増山実のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
面白かった。
ブグログで本の装丁が出てこないのが残念なのだが、本作の子供たちの姿が生々としていて大変好感の持てる小説だった。
サッカーワールドカップに合わせ、自分たちの地域では放送されない憧れのオランダ人選手クライフの衛星放送を見に行く。
この思いに駆られた4人の少年の冒険自転車旅行を、いつのまにか読者も熱い気持ちで応援していた。
主人公たちの年齢に近いせいもあり、作中の中学生が興奮した写真週刊誌や映画や憧れの対象への感情を共有できるだけに、本作の彼らに親近感を強く感じてしまう。
著者が静かに昔の「あの夏」を思い返す文章は、優しく懐かしく暖かい気持ちにさせてくれた。 -
Posted by ブクログ
大阪で生活してきた両親が二人ともに
入院し出身地である能登や兄弟従兄弟達の生きてきた年月を振り返り
星場という苗字についても探っていく
ストーリー
親戚関係が多いなかで
互いに思いやり生きてきた時代と人柄を感じさせる
両親がいかに生きてきたのか
話せるうちに聞いておく事は大切かな
これも関係の良い親子ならそうかも知れない
家族の関係がオープンならば可能かな
私の母は父の事をいつか話してやると
言って
話さずに亡くなってしまった
今教えてと言ったのに
父の出生に何かあるのは
うすうす感じていたけど
結局分からないまま
まあ 分かったところで だけど -
Posted by ブクログ
ネタバレお初の作家さんです。
大阪大近くの待兼山駅にある「喫茶マチカネ」
駅名変更のタイミングで閉店するということをきき、長年の常連沖口さんがこの街で起きる不思議な話を語る会『待兼山奇談倶楽部』を提案する。
そして月一回開催され、語られた話は本にして残すことになる。
カレー屋のマスターが長年応援していた競走馬「ロッキーラクーン」の話
銭湯でピアノを弾いていた学生の話
戦後の貧しい生活の中 あんかけうどんを在日の子供に食べさせていた話などなど
どれも 切なくて、優しくて暖かい。
1つ1つが不思議で、でもその人の人生が詰まってて、聞きたくなってしまう
(読みたくなってしまう?!)
超感動!!とかい -
Posted by ブクログ
ネタバレ優しく、心温まる話。
待兼山ヘンジの日、夕日に照らされると、並行世界が繋がる。
石橋駅のある世界から、並行世界に落ちた人が、その世界で暖かな人達に囲まれて、待兼山奇譚倶楽部を発足し、不思議な話を月に一回する。
応援してた馬らしき青年がお礼を言いに来る話。
ピアニストとストリッパーが一度夢を諦めても再度夢に向かって歩き出す時の、不思議な邂逅。
戦争から帰ってこない息子を待つ父親の元にフィリピン人の友人の子供として戻ってきた息子。
マチカネワニの二体目の化石を探す少年達。
戦後の高度成長期に、朝鮮戦争に反対した青年達が喫茶マチカネのオーナーの父だった事。
そして、待兼山奇譚倶楽部の発起人が石橋駅の -
Posted by ブクログ
ネタバレ何を隠そう私も阪急電車ユーザーなので、本書の舞台となっている駅を何度も利用したことがありますし、駅前の街並みや商店街の雰囲気もよく知っています。
ふむふむ、作中では「待兼山駅」と言い換えているんだな。
商店街を抜けた先にある橋は赤色だったはずだけど、作中では青色という設定なんだな。
そんなことを考えながら読み進めていきましたが、最後の章に差し掛かったときに全ての謎が解けました。
どの奇談も引き込まれましたし、本当にこんな出来事もあったりするのかも…と思わされました。
本書の内容を覚えているうちに、「石橋阪大前」駅をまたぜひ街ブラしたいですね。
阪大の豊中キャンパスにあるというマチカネワニの -
Posted by ブクログ
家族の物語。
能登半島地震をきっかけに,主人公・星場恵介が,両親の故郷である能登へ出向き,そこで両親や両親に繋がる人々の過去の記憶をたどりながら,自分の中にある命のつながりに気づいていく。
興味深いのは,本書タイトルにも主人公の名字にもある「星」にまつわる話題だ。
主人公は,2度にわたって,柳田植物公園内にある満天星を訪れ,プラネタリウムを鑑賞している。最初の日なんて,1日,すべての上映を見るという嵌まりようなのだ。このとき,星空について解説してくれるのは,宇佐美さん。この宇佐美さんのことも,かなり正確に書かれていて,こんなに暴露していいんかい!本書巻末には,もちろん,「本書はフィクションです