増山実のレビュー一覧

  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    阪急宝塚線石橋駅の話で、宝塚線の駅名や馴染みのある名前がたくさん出てきて、入り込みやすかった。
    短編に分かれているが、全て繋がっていて、毎回ほろっとくる物語ばかり。最後は不思議な感覚の内容だったけれど、素敵な本でした!

    0
    2025年03月06日
  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    サッカーの歴史を語る上で絶対に外せない最重要人物の一人である名選手にして名監督のヨハン・クライフ。そんなクライフに憧れる4人の中学生男子のロードムービー的青春小説。是枝裕和監督の映画『奇跡』に近いものがある。W杯の1974年大会の決勝を生中継で観戦するために東京12チャンネルのネット局のある山口県を北九州市の隣町から自転車で目指すというストーリーの骨子にはもう1ミリも文句なしw最高!月刊サッカーマガジンをはじめとする当時の日本におけるサッカーの扱われ方の描写は涙なしでは読めないノスタルジー。

    0
    2025年02月02日
  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    面白かった。
    ブグログで本の装丁が出てこないのが残念なのだが、本作の子供たちの姿が生々としていて大変好感の持てる小説だった。

    サッカーワールドカップに合わせ、自分たちの地域では放送されない憧れのオランダ人選手クライフの衛星放送を見に行く。
    この思いに駆られた4人の少年の冒険自転車旅行を、いつのまにか読者も熱い気持ちで応援していた。
    主人公たちの年齢に近いせいもあり、作中の中学生が興奮した写真週刊誌や映画や憧れの対象への感情を共有できるだけに、本作の彼らに親近感を強く感じてしまう。

    著者が静かに昔の「あの夏」を思い返す文章は、優しく懐かしく暖かい気持ちにさせてくれた。

    0
    2025年02月01日
  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    もう読み終わり感動のしっぱなしでした。まずは私の青春時代と同じ設定で本当に楽しませてもらいました。著者の増山さんが同い年と言う事もあるかも知れません。私は、桜田淳子、中二時代派です。雑誌GARO、平凡パンチ、洋書プレイボーイ懐かしさオンパレードでした。そしてクライフ同盟の自転車ロード旅は映画「スタンドバイミー」を彷彿させる感動ものでした。1974年のワールドカップの緻密さクライフについて、初めて知ることばかりでした。あなたも読んで感動して下さい楽しんで下さい。

    0
    2024年12月06日
  • 甘夏とオリオン

    Posted by ブクログ

    友に選書してもらった本。

    噺家の舞台裏、女性の甘夏が男性の多い伝統芸能の世界に飛び込むことの難しさ、今まで触れて来なかった落語の世界のかけらを知ることが出来た。
    何より噺ひとつひとつがとても奥深く、面白くて!

    「知らんことは恥やと思う心を持て。世界は、そこから広がるんや。」

    失踪してしまった師匠が甘夏にかけた言葉。
    ちょうど似たような事を考えてモヤモヤしていたタイミングだったので心にストンと落ちてきた。
    落語を観に行ってみたい。またわたしの中で今まで知らなかった世界が広がるかもしれない!

    0
    2024年07月11日
  • 甘夏とオリオン

    Posted by ブクログ

    生で落語を聴いたのは両手両足の指の数よりも少ないかもしれへん。でもいま、この本を読んで後悔した。もっと落語を知っておくべきやったと。いやもっと知りたい。
    「代書」も衝撃的だった。朝鮮人が登場する落語。ほとんどの落語家はその部分を割愛するらしいけど、これに登場する師匠はきちんと全部やる。
    曰く「落語は人を笑う噺やけど、その人の存在を否定するのではなく肯定するのが落語や」やと。なんかしびれた!

    0
    2022年03月05日
  • 波の上のキネマ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    小説ではあるけれど、これが基づいた事実があり、我々はこの時代を経てきたからこそあることを知っていないといけないと改めて思った。

    映画の力、やっぱりすごいし、ここに出てきた映画、名前だけしか知らないものばかりだけれど、見てみたいと心から思う。

    最後の章は、いろいろな場面がそれこそ映画のように思い出され、涙が止まらなかった。

    読んで良かった。

    0
    2021年09月18日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    お初の作家さんです。

    大阪大近くの待兼山駅にある「喫茶マチカネ」
    駅名変更のタイミングで閉店するということをきき、長年の常連沖口さんがこの街で起きる不思議な話を語る会『待兼山奇談倶楽部』を提案する。
    そして月一回開催され、語られた話は本にして残すことになる。

    カレー屋のマスターが長年応援していた競走馬「ロッキーラクーン」の話
    銭湯でピアノを弾いていた学生の話
    戦後の貧しい生活の中 あんかけうどんを在日の子供に食べさせていた話などなど
    どれも 切なくて、優しくて暖かい。

    1つ1つが不思議で、でもその人の人生が詰まってて、聞きたくなってしまう
    (読みたくなってしまう?!)

    超感動!!とかい

    0
    2025年11月21日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    優しく、心温まる話。
    待兼山ヘンジの日、夕日に照らされると、並行世界が繋がる。
    石橋駅のある世界から、並行世界に落ちた人が、その世界で暖かな人達に囲まれて、待兼山奇譚倶楽部を発足し、不思議な話を月に一回する。
    応援してた馬らしき青年がお礼を言いに来る話。
    ピアニストとストリッパーが一度夢を諦めても再度夢に向かって歩き出す時の、不思議な邂逅。
    戦争から帰ってこない息子を待つ父親の元にフィリピン人の友人の子供として戻ってきた息子。
    マチカネワニの二体目の化石を探す少年達。
    戦後の高度成長期に、朝鮮戦争に反対した青年達が喫茶マチカネのオーナーの父だった事。
    そして、待兼山奇譚倶楽部の発起人が石橋駅の

    0
    2025年10月17日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    もともと能登の話を書くつもりだったのか、
    震災があったから書こうと思ったのか。

    いずれにせよ、自分と連なる人の
    生き様を知るということは、
    自分を知ることにもなるんだと思った、

    0
    2025年10月04日
  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    ほろっとした。誰にでもあった純朴な時代ー子供を脱して、いよいよ大人への階段を上り始める中学生の頃を思い出した。好きなことをひたすら頑張って、ちょっと気になる子が居て、頭の中は妄想の嵐。。世の中の中学生を全員応援したくなる!

