に心温まる思い出話が語られる。昔ながらの喫茶店に通いたくなる本だった。少し現実離れした後半の展開ではあったが、読みやすい一冊だった。
Posted by ブクログ
大阪の待兼山駅前で65年続く喫茶店「喫茶マチカネ」。
半年後に閉店が決まったこの店で、月に一度開催されることになった「待兼山奇談倶楽部」では、毎回ゲストがこの街、この喫茶店にまつわる不思議な体験談を語ります。
古き良き街並みを残す待兼山駅前の風景と、ゲストが昔を振り返って語る思い出話の効果で、読みながら脳内に浮かぶ景色はなんとなくセピア調で、全体にノスタルジックな雰囲気が漂う作品でした。
待兼山駅は架空の駅名のようですが、阪急石橋阪大前駅周辺の地理に明るい人であれば、きっと作中に知っている風景がたくさん出てきて、読んでいてもっと楽しいだろうなぁ。
また、喫茶店×ファンタジー作品でいえば川口俊和さんの『コーヒーが冷めないうちに』にも雰囲気が似ているように感じたので、同作が好きな方はこちらもきっと楽しめるのではと思います。
ちなみに私はタイトルと装丁から、喫茶店の美味しい食べ物が出てくるお話を想像していたのですが、実際は食べ物の描写はほとんど出てきませんでした。
"美味しい小説"を期待して読まれる方はご注意ください笑
Posted by ブクログ
65年続いたらんぷ堂書店・喫茶マチカネの残された数ヶ月間を月に一度開かれる「夜会」で、街にゆかりの人々が彩る物語。ひとつひとつのお話に余韻があって心が暖かくなった。特に、銭湯のピアニストと風をあつめてのお話が好き。最後にも意外な展開があり、面白かった。