    0
    2025年09月17日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    父と母の歩んできた人生、自分が生まれる前のこと、もっと聞いても良いような気がしてきた。

    小説では、クリーニング屋を営んでいた両親が、亡くなる直前に、若い頃のことや親戚の話を沢山してくれる。どんな人でも大なり小なり山もあれば谷もあるわけで、人生色々だなと思いながら読んだ。この両親は裕福ではなかっただろうが、最後までお互いのことを大事に思えていて、とても幸せだったと思う。

    0
    2025年09月13日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    何を隠そう私も阪急電車ユーザーなので、本書の舞台となっている駅を何度も利用したことがありますし、駅前の街並みや商店街の雰囲気もよく知っています。

    ふむふむ、作中では「待兼山駅」と言い換えているんだな。
    商店街を抜けた先にある橋は赤色だったはずだけど、作中では青色という設定なんだな。
    そんなことを考えながら読み進めていきましたが、最後の章に差し掛かったときに全ての謎が解けました。
    どの奇談も引き込まれましたし、本当にこんな出来事もあったりするのかも…と思わされました。

    本書の内容を覚えているうちに、「石橋阪大前」駅をまたぜひ街ブラしたいですね。
    阪大の豊中キャンパスにあるというマチカネワニの

    0
    2025年08月28日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    面白かった。ノンフィクションかと思うくらいのリアルな語りで引き込まれた。
    星にまつわる苗字の一族のはなし。
    どの一族にも破天荒な伯父さんがいたり、どうしようもなく苦労した叔母さんがいたりするような普通の市井の人の話だけど、どれも波瀾万丈でドラマがある。自分もおじいちゃんの話を聞いてみたい気持ちになった。
    そして、能登の人間の辛抱強さと優しさ、賢さが胸を打った。

    0
    2025年08月10日
  • われらみな、星の子どもたち

    Posted by ブクログ

    家族の物語。
    能登半島地震をきっかけに,主人公・星場恵介が,両親の故郷である能登へ出向き,そこで両親や両親に繋がる人々の過去の記憶をたどりながら,自分の中にある命のつながりに気づいていく。
    興味深いのは,本書タイトルにも主人公の名字にもある「星」にまつわる話題だ。
    主人公は,2度にわたって,柳田植物公園内にある満天星を訪れ,プラネタリウムを鑑賞している。最初の日なんて,1日,すべての上映を見るという嵌まりようなのだ。このとき,星空について解説してくれるのは,宇佐美さん。この宇佐美さんのことも,かなり正確に書かれていて,こんなに暴露していいんかい!本書巻末には,もちろん,「本書はフィクションです

    0
    2025年08月05日
  • あの夏のクライフ同盟

    Posted by ブクログ

    物語の主人公達と同世代で、懐かしい言葉がたくさんありました。
    私は、大阪で過ごしていましたが、九州の中学生とまったく同じ事をしていました。

    0
    2025年07月24日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    ・不思議な街を行ったり来たりした人たちの不思議な物語。
    ・時代や場所についてよく調べられていて、光景がくっきりと浮かぶよう。優しい文章で丁寧に描かれているので読みやすい。
    ・出てくる登場人物も皆魅力的!
    ・妙子さんが来年、愛する人に会えますように。

    0
    2025年06月18日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    不思議なお話だった。いや、最初は、待兼商店街にある喫茶マチカネのお話だった。お店を閉める決意をした店主。1Fの書店はお兄さんが経営。もともと両親が1Fの書店と2Fの喫茶店を開いた。

    閉店になる前に、この街の不思議な話をするお話会を月に1度開くことになった。
    それが各章のお話。たくさんではないけれど多少不思議な、温かい話ばかりだった。
    最終章でまさかあんな風につながっていたとは。連作集とはまたちょっと違ったかかわり方。苦手な○○○○ワールドの話だったが、ちょっといい感じがした。

    0
    2025年06月11日
  • 波の上のキネマ

    Posted by ブクログ

    尼崎の小さなキネマから壮大な展開へ…。重目の話だったけど、最後にチルーが「なんくるないさ。」って言ってたからちょっと救われた。

    0
    2025年06月05日
  • 今夜、喫茶マチカネで

    Posted by ブクログ

    昭和レトロ感溢れるカバーの雰囲気が気になって手に取ってみた。

    長年にわたり営業してきた喫茶マチカネが閉店を迎える。残された数ヶ月間で、喫茶店の営業後に街にゆかりのある人達が不思議な体験談を語る夜会『待兼山奇談倶楽部』を発足する。
    そこで語られるちょっと不思議な7編の連作短編集。

    移ろいゆく季節を感じながら、月毎で語り手が代わるけど、どのお話もとても心温まる話で胸が熱くなった。なんと言っても語り口が皆さん穏やかで、ホント癒される。人生経験が豊富な方達ばかりだからか、話の内容にも深みがあったり、気付きがあったりで興味深かった。
    人生は『もしも』の繰り返し、というくだりにハッとさせられる。あの時

    0
    2025年03月19